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1879/1986

1864話、ロゼッタ、敗北濃厚

 大失敗だ。

 さっきから攻撃を避けるたびに脳裏にかすめてしまう。

 よほどガイウスを撃破したことが私にとっての失態になってしまったらしい。

 もっとうまくやれるはずなのに、やれなかった。


 しかもそのせいで利敵行為で超巨大強化兵の動きから無駄が消えた。

 二度のアポーツによって兄神を盾にはしたものの、この防御が何度も通用するとは思えない。

 何より兄神はこの世界の魔法、スキルが一切効かないらしい。

 じゃあなんでアポーツ受けたの? って思うんだけど、どうせこの兄神のことだし引き寄せられることなどないと高をくくってたというか、想定してなかったので無効化し忘れてたんだろう。


 おそらく三度目は失敗するはずだ。

 さすがに追い詰められてからの失態はマズいので今のうちに、アポーツ。

 あ、やっぱ弾かれた。


「ええい、そう何度も盾に出来ると思うなよ馬鹿め!」


 対策されてしまったようだ。

 もう少し盾に使ってやろうと思ってたのに、残念だ。

 さて、そうなるとあの飽和魔法矢攻撃を避ける術がない。


 これはちょっと、敗色濃厚ではなかろうか?

 あの飽和攻撃をなんとかしないことにはすぐに逃げ場がなくなって詰む。

 そもそもすでに次の魔法矢が用意されているのだ。

 発射されればまた追い込まれるだろう。

 どうする?


 まずは矢の特性を考えよう。

 とはいえ、敵の攻撃を避けながらだからとてつもなく面倒くさいし、早さが肝なので全てを同時進行で的確に考えて行かないといけない。

 敵の動きを見きって攻撃を避け、魔法矢を迎撃し、兄神の罵声を聞き流す。

 そんな行動を行いながら矢の特性を考える。

 魔法属性、と思いきや、アレ実体も入ってるんだよね。つまり魔法を付与した物理的な矢。いや、肉片か? あれ、多分だけど自分自身の肉か骨を打ち出してるよね。


 しかも誘導付き。

 つまりどれだけ逃げても追尾してくる。

 この追尾は目視であいつが動かしてるのか、あるいは自動で動くのか。

 どこまで逃げれば追わなくなるのか?

 追尾ミサイルみたいに直前に急上昇などすれば追われなくなるか?

 あるいは本人に肉薄して直角に曲がればベルーチに直撃とかしないか?

 兄神にならやれそうな気はするけど、下手に挑発してアイツ迄参戦してこられると本気で詰む。

 まずは目の前の超巨大型をどうにかしないと兄神はどうしょうもない。


 永遠追尾してくる気がするし、宇宙空間逃げて視界から消えてしまうとどこから襲ってくるかがわからなくなるよね。

 あと逃げられる場所は……地中?

 んー、試してみるか。

 これで何とかなるならモグラたたき戦術で行くしかないけども。


 風魔法を全身に纏ってトルネード。

 そのまま地面に勢いよく突っ込む。

 背後の空間を真正面を抉った土で隠して固め、ベルーチを真下に迂回して背後に出現。

 視界が効かなくなるのがネックね。

 飛び出た先に矢を射られていたら詰む。やっぱ無理そう。


 とはいえ、背後から迫っていた矢は地面に激突したことで一応消滅はしてくれたらしい。

 いや、あっぶな!?

 時間差地面から飛び出してくる矢に、思わず近場にいた兄神の背後に隠れて兄神を押し出す。


「ちょっ」


 無数の矢が直撃したが、まったくの無傷だ。

 ええい、私の反射結界普通に破って来る魔法矢なのに何でこいつは無効化できるんだ。理不尽が過ぎる。

 かくなるうえは!


 迫りくる魔法矢の群れに背を向け、私はそこへ一直線に逃げた。

 大穴から溢れ出す強化兵たちの群れに突っ込み、手身近にいた強化兵を掴んで投げ上げる。

 魔法矢に貫かれて盛大に爆発。

 降り注ぐ魔法矢が強化兵たちを駆逐していく。

 ちょっと逃げにくくなったけど、むしろ安全性は増したな。


 敵だし、良心の呵責なく盾に出来る肉壁がわんさかいるんだ。使わない手はない。

 そもそもこいつら放置してたら各王国の元へと向かってしまうんだし、ここで削れるならベルーチに削って貰おう。

 さぁこいベルーチ、私と強化兵たちが相手だ!


「なんて奴だ! 貴様には正々堂々という言葉はないのか!」


「そもそも相手が正々堂々の埒外なんだから仕方ないんだよ。チート相手に真正面から向かったって死ぬだけだもの」 


 よし、これで魔法矢の群れは何とか出来そう。

 逃げ場がなくなってるけど、なんとかここで踏ん張るしかない。

 さぁこい弾幕戦。強化兵という残弾はまだまだあるわよ。掴んでは投げ、掴んでは投げで魔法矢をなんとかしのぐ。

 眼前全てに矢が存在するとか最悪よね。満天の星空ならぬ矢の雨。大型強化兵を傘にしてなんとか生存す……あ、やば……


 焦れたベルーチは矢を打ち込んだ後、速攻で迫り、大型強化兵持ち上げたままの私に肉薄していた。

 瞳に、巨大な拳が映る。

 ……私、死んだかも――――

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窮地の令嬢を救うのは王子様の特権なんだよ! 当たってて欲しいこの予想
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