1650話、テテ、孤児院とは生える物らしい
SIDE:テテ
孤児院の運営はなかなか大変だ。
前の運営をしていたシスターさんと下っ端さんとで何度も会議開いて経営方法模索してるけど、これ子供がやっていいことじゃないよね。
ただまぁやり方に関しては知識も手に入ったおかげで大人の二人が考える手法にいろいろ付いていけているのが現状だ。
うんうん唸りながらだけどなんとか運営が滞ることは防げている。
それでも、寄付した人たちへの感謝状とか挨拶回りはちょっと面倒くさいよね。
あと貴族の中には孤児引き取りたいって人も居るんだけど、どうも胡散臭い貴族が多いんだよね。
今のところは引き取りたい子が他の子と離れたくないと言っているのでお断りしてるけど、ちょっと私じゃ対応に困る。
なので、申し訳ないけど本日、二度目の休暇日を利用してロゼッタ様を呼ばせて貰った。
お貴族様顎で使ってるようでシスターさんが戦々恐々してたけど、ロゼッタ様、困ったことがあったら遠慮なく言うんだよ。って言ってたから相談したら、せっかくだからアドバイスするんだよ、と来てくれることになったのだ。
「ごきげんよーう」
「うわ、ロゼッタねーちゃん!?」
「おねーちゃん? だあれ?」
「知り合い? きれー」
「でも顔怖いよ? きゃー、こっち見たーっ」
子供たちと遭遇してしまったようだ。シスターさんが慌ててドアを開いて猛ダッシュしていった。
お貴族様相手だから子供が粗相する前にこちらの会議室に連れてくるようだ。
ロゼッタ様なら笑って許してくれると思うけどなぁ。
「ふおぉ、ロゼッタ神様に直接お声掛け頂けるとは、巫女ちゃん、俺ぁ今猛烈に感動してる!」
何度も声掛けられてたと思うんだけどなぁ。
あ、ロゼッタ様わざわざ孤児院迄来てもらってありがとうございます。
「一度来とかないとと思ってたんだよね。んー。孤児院なのはいいけど衛生面がちょっとアレだね。せっかくだし建て直しとくか。この三人が運営なの?」
「はい。私と下っ端さんと元運営をしていたシスターさんです」
「そう。ならまず最初に孤児院建て直そう。とりあえず二階建てで一階と二階にトイレは男女三つづつでいいかな? ちょっと掃除が大変になるかもだけど皆で協力すればすぐできるんだよ。あとお風呂は温泉型にしよう。家事施設も大人数がキッチンに立てるようにして子供サイズに作り直した方がいいかな。一緒に出来た方がいいでしょ。大人用のキッチンも少しずらして付けとくか。部屋数は今十個くらいしかないよね。三十くらいに増やそう。えーっと他に何か必要なのある?」
「え? え?」
「み、御心のままに!」
「あらー。あ。出来れば子供たちが遊べる遊具とか、勉強出来る場所欲しいかもです」
「なら空き部屋の一つを教室にして黒板付けとくか。今の人数ならそれで十分でしょ。一階の方に設置がいいかな。遊具は外に作るよ? あそこが畑だから……そこかな?」
なんかシスターさんが困惑してる間にどんどん決まっていく新しい施設の草案。
かかる費用? 必要資材? ロゼッタ様には必要ないらしい。
「んじゃ、後の話はとりあえず新居に変えてからね。テテちゃん。悪いんだけど、各部屋の必要なモノ全部アイテムボックスにしまうから指示よろしく。下っ端君はシスターさんと館内の生物全員庭に連れ出しておいて」
ロゼッタ様に付いて回る。各施設内の家財道具が次々に消えていく。アイテムボックスという魔法で異空間にアイテムを収納するらしい。私もそのうち魔法授業を行って覚えることになるそうだ。
凄く便利そうだからちょっと楽しみである。
「ところでテテちゃん、その腕輪、どう?」
「ずっとしてても違和感ないですし、いつでも装着できるのいいですね。でもなんであのキーワードで着替えになるんです?」
「そういう、ものなんだよ」
なんか、露骨に目を逸らされた。
どうやらロゼッタ様の個人的なこだわりらしい。
ロゼッタ騎士団、メイクアップ、だって。なんでこんなセリフにしたんだろうね。
しかもポージング付き。右腕をぎゅっと握って左頬横に、メイクアップと叫びながら拳を上に付きだすと変身するんだって。
資材庫の中身も全て回収し、孤児院はほぼ数分で中に何も存在しない箱物建築物へと変化した。
そのまま外に出ると、子供たちとシスターさんたちが困惑しながら待っていた。
「ロゼッタねーちゃん、なんか家造るって聞いたけど、ほんとかー」
「ええ。早速創るけど残ってる人いないよね? 孤児院取り壊して大丈夫?」
「生まれ変わるんだろ、任せる!」
この少年はなんでこんな偉そうなんだろう。相手ロゼッタ様だよ。一応騎士団の長なんだけど?
「んじゃま、ほい!」
土魔法発動。
孤児院の地盤がずぶずぶと孤児院を飲み込んでいく。
さらに内部で回転を始めて孤児院を圧し潰して圧搾、回転して破壊しながら土へと還していく。
「うっそだろ……」
「すご……」
「ロゼッタシンサマカワイイヤッター」
あ、下っ端さんが思わず祝詞唱えだした。
ダメだよ孤児院じゃソレ言っちゃ。
慌てて下っ端さんの首筋に手刀を落として意識を狩り取っておいた。
「んで、ゴーレム作成の応用で……孤児院、作成っ!」
地面から新しい孤児院生えたっ!?




