1649話、ロゼッタ、その一手間が、やり過ぎです
さて、夜間部隊の半分もレベリングが終った。
訓練終了で自宅に戻ってきた私は、同じく帰ってきたロゼとキーリ、そしてリオネル様を交えた今後の報告会に出席していた。
リオネル様、なぜか毎日この時間に報告会開いて今日は何した、明日は何しようと思ってますを伝えてくれって言ってきたんだよ。
「えーっと本日の夜間部は邪神洞窟で半数をレベリングしたんだよ」
「あら? 随分と早くないかしら?」
「皆ちょっと訓練キツくしたら肉離れしそうになったりしてたから、このままじゃ訓練すらまともにできないんだよ。運動不足甘く見過ぎだったんだよ」
「ああ。確かに普通の兵士と違って動きが鈍いの多いわね。でも今から強くなったら問題起こさない?」
「そこはちょっと心配だけど、私兵団の方にちょっと手伝って貰おうかなと、負担多くなるかもだけど、問題はないでしょ」
「ま、変なことしてるの見かけたらウチの方でも検挙しておいてあげるわ。こっちは犯罪者共を纏めるのに攻撃していい対象を見つけるのが大変なのに、ベルングシュタット領の犯罪者予備軍が少ないから」
まぁその犯罪者をまるっと管理してるから予備軍はなかなか出てこないんだよ。
「ああ、でも、テテだったっけ? ウチに来てた娘。あいつの両親はかなり有力株よ。そろそろ問題起こしてウチの管轄になるんじゃないかしら」
どうしてくれようか、とロゼが不敵に笑う。
テテちゃん大丈夫かなぁ。
「そうだ。ロゼッタ。あんたの所に不幸な生い立ちの奴とかいるかしら?」
「不幸な生い立ち?」
「ええ。犯罪者ども、自分たちの不幸自慢で盛り上がっててね。こう、最も不幸な奴の記憶を竜珠に取って放映してやろうかと思って」
「えぇ―。悪趣味かな? リオネル様どう思います?」
「そこで僕に聞くの!? まぁそうだね……それで犯罪抑止にでもなればいいけど、そういう物じゃないよね?」
「一番不幸な体験をしている奴が随分威張っててね、少し凹ましてやりたいのよ。一応、こんな生い立ちなんだけど……」
持ってきたのか記憶入り竜珠。
えーっと。あー、よくある孤児から犯罪に走ったタイプだね。
えー、これで一番不幸なの?
「他が似たり寄ったりかしら」
「んー、壮絶な人生なら教祖さんの人生個人的に見てみたいんだよ。彼女六か国も滅ぼしてるらしいし」
「それは確かにちょっと見てみたいわね」
「あとは、ロゼッタ神教幹部たちかなぁ、あいつらも元犯罪者だからちょうどいいかも?」
「じゃあ明日にでも記憶取ってきて」
「明日!? 時間なさすぎじゃない!?」
「竜珠なんて目的の映像記憶するだけじゃない。ヴァイスヴァイテ引き連れていきなさいよ。連絡は入れてあるから明日の昼過ぎだっけ、訓練場に向かわせるわ」
白竜さんを顎で使ってやがる。
「一つだけでいいの?」
「いくつか竜珠持ってくるよう頼んだわ。後はよろしく」
なんという他人任せ。まぁいいんだけど。
「それじゃ明日以降の予定をお願いできるかな?」
「そうですわね。私の方は変わりなく、犯罪人たちを調教して人の役に立つ存在にしていきますわ」
「えーっと、私じゃないけど採寸した皆のデータで服を作成して貰うかな。それが出来たらちょっとひと手間加えて専用装備にしようかと。普段そこいらにいる一般人の服装だけど有事にその場で着替えが出来るように、ブルー君やレッド君の変身セット解析して作って置いたんだよ。変身の腕輪」
「それひと手間って程度じゃないよね?」
「すでに手間な部分は終わらせてるから腕輪に変身先装備を収納して対象を専用化させるだけなんだよ。ひと手間程度の作業です」
「いや、やり過ぎでしょうよ」
「主はんのひと手間は範囲が広いんや」
「はは、さすが宇宙規模」
何の話?
私はよくわかってないけど皆うんうんとうなづいてやがる。
ちょっとロゼ、あんたまで分かってるってどういうこと!?
「それにしても、なんでまた変身の腕輪?」
「ベルトでもいいかなと思ったんだけど、普段使いするかと言われるとちょっと不安があったから腕輪にしたんだよ。あと、なんか皆揃って変身! とかするの楽しくない?」
「完全に趣味だ……」
「主はんたまにこういう暴走すんねんよ」
「自分だけじゃ満足できないのかしら。他人迷惑だわ」
いや、でもロゼッタ騎士団だし、私の私設団としては統一感あった方がいいでしょ?
皆揃って騎士っぽく変身するんだよ。あ、でもテテちゃんだけはせっかくだし巫女服に変身するようにしておいたんだよ。なんか巫女巫女言われてたら着せてみたくなったので。
もしかして教祖、彼女が巫女服着てる姿見て巫女様呼びし始めたとかないよね?
それだとまさしく卵が先かニワトリが先かの問題になりかねない。
私がテテちゃんを巫女にしたのが先か、教祖さんが未来視か何かでテテちゃんの巫女姿を見たのが先か。あるいは別の要因かもだけど、巫女服にしちゃったのは教祖のせいだと断言しておく。




