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1641話、???、咎人たちの集い

SIDE:とある罪人


 俺は自分のことを真人間だ。なんていうことはない。

 お世辞にも日の当たる人生を送っているとは言えねぇ。

 そりゃぁよ、俺だってできるならそういう人生送りたかったぜ?


 適当な女と出会って恋に落ちて結婚して。

 それなりの仕事にありついて必死に汗水たらして雀の涙な給料貰って。

 子供作ったり、家買ったりよ。

 そんな未来、送ることができてりゃぁな。


 なんで、こんな場所に居るんだろうなぁ?

 俺は今、気を付け、姿勢で立たされている。

 俺の周囲には同じように犯罪に手を染めちまった人でなし共が気を付け姿勢で立たされている。

 何をしてるかって? 待ってんだよ、ウチの会社の支配人様をよ。


「まぁまぁ、人類のクズな皆様ご機嫌よう。初めまして腐ったミカンの群れたちよ。これよりお前たちを家畜として飼うことになった飼い主の、ロゼ・ベルングシュタットですわ。肝に銘じておきなさい」


 やってきたのは侯爵令嬢。

 金色の髪を靡かせ現れると、魔法で高台を作って俺たち全体が見渡せる高さへと自身を持ち上げる。

 カーテシーってんだっけ? お嬢様のお辞儀を軽く行いニタリと笑みを浮かべる。

 くはぁ、悪人面だなご令嬢。その笑みゾクゾクくらぁ。


 無理矢理組み敷いて壊れるまで抱きまくりてぇ。

 そう思うのは俺だけじゃないはずだ。

 だが、実行しようとする阿呆は居ねぇ。居るはずもねぇ。

 何しろこれが最初の挨拶じゃないからな。

 俺たちが集まった時、そりゃあもう皆が皆あのご令嬢に群がったさ。


 一切触れることなく全員返り討ち。俺も一体どうやって倒されたのかすら理解できずに、気付いた時には地面に倒れ伏し、誰ともわからんおっさんのケツに顔をうずめていた。黒歴史の一つになっちまったぜ。

 つまり、あのご令嬢は出鱈目なほどに強い。

 俺ら社会のゴミがどれほど集まっても意に介することないほどに、強すぎるのだ。

 だから俺たちは従う。


 闇の掟はただ一つ。強いものが正義だ。

 強ければ何をしたっていい。弱ければ何を奪われても文句は言えねぇ。

 そして俺たちは敗北し、ロゼの姐御の下僕になったのである。

 そりゃ、犯罪人だからな。隙を見てどうにかしてやろう、と手ぐすね引いてる奴もいる。

 が、ロゼの姐御はそんな奴らにも好きなだけ反逆しろと反逆を許容しているのだ。


 反逆してもいいけど反逆したらその分潰す。

 だからしたければ好きにしろ。

 命令に従わない奴は処分する。それだけだ。


 俺たちだって命は惜しい。

 だからロゼの姐御に従っているのだ。

 手綱が引かれているうちは大人しくしているさ。

 つまり、ロゼの姐御が強いままであるならば、俺らは不満を押し殺し姐御のやりたいことを手伝うってぇ寸法だ。


 その姐御が立ち上げた秘密結社トリーアンダフィリエスとか言う組織が俺の所属する組織になる。

 何をするのかってぇと自分たちのやりそうなことを考えて未然に犯罪を防ぐための組織なんだとよ。

 つまり、俺らがお天道様の上をにこやかに走り回るガキどもの為に働くってことだ。

 嘘だろ? 俺らだぜ? むしろ誘拐して他国に売っぱらって泣き叫ぶガキをぶん殴るくらい良心の呵責なく行うような奴らが、人の安全優先で犯罪者どもを摘発するってか?


 いや、俺より凶悪な犯罪者共はそれも一興、とか殺せるなら誰でもいいとか普通に楽しんでるようだが、同業者ぶっ殺すことになるんだぜ?

 それに下手に民間人に手を出すと姐御にぶっ殺されるんだろ?

 俺嫌だぜ、見せしめにぶっ壊された奴見ただろ。精神完全粉砕されて今じゃ自力でオシメもできねぇ汚物になっちまった。

 しかもあいつの世話も持ち回りで俺らがやるんだぜ。


 この年で純真無垢な眼ぇしてばぁぶ。とか言いたかねぇよ。

 どうやったら凶悪犯罪者が赤ん坊に成っちまうんだ。姐御ヤバすぎだろうがよぅ。

 

「さぁ、今日も元気に犯罪人を摘発していきましょうか。なぁに摘発出来たら仲間が増える。人間終わってるお前たちなら良心の呵責なんてないでしょうよ? お仲間増えるんだから率先して足を引っ張り合いなさいな」


 姐御も姐御でひでぇ言い方するしよぉ。俺らを人間として見てねぇんだあの人。

 だが、それがいい。

 なんか年下の小娘に命令されるのも意外と悪く思えねぇんだよな。

 俺以外にもそういう奴がいるのと、そういう奴に限って凶悪犯罪者だったりするもんで、本来従う気のない犯罪者たちも仕方なく従うことになってんだ、犯罪者はさらなる犯罪者の危険性を知ってるからな。


 しかし、最近真っ当な奴らを助けるとありがとうとか言われてさ、なんっつーか。悪い気はしねぇよな。

 意外と俺らでも感謝されると嬉しいもんなんだなぁ。

 むしろ今まで感謝されるようなこと一切なかったからな。こういうのも、たまにはいいよな。


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