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1639話、テテ、私が向かう先

SIDE:テテ


 正直、いろんな道があり過ぎて訓練中に結論なんて出せなかった。

 皆が帰って行くのを見送りながら、私は必死に考える。

 一番楽なのは、きっとロゼッタ様に庇護して貰うこと。

 タダで住めるし、美味しいご飯が食べ放題。でも、それは多分望まれてない。

 ううん、選んだらちゃんと面倒見てくれるだろうけど、私がそんな人生を送るのはダメだと思ってる。


「決まった?」


 他の人たちを帰らせたロゼッタ様が告げる。

 最後まで残っていたシュクネお姉さんも、ロゼッタ様にほら、帰った帰った、と無理矢理帰らされてしまった。

 多分私を家に連れ帰ってあげよう、って思ってくれてたんだろうけど、その結論が出る前に帰らされてしまったようだ。


「あの、選択肢が沢山あり過ぎて、どれを選んだらいいか……」


「ふむ。確かに選択肢与え過ぎたかもだねぇ。でもさ、君が向かう先はそれだけ沢山存在するってことだよね?」


 そうですね。そうなんですよね。

 家に帰れないからって終わりじゃない。私にはまだ先があるし、皆が親身になって助けようとしてくれる。

 騎士になるために集まった人たちだからか、とても親身になってくれてむしろ申し訳なく思えてくるくらいだ。


「ちーっすロゼッタ神様! 巫女ちゃんどうするっすか? 孤児院なら俺送りますよー」


 うわ、なんか怖い人来た!? あ、座学に出てたロゼッタ神教の幹部さん!

 

「なんだ来たの?」


「一応教祖のババァから迎えに行っとけ、と言われてますんで」


「あのねテテちゃん。こいつこんな顔してるけど、孤児院の運営するらしいんだよ」


 え、この人が? 引き算で苦戦してたのに?


「お、おぅ、なんだよその信用成らねぇって顔は? そりゃ頭は悪いがよ?」


「あ、そうだ。せっかくだしテテちゃん、こいつの代わりに孤児院運営する?」


 はい? え? あの、私が!?


「孤児院の運営方法はあんた知ってるでしょ?」


「はい、つか今日から前任者から引き継ぎがある感じっすね。ってこたぁ俺の引継ぎ無しにして巫女ちゃんに引き継ぎするんっすか?」


「ええ。やることは教えて貰えばいいし、計算に関しても私が教えていくから問題なく出来るでしょ。あとはまぁあんたが補助しておけば問題なく運営できると思うんだよ」


 えぇ、私まだ子供なんだけど? 運営? 孤児院の?


「もちろん、これも選択肢の一つだからやってみるかどうかはお任せするんだよ」


 選択肢が一つ増えただけなのでは?

 でも、もうお母さんを守るっていう目的もなくなったし、新しい目標があってもいいのかな?

 ロゼッタ様は私でも出来るっていうし、おじさんも手伝ってくれるみたいだし。

 おじさん、怖いけどロゼッタ様のこと崇拝してるから酷いことはしないと思う。

 父なんかよりはよっぽど頼りになる人だろう。


「じゃ、じゃあちょっとだけ、孤児院やってみよう、かな?」


「お、巫女ちゃんやる気だな」


「ま、気負わずやってみなさいな。失敗してもいいし、困ったら周囲を頼ってもいい。やれるだけやってみて、無理ならソイツに丸投げしちゃいなさい。下っ端君が頑張ってくれるから」


「下っ端、君?」


「いや、俺ちゃんと名前あるんで下っ端は……いえ、ロゼッタ様が俺をそう呼びたいなら今日から俺は下っ端っす」


「えぇ、もうちょっと自分の名前自己主張しようよ!?」


「いいや、よく考えりゃロゼッタ様に命名していただいたってことだろ。はは、他の奴らがうらやましがるぜぇ」


 そう、かなぁ……

 下っ端と命名されて喜ぶのは特殊な趣味の人しかいないのでは?


「んじゃ、巫女ちゃん、孤児院に案内すっぜ」


「あ、はい!」


「そんじゃがんばってねー」


 ロゼッタ様はこれから夜間の訓練があるのでここに居残り。

 私は下っ端さんに案内されて孤児院の元へと向かうのだった。

 私こそが孤児院に厄介になる方のはずなんだけどなぁ。運営しちゃうのか。出来るかなぁ?


「っと、ここだぜ!」

 

 案内されあのは……あの、どう見てもこれ、教会じゃないですか? ロゼッタ様の銅像立ってるし。


「ん? ああ、ロゼッタ神教ベルングシュタット支部は孤児院の隣に併設されてんだ。孤児院はそっちな」


 これ、どう頑張っても教会の影響なくするのは無理じゃないかなぁ。

 

「もともと孤児院だった場所を教団が買い取ったんだ。んで、教団が孤児院丸ごと教会にして、孤児院自体を新しく作って併設したってとこだな。庭は広いから一棟増えても問題ねぇんだそうだ」


 そう、かなぁ。


「あのー、これ多分ロゼッタ様の言う影響のない運営はできないですよ」


「え? でも別棟にしてんだぜ?」


「声、聞こえますし、多分姿とかも見えるし、孤児院に影響及ぶと思います」


「マジかよ。ロゼッタ神様の願いに反しちまう、な、なぁ、どう変えたらいい?」


「えっと、出来るだけ孤児院側からは教会が見えない方がいいですね、あとちょっと離して声も聞こえないようにしたらどうです? 大声は仕方ないとしても塀とか作れば別々には出来ますし、塀の途中に孤児院と教会を繋ぐ通路を作って置けば下っ端さんたちも出入りできますし」


「おお、天才か!?」


 むしろこのくらい子供でも思いつく奴ですよ? 大丈夫かなこの人?

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