1638話、テテ、なんか変な人来た
SIDE:テテ
「えー、これから座学を始めるのですが、ちょっと余分なメンバーが座学のみ増えます。あまり近づかないようにお願いしますね」
何それ?
お昼休憩が終って座学を始めよう、ってところで昨日より座席が多いことに気付いた。
その理由をロゼッタ様が教えてくれたんだけど、よくわからない。
いや、うん、なんか変な人たちが座ってるね。
確かにあまり近づかない方がよさそうだ。
「あー、一応聞きたいんですが、あの人たちは?」
「ロゼッタ神教の幹部たちらしいわ。13名来られています。幹部になって運営を行うと言っていたのでどれほどできるのかと思っていたのですがあまりにも杜撰過ぎるので座学の基礎を学んでもらうことにしました。教団勧誘などはしないよう厳命していますので、勧誘されたなど規約違反があった場合は遠慮なく教えてください。〆ますので」
〆る、のとこだけ声が冷酷だった気がするけど、気のせいだと思っておこう。
教団員の人たち、冷酷な声聞いた瞬間喜色満面だったからむしろご褒美だとか思ってる気がしますよ?
皆、最初は警戒していたみたいだけど、授業に関してはむしろ真摯に聞き入っていたので次第彼らへの関心は薄れていった。
確かに、この座学、意外と管理とかするのに役立ちそうではあるよね。
私も文字書けなかったり読めなかったりしてたからこの座学の重要性は理解できてる。
文字も少しずつ覚え始めてるし、計算も簡単なこと出来るようになったし、お母さ……ふぅ、私の将来の為に、頑張って覚えなきゃ。
「では昨日の応用、計算問題です。ひとし君がリンゴを1個、桃を2個持っています。さとる君がリンゴを4個、桃を2個持ってきました。リンゴの数はいくつ?」
「はい、9個!」
全部足したのかな? 白髪の少女が元気いっぱい手を挙げて告げるけど、完全に間違えてる。
ロゼッタ様も両手でばってんマークを見せつけ、間違いを伝える。
「違いまーす」
リンゴだけだから……あ、そっか5個か。
大人の人は結構簡単に解いてるなぁ。やっぱりこれは簡単に計算できる物なんだろう。
白髪の子はまた間違えてたけど。いちいち声上げなくていいと思うよ?
多分ほとんど何も考えずに答えている白髪の子以外は苦戦しつつも解けたようだ。
さすがにこのまま彼女だけわからないのは拙いと思ったのか、ロゼッタ様が告げる。
「遊んでないでちゃんと計算する娘は好きよ?」
「はい、リンゴは5個です!」
さっきまで適当だったのに、即答した!?
もしかして今まで遊んでた!?
「はい、皆さんありがとうございます。では足し算はこのくらいでいいでしょう。本日増やす計算は引き算です」
昨日の確認はできた、と新しい計算に入るロゼッタ様。
もう次の計算始めるの!?
「今回教える引き算は足し算の反対です。最初にある数から目的の数を減らすことで残った数を計算します。実際に先ほど使った文章をもう一度使いましょう。ひとし君がリンゴを1個、桃を2個持っています。さとる君がリンゴを4個、桃を2個持ってきました。ひとし君が桃を1個、さとる君が桃を2個食べました。残った桃は何個?」
と、言葉にしながらホワイトボードに文章を書いていきます。
文字は読めないところもあるけど、言葉で伝えてくれるのである程度文章も読めてくる。
あの文字がリンゴであの文字は桃、数字は習ってあるから文章読めなくても文章が参考になる。
さて、今度は桃か。二人とも2個持ってたから2+2で4。そこから……
「ちなみに、足し算は+を使いましたが、引き算は-を使います」
おっと、白髪の子も今度は真剣に解き始めた。
なんとなく分かってきたけど、初めての場合こういう計算は難しいんだよね。
えっとこの場合合計が4個で、食べた合計が3個だから4-3になって、えーっと1個、でいいのかな? いいよね?
どうでもいいことだけど、商業ギルドに登録するには、この計算が出来ていないと合格しないらしい。
ということは、ロゼッタ様の座学を覚えきったら商業ギルドには余裕で合格して商売始められるってことだよね。それって自立できるってことじゃない? 凄い!
計算が終ると、次に行ったのは歴史の勉強。大体文字の書き取り、計算、歴史で座学が終る。
ロゼッタ様曰く基礎の基礎らしいけど、皆ついていくのに必死だった。
これで基礎なら応用ってどんな大変なことになるんだろうか?
頭を使ったあとは戦闘訓練。
ロゼッタ様が造り出したゴーレムを相手に武器を使った攻撃方法を学ぶ時間である。
相手のゴーレムは攻撃はしてこないけど防御はしてくるので、いかに相手の防御を掻い潜って攻撃を当てるかがちょっと楽しい授業である。
そして、座学を終えたロゼッタ教団組がこの訓練の合間にぞろぞろと帰って行ったんだけど、彼らはまた座学だけ習いに来るらしい。教団の幹部っていうのも大変だね。




