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1629話、テテ、二日目にして初の訓練

SIDE:テテ


 動けるようになったお母さんに父が来ても入れないように何度も告げて、家を出る。

 本日二日目の騎士団勤務だ。

 正直、他の人たちには申し訳ないんだけど、レベル差を使って楽に訓練させて貰いますっ。

 お爺ちゃんたちもそんな感じだし、問題ないよね?


「ほいじゃ、今日もストレッチ終わったので一周しましょうか」


 皆して走り始める。

 私は子供たちのチームではなくお爺さんお婆さんチームに移籍することになったので一番最後に走る組だ。


「さて、若いもんに本当の走りを見せようかのぅ」


「ふふ、久しぶりに滾ってきましたねぇお爺さん」


「ベルングシュタットのエミューと呼ばれし足を見せてやろうかの」


 お爺さんお婆さんが新たに出現した主人公の宿敵みたいな顔でニタリとほほ笑む。

 ここ最近プライダル商店ってところからたまに絵本というのが流れてくるらしくて、こっちの商店でたまに売ってるんだよね。結構高いけど子供会の授業で使うために大人が買ってくれたりするのだ。

 お母さんが元気な時は、参加してたんだけどなぁ子供会。

 会費払えないからいけなくなっちゃった。


「さぁ、時間だ皆の衆」


「儂の足がうずいておるわ」


「お婆さんの走りというものをお見せしようかねぇ」


 ふふふふふ。と含み笑いするご老人たちが走り出す。

 私はその走りについていくことなくゆっくり走るお爺さんたち組に交じってゆっくり走る。

 それでも子供チームはあっさり抜いて、おじさんおばさん組を多少抜かしてしまったけれど。


「むほほほほほほ、風の抵抗が凄いわい!」


「ぬほ――――っ、これが儂の全力じゃーい!!」


 お爺さんたち凄く生き生きしてるなぁ。

 驚く若者たちを追い抜いて、棺桶に片足突っ込んだ男女が駆け抜けていく。

 まさに人生の先を行く先人たち。

 その走る背はあまりにも遠い。


「ンなばかな!?」


「なんであんな爺さんが!?」


「いやいやいや、なにしたらそうなんだ!?」


 さすがにありえない状況に不正を疑うメンバーたち。

 なんとか一周走り終えるが、自分の息疲れも構わずロゼッタ様に食って掛かる。

 一体何したんだ、というのが殆どだ。


「ご老人たちが訓練に参加できるようにしたんだよ?」


「いや、したんだよって、あれ参加できる以上に強くなってないですか!?」


「俺らだって強くなりたいのに、なんでジジババだけなんすか!」


「あら、最初に言ったじゃない。貴方たちの実力と精神性を一週間観察するって。お爺さんお婆さんは老いというハンデを持ってるし子供たちは成長前というハンデがあるわ。それを貴方たちに合わせるためにしたことよ? それにあちらの子供たちは辛い訓練は嫌だってことで昨日と変わらないでしょ?」


「で、でもこんな急に!?」


「あら、簡単に強く成れると本気で思ってる? 本来身の丈に合った成長をするべきを急激に力を付ける。その反動がどれほどのモノか……」


 ニィっとロゼッタ様がほほ笑む。

 ものすごい悪徳を思わせる笑みに、皆押し黙ってしまった。

 こういう時怖い顔って便利だよね。本人そこまで悪意が無くても、相手が勝手に類推して押し黙っちゃうから。


「なぁに、どうせ半年もすれば皆追いつく。老人を老害と思う者は改めよ。老いた者は実力と経験を持つ。肉体さえ問題なければこれほど心強く頼りになる先人はいないだろう?」


「そ、そりゃぁ……でも近所のばあちゃんがあんな動きするようになるって……」


「理解が追い付かないって……」


「ってかよ、ジジババの影に隠れてるけど子供でジジババについて行ってる奴一人いないか?」


 それ私のこと!?


「ええ。子供の中で一人だけ彼らと一緒に特殊訓練を受けたのよ。貴方たちも見てたと思うけど?」


「そういや班分けの時辛く苦しくても強く成りたいチームの方に子供が一人いたな」


「あの子、か?」


「え。ってことは、今の状態であの子、俺らより強いのか!?」


「まだ基礎も基礎なんだからそこは問題じゃないでしょう。ほら、訓練再開しますよ」


 なんだか視線が私に集中したしたような?

 お、同じ訓練するだけだよ? そんな見ないでください!?


 最初の訓練は拳の打ち込み方や投げ方、投げられた時の受け身の取り方、などを教わった。

 ただ教えてくれるだけではなく、なぜこの動きが必要なのか、なぜ最初に覚えるのか、という理由まで付けての説明だった。

 基本悪い人と出会ってしまった時、相手がやってくる動きが拳の打ち込み。

 だからその動きを自分で理解して、対面の人の動きを見ながら、投げることで相手を無力化するんだって。

 で、一応投げを行うから投げられた時の受け身を覚えることで投げられて背骨折れたり変な落ち方して死んじゃったりすることを防ぐんだそうだ。


 土魔法とかいうので周囲の地面を柔らかくしているらしいので、怪我はないらしいけど、それでも万が一が起こり得るのでしっかり受け身を覚えるようにって何度も言われたから覚えたよ。

 レベリングしたからか、覚えやすくなってる気がするなぁ。

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