幕間1
幕間です。
短めなため、本日はもう1話同時に投稿しています。
「おーい、アイニス。ちょっといいか?」
「はい、何でしょう?」
上司であるファルサに呼ばれたアイニスは席を立ち、彼の前へと歩いて行く。
「ほれ、例の計画で送り込んだ魂があっただろ?透くんだったか。その後の進捗はどうだい?」
アイニスは、はいと言って答える。
「既にマスターを選定し終えているようです。そこで事情説明や、知識の杖としての機能を確認したり、といった状況です」
「ほう、もう選定済みか。大分早いんじゃないか?」
「はい、ただし承認中にエラーが発生しています。こちらをご覧ください」
そういってアイニスは空中で手を動かす。するとファルサの前に文章の書かれた映像が出現する。
「ふむ、複数の同一体か…考えられる現象としては魔力的な双子、といったところかな?」
顎ひげに手を添えながら、そうファルスは言う。
「はい、そう思われます。魔力的な双子の上、全属性保持者となるとかなり珍しいケースかと」
「ああ、大分珍しいな。いやぁまったく、透くんも持っているね」
そういって先ほどアイニスから送られてきた文章を流し読む。
「システム的には影響は無しか。まあこの程度では影響は出ないか」
「そう考えられます。後は、彼が秘匿情報に関する警告を何度か出しているぐらいでしょうか」
「そりゃあ仕方ない。こっちだって情報を全て教えているわけでもないしな」
ファルサは承認、と言って手を振る。その後アイニスの前に文章が浮び上がる。
「有難う御座います。それで彼の御家族の件ですが」
「おう、もうそっちも進展あったの?はやいね~」
そう茶化す上司を無視して、アイニスは報告を続ける。
「まず御家族のほうには多額の保険金を支払います。これは彼に保険をかけてあった、といった態をなします。あとはアフターフォローとして、うち中から監督する人材を派遣します」
そういってアイニスは再度手を振ると、またファルサの前に文章がでる。
「うん、いいんじゃないか。彼の転生を邪魔してまでお願いしたことだ。これぐらいは安いもんだ」
そういってまた承認してアイニスへ投げ返す。
「有難う御座います」
そういってアイニスはあたまを下げる。そして少し言いづらそうに、小さな声でファルサへと問いかける。
「…例の部署の件、どうなりました」
それを聞いたファルサは一瞬まじめな顔となるが、すぐにおどけた表情になる。そしてアイニスに、自分もまた小声で答える。
「まあ、このまま設立しそうだね。いつになるかはまだ明確じゃないが、確実にね。まったくどうなるか影響が見えてこない。そうなると打った手がどうだったかで、今後の展開が変わってきそうだ」
ファルサはまったく嫌になっちゃうよ、とお茶らけた様子でそう言う。
「であれば、今後の予定としては…」
「ああ、もう設立が確実なものとして進めてくれ。こちらは出来る限り延期させるよ」
「分かりました。では、失礼いたします」
そういって頭を軽く下げるとアイニスは元居た席へと戻る。そうして席に座るとため息をつき、また仕事へと戻っていった。




