伝説の始まりと残念なモノローグ
俺の名前は 谷崎俊希ごく普通の高校二年生だ!
とか、そんな月並みな挨拶で始めたいんだけど残念ながら世の中上手くは行かないんだよねぇ。
俺には、ほんのちょっぴり変な体質があるのだ。
その体質とは、超主人公体質!
と言えば聞こえは良いが、より分かりやすくかつ真実に準えて言うと超巻き込まれ体質なのだ。
俺がこの巫山戯た体質に気付いたのは、4歳の頃だった。
道を歩いていると突然小さなブラックホールみてぇな(と言ってもブラックホールなんて見たことねぇけど)のが俺に向かって飛んで来たのだ。
そして、そのブラックホールモドキに吸い込まれた俺が見たのは俗に言う異世界だった。
そこから、俺の受難は始まったのだ。
例えば、飯を食ってる時
例えば、テレビを見てる時
例えば、マンガを読んでる時
唐突に呼び出されてはあれをしろ、これをしろと奴隷の様にこき使われて(ちなみにさっきの世界では魔王を倒せだった。)、言うことを聞かなければ元の世界に帰れないのだ。
まぁ、俺も心は広い方だと思うから4回や5回ならギリギリ許せんこともないんだが、俺が今までに異世界に呼ばれた回数はなんと4億5647万6824回だ。
4億5647万6824回て!
多けりゃ良いってモンじゃねぇんだぞ!?
俺は今17歳だから(異世界で取った分の歳は元の世界に帰った時にリセットされる)1秒間に1回異世界に呼ばれたとしても4億4176万3200にしかならないからね?
どっから1471万3624が出て来たんだよ!
どー見ても誤差じゃ済まねぇ数値だよ!
とかね。
俺にもそういう風に世の理不尽に嘆いてた時期がありました。
それは否定しません。
でも、人は成長します。
いつまでもガキじゃあいられないんです。
じゃあそろそろキチンと自己紹介と行きますか。
「俺の名前は谷崎俊………」
「愚かな息子よー、目覚めよ!!」
………………泣いてないよ?
別に全然気にしてないモン。
もう1回やりゃあ良いだけだし。
じゃあ気を取り直してもう1回。
「お…………」
「早く起きろぉー!!」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇ!!
一旦黙れよ!スヌーズ機能でも付いてんのかテメェはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
俺はブチギレながら1階から聞こえる声の主の方へ走った(言っていなかったがさっきまで俺は2階にある自分の部屋に居たのだ)。
階段を半ば飛び降りる様に降りてリビングの扉を開くと真っ赤な髪をした頭悪そうな奴が朝食であろうベーコンエッグを頬張っていた。
何を隠そうこの頭悪そうな奴が俺の父親、谷崎切人だ。
「なに食ってんだよクソ親父。」
「クソ親父とはなんだクソ親父とは!
もっと丁寧に言いなさい。」
なにを今更、とか思わないでもなかったが一応助言は受け止めよう。
もうガキじゃあねぇんだからな。
「悪かったよ汚物。」
言い終わった直後、俺の左頬に深々と右ストレートが撃ち込まれたのだった。




