心にクルな………マジに
………前回格好良く男じゃあねぇぜ!!
とかなんとか言ってたから、今回からやっと俺の快進撃を見れると思ってた方には本当に申し訳ないんだが、幾つか確認しなければならないことがある。
それは………
「なぁリーゼちゃん」
「はい、何ですか?」
「四天王って何?
っていうかこの世界は一体どーゆー世界な訳?」
異世界に来たら何よりも大切な事は現状を把握する事だ。
敵を知り己を知れば百戦危うからずだっけ?
まぁ、情報は少しでも多い方が良いしな。
「まぁ、ざっくりでいいよ。
そん変わり幾つか質問するけどな。」
俺がそう言うと、リーゼちゃんは唇に人差し指の第2関節を当てて少し考え込むような仕草をしてからゆっくりと話始めた。
「えっと、そう………ですよね。
やっぱり‥‥要りますよね、説明。」
………?
何で説明を要求しただけでそんな渋い顔になんだよ?
なんかのっぴきならねぇ事情でもあんのか?
と、俺が色々考えてるとルーナちゃんがゆっくりと向こうから歩いて来るのが見えた。
……一応ルーナちゃんにも頼んでみるか。
でもなぁ、俺多分ルーナちゃんに嫌われてんだよなぁ………
でもまぁ、なんとかなるでしょ。
「ルーナちゃん、この世界ってさぁ」
「黙れゴミ」
質問を最後まで聴いてすらくれないのか………
なんか、こうも露骨に嫌われるとなんかクルな……心に
俊希が上を向いて涙を溢さないようにしているあいだにルーナは自分の用を済ませる事にした。
ルーナは足早にリーゼに近づくと俊希に聞こえないように出来るだけ声を小さくして話始めた。
「リーゼ、お前の決めた事だから私はあの男を味方にするのにはもう何も言わない。
しかし、あの男にどうやって詳しい事情を説明する気だ?
四天王の事を話す以上、どうやっても………」
歯切れの悪い口調でルーナはリーゼに尋ねる。
しかし、その仕草から我が身可愛さではなくリーゼを心配しての事だと容易にわかる。
そして、それを察してリーゼはスッとルーナの目の前に右手を突き出した。
「ありがとうございます、ルーナちゃん。
でも……でもこれは、私が受け入れないといけないんです!
……さっきは少し逃げそうになっちゃいましたけど」
そう言うとリーゼは少し照れたように笑った。
否、笑ったと言うのは正しくない
ルーナは目の前の手に阻まれ、リーゼの顔を見れず声を聞くことしか出来なかったからだ。
だが、ルーナは無理にリーゼの顔を見ようとは思わなかった。
リーゼは昔からこういったクセがあり、それをルーナも昔から知っていたからだ。
「リーゼ、ならば私も一緒に話そう。
私達はいつも一緒‥‥だろ?」
いつも、彼女は無理をする。
だからせめて、私が支えとなろう。
ルーナは優しく微笑みながらそう言った。
「ねぇ~、説明まだぁ?」
ルーナの言葉に同じ微笑みをもって返そうとしたリーゼの返事は、精神的なダメージから立ち直った俊希の大声に掻き消された。
「………フフッ」
リーゼは目を丸くした後に少しだけ、作っていない本来の笑みを浮かべながら目の前で自分と同じく目を丸くしている友人………否、親友に声を掛けた。
「行きましょう、ルーナちゃん。
何せ私達は、ずーっと一緒ですからね。」
リーゼの言葉に少し面を食らいながらも、ルーナは笑顔で答えた。
「‥‥ああ、勿論!」
そう言うと、二人はゆっくりと俊希に話し始めた。
この世界の事を、
四天王の事を、
自分の事を。




