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第14話 森

 翌朝は晴天だった。ぐっすりと眠ったソラと、初めて晴天の太陽光を浴びたハツには、昨日の疲れは見られない。


「結構深いとこまで来てたんだなぁ」

「ハイ」


窓の景色は深緑に埋め尽くされていた。雨上がりとは種類の違う、爽やかな湿気が肌を包む。空気そのものから土の香りがする。町の中やスクラップ場では見られない景色に、ソラが歓声をあげた。トラックから飛び降り、ひざ丈の草むらをかき分けてゆく。ハツもそれについて行く。


「すごい、こんなとこあったんだなぁ」


石畳やレンガの隙間に生えて、すぐに抜かれて消える小さな芽とも違う。人間も機械人形も世話をしていない、無法地帯の自然だ。目を凝らして足元を見ると真っ赤に錆びた金属片が落ちているが、いつの時代の遺物なのか見当もつかない。


「おー、虫がいる」

「ムシ」


ごみを漁る甲虫や羽虫とは違う虫。


「木が倒れてる」

「キ」


朽ちて新しい生命の苗床となる老木。


「きのこ! 知らないきのこ!」

「キノコ」


瓦礫の下ではなく木の根でのびのびと育つきのこ。


「動物いた! 多分りす!」

「リス」


家畜以外の動物。


「何ここ面白い!」


見るものすべてに気を取られながら、ソラはどんどん森を進んでいく。そしてソラ以上に初めてばかりのハツも、前後上下左右を見渡しながらソラに続く。


 結果、2人は道に迷った。

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