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第11話 逃亡2

 ハツには心臓の役目を頭の部品で補っているため、頭が弱点なのだ。


「ハツ!!」


ソラの声が悲鳴に変わる。その瞬間、機械人形たちが動きを止めトラックのエンジンがかかった。状況は把握できないが、今しか無いと判断したソラは、ハツを担いで助手席に座らせアクセルを踏み込んだ。トラックはからっぽの機械人形たちを跳ね飛ばしながら進んでいく。


 街を抜け畑の道を危なっかしい運転で走っている間も、さっきの淡く輝くハツの瞳がソラの脳裏を離れなかった。


「……ソラハ運転ガできたノですね」

「お! 調子どう?……やっぱ目ぇ光ってるな」


目を覚ましシートベルトを着用するハツの目は、まだ青白く輝いている。


「あれハ電波障害です。指示ガ受け取れなかった。……私ノ仕業ト思われます」

「記憶戻った?」

「機械人形ノ勘です」


シートベルトを握りしめるハツはまだ浮かない顔をしていた。ソラの主観だが。


「正面に見えるあれがこの町の城門。ハツのそれでエラー起きたら開くかもなぁって。だからそのままキープで頼む」

「承知しました」


石積みの城壁に錆びた鉄の門。その直前にトラックを止めて、ソラは城門の脇に駆け寄った。門を挟むように守衛室があるが、そこへの梯子は完全に朽ちてただの縄と板になっている。ソラは梯子の裏の壁の石を1つ1つ障って、小さな隙間を発見した。


「みっけ。」


外れた石の下から探し出したレバーを、躊躇い無く引き下げる。錆びたレバーは抵抗したが、やがて城門が小さく震え始めた。これは、スクラップ場の老人から教わった、緊急用の開門レバーだ。両開きの門が悲鳴をあげながら押し開かれていく。南の町の城門が30年ぶりに開いた。すぐにソラは運転席に戻り、トラックを発進させた。


「門の開け方はじっちゃんが、運転はニコニコさんが教えてくれたんだよなぁ。いざという時のためって。いざという時ってこういう時だったりして」

「恐らくそノ1人ト1体ハ、こノような状況ハ考慮していなかったト思われます」

「やっぱり?」


 そうしてソラとハツは南の町を出発した。

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