修羅場ってる(詰み)
現在目の前で何かが起こっていた。
まあそう思ったのも俺だけだと思うけど。
すごいねー
全く見えないよー
………ガチの方で
なに?何が起こってんの!?
「解説のニルさん、お願いします」
「はーい!
今の状況はね、ラルの攻撃をグラグさんは爪で軽くあしらっているって言う状況だよ!」
「なんと!あのラルさんの攻撃を爪であしらっているんですか!」
「しかも、爪といっても指一本分、すなわち一枚でだよ?」
「半端じゃない強さですね……さすがは世界生物的チャンピオン、規格外すぎます」
「でもショックだよ…ラルが自分の力を過信していたことにね…」
「それは俺には全くもってわからないですけど……」
自分の力を過信?
過信できる力を持ってるとかいいじゃん
「そうだった!ごめーん!」
全くもって悪気はなかったようなのでなにも言わない。
だが………ちょっとひどい
「うわっ!」
「ごめんってばぁ!!」
ノリで実況をさせていたニルに抱きつかれる。
「なぁあ!ちょっ!ニル!なぁあああ!?」
「ふにぁああ、エルム君だぁ、エルム君なのだぁ
会いたかったよぉ!」
首もとに顔を埋めてスリスリしてくるニルはかわいいけど!
かわいいんだけど!!
「なぁう~!なぁああ~」
「エルムくん~」
「あああぁ!!!!」
どこからか戦闘音と共に何かしてやられたみたいなそんな声が聞こえた………
ラルか
「じゃあ、私も!」
「ええっ!!?アリス!?」
思いもよらないアリスの言葉に驚愕するのもつかの間、アリスに抱きつかれたのは右腕
前から覆い被さるように抱きついてくるニルとカップルのように俺の右腕を抱き締めてくれるアリスに驚愕2の幸福感8の状態だった。
首もとにスリスリしてくるニルの頭をおそるおそる撫でると……
「ふにゅううぅぅ」
とろっとしたような声をあげるニルに萌えた俺はそのまま続けているといつの間にか顔の真横にアリスの顔が……
「うええっ!?」
「エルム君~私にもやってよ~」
「え、なっ!え!?」
私にも、ということはニルにやっている
いわゆるナデナデということだろうか!?
「はやく~」
ゴクッ
落ち着け!落ち着くんだ!!俺ぇ!!!
なんでこんなになってるんだか全くもってわからないが好きな女の子が頭を撫でて欲しいといってきている。
拒否にする訳がないだろ!
俺はアリスの頭に手を当てるべくアリスが抱きついている右手を肩に回し寄近くの方に引き寄せる。
軽く言っているがこの間自分の中での葛藤は凄まじいものあったが、
そして、アリスのさらさらそうな髪を先程よりニルの髪を撫でようとしてたとき以上に震えそうになる手を抑えながらアリスの頭に手をあて髪を撫でる……
「なぁああああああああ!!!」
またもや聞こえてくるのはラルの叫び
今度のは先程より強く、そして、ずるい、みたいな感じだった。
もはや戦いに集中できてなさそうだ。
まあ、俺も幸せすぎてヤバイんですけど
『今は一旦止めてあとでやるか?
あっちが気になりすぎてて全然集中してないだろ?』
「そうして!」
即決って!
自分から始めた戦いなのに後回しにしたラルは全速力でこっちに走ってくる!
手に自らの獲物、レイピアをもって
「私が戦ってるのをいいことにイチャイチャしてんじゃないわよぉおおおお!!」
嫉妬や羨望の混じったその絶叫は俺の恐怖を駆り立てるのに十分すぎるほど危ないものだった。
「ちょっと待って!!ラル!それは死ねる!死んじゃうからぁ!!」
「大丈夫よぉ!狙いはエルムじゃないからぁ!!」
「げっ!ボクたちだったのか!」
「え~、もう少しこのままいさせてくれても………」
やっちまった、みたいな声を出したニル
アリスの方は俺をドキッとさせる言葉だったが
「問答無用!「光弾」!!」
「ダイレクトブロック!」
高速の突きから発せられる光の弾丸とアリスの魔術によって目の前に張られた半透明の障壁がぶつかる。
結果は一瞬で決まった。
半透明の障壁にヒビが入ったとおもったら次の瞬間に粉々になって消滅していく障壁。
「なっ!?」
アリスの口から驚愕の声が漏れる
絶対に破れない
そう思っていたかのように
しかし、その閃弾は勢いこそ、少し弱まったが未だに消えてはいない
狙いは俺じゃない、そういっていたはずなのに光弾の行く末は俺の頭直撃コースまっしぐら、そう確信させる方向なんだけど
………死ぬ
そして、ついに目の前にその光弾が来た
そう思ったのだが
目の前に在ったのは横幅が顔ぐらいもある刀身だった。
そして閃弾が弾かれる音と共にニルの大剣が少し揺れる
「今のは危ないって!ラル!」
「大丈夫よ!どうせニルが守るでしょ!?」
「わかってるじゃん」
「何年双子やってると思ってるのよ」
「15年間だね、」
「その15年間で何回あんたに先を越されたことか!!」
「なんでだろうね?」
「くっ!この天然ボクっ子め!羨ましい!今すぐ変わって!」
「やーだもん!先にとったもん勝ちだからね~だ!」
「っ~!じゃあ、アリス!変わって!お願いだから!!」
「え~」
「断る!」
「エルム!なんであんたが断ってんのよ!」
「やだ!今俺は幸せなんだぁああ!」
「だってさ?」
「あんただってそう思ってるでしょうが!」
「あはは~、ま、まあね」
「うぬぬぬぬ!」
「ねえねえ、なんでボクにはそんなにはっきり断ってくれなかったの?」
「えっ?いやぁ、その、ねぇ?」
「エルム君?」
「いだだだだだ!ちょ!力込めないで!折れる!首がぁああ!!」
「ねえねえ、エルム君ってば~」
「うぎゃああああ!!」
『エルムよ、セルナが呼んでおるのでお主を転送する
拒否権は無いから、文句ならセルナに言ってくれ』
ニルの包容(首にかけられる圧力増加中)を受けていた俺の頭の中に突如グラグの声が響いた
なんだかちょっと怯えている?
なにに?
最強さんが?
そんなことを考えていた俺は一瞬にしてその場から消え去った……
「浮気ですか?」
視界が真っ白になり、それが収まると目の前にいたのは……
セリィだった。
てか、怖い
後ろに黒いオーラが幻視するぐらい怖い!!
「あっあの、いえ、それはですね、」
「浮気ですか?」
「違いますって!」
「浮気ですか?」
「というか、俺たち付き合っていましたでしょうか……?」
「………浮気でずが?」
「わーー!なんで泣くんだよ!?」
「…ぐすっ、エルム様のばかぁ、うぇええ」
「悪かった!よくわからないけど俺が悪かったか…」
「エルム君だいじょう……ぶ?」
「エルム!私にもナデナデし……て?」
「またボクを置いていくの!?エルム……君?」
………え?
現状を確認しよう
グラグさんに急にここに飛ばされた俺
呼んだのは目の前で泣いているセリィ
そして、慰めようとしている時に転送してきた、
アリス、ラル、ニル
三人とも待ってくれ違うんだ、これは……
「え、エルム、君?何をしているのかな?」
「えっ?あの!?違うんですよ?アリスさん!?」
「へぇ?何が違うのかな?私にも聞かせてよ、見知らぬ女の子をたったの数秒で泣かせているこの状態を」
「見知らぬ女の子出はなくてですね、あの、婚約者と言いますか………」
「ふーん、婚約者がいるのに僕たちに好きとかいっちゃったんだー」
「いや、俺も知ったのがさっきでして……」
「「「へぇ、そうだったんだ~エルム(君)?」」」
あ、ああ!
詰んだ!俺、詰んだ!!




