騒がしい一日の復活
…結果
ビスルトを含めた四人が考えた大がかりなサプライズ&ドッキリだった。
兎に角疑うことしかしていなかった俺にアリスが胸ポケットに入れてあったらしいあるものを俺に差し出した。
それは高級品のひとつである、紙
細かく折られていた
まあ、じゃないとポケット入んないから
「なんだよ、それ」
「ん?これ?これはねぇー」
「焦らすな!もったいぶるということはなんか関係のあるものってことか!リストか!俺にやらせるための!」
「だーから!勘違いしてるって!これを見なさい!!」
広げた紙に書かれていたものは………
「読めない………」
「君、逆さまでしょうが」
そう、今の俺はグラグに足をつままれ逆さまの状態で吊るされているのだ。
それのことを思い出すとなぜか頭が痛くなった。
「うう、なんか頭が痛い………」
「頭に血が上っているだけよ、下ろしてもらいなさい」
それもそうだ。
「グラグさん、下ろして」
『………』
無言でゆっくりと俺を下げていく。
そのままの状態で。
………せめて反転させてほしかった。
あーだこーだあり、普通に立つと頭にたまっていた血が降りて来るような感じがする。
一瞬フラッとするがなんとかたてなおし、その折り目が一杯ついている紙を見る
それは何かのスケジュールだった。
何かのじゃないな、
俺のサプライズ&ドッキリのタイムテーブルだ。
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エルム君の誕生日
サプライズ&ドッキリタイムテーブル!!
午後6時
エルムに従順薬入りのご飯を食べさせ馬車に乗せる。
この際 御者(ビスルト親衛隊)に奴隷商のフリをさせること!
信憑性を高めるために移動しているときもそんなような会話をすること!
午後7時
この家にある地下通路を使って城の近くに行く。
結構時間がかかるらしいが直線らしいので急ぐこと。
エルムの方はわざとゆっくりいかせて二つ目辺りの町で夜明けを待たせる。
午後9時
会場を準備する。
(エルムの替えの衣装も)
午前零時
この時間までに終わらせ明日に備えて睡眠する。
午前6時
エルム君はもう出発していると思うので最終チェック+コンテスト参加者達を起こし、準備をさせていく
第二部に続く。
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………なにこれ
「これじゃあ証拠にならない………かな?」
心配そうな顔で俺の反応を待つアリス
だが、俺の反応は証拠になるならない依然にアリスたちに聴かないといけない内容だった。
「勝手に勘違いして当たったこととか疑ったこととかはほんとにごめんなさい。
でも、
でもさ!
なんだよ!これ(会場)とかそれ(コンテスト参加者)とか!!?」
俺用の替えの衣装ってことはコンテストとやらにださせるってことにならないか!これ!!
「だから!サプライズ&ドッキリっていってるじゃない
奴隷商のフリをさせたビスルトの親衛隊にオークションどーのこーのの話をさせてエルム君を信じこませ会場についたら美少女コンテストにエルム君を出させる。
これがまずドッキリのひとつだったの」
「ちょっと待ってくれ!
なんで美少女コンテストに俺が出なきゃいけないんだよ!!
俺は男だっての!
会場やら美少女コンテストやらってめっちゃ金がかかるよな!!
なんでそんな金をもってんのさ!」
もうひとつ言いたいことがあるが、先にこっちを問いたださなければ!
「あんなにきれいなエルム君の女装姿を町のみんなに見てもらいたかったから~」
そこでずっと後ろで発言をするのを我慢していたであろうラルとニルがずいっと前に出てくる。
「やだよね!みんなの前の女装とか!!」
いつもなら率先して俺に女装させる張本人が今回はなぜか反対派にいる。
これは、こんなことはよくないと改心してくれたに違いない!!
ありがとう、ラル!!
でも、お金の件は!?
そんな感謝の念を、ラルに送っていた俺が間違っていたようだ。
「やっぱり、みんなの前で女装するんじゃなくて私たちの前だけで女装する方がいいよね!!」
「ちげぇ!!思ってたのと全然ちげぇ!!」
「ええ!?なんで!?みんなの前で女装するのが嫌だから私たちの前だけがいいんじゃないの!?
じゃあ、たくさんのみんなに見てもらいたいってこと!!?」
「ほらぁ!!
やっぱりエルム君のことをわかってるのは僕だよ!」
そっちの提案はお前のせいか、ニル
「だれもわかってねぇじゃねぇか!!
なんでだよ!なんでみんなして俺に女装癖があることにしてんだよ!!
あと、お金の件を説明してくれよ!」
女装癖があると思われていたことにショックを受ける俺
そして、お金の部分に一切触れない三人
だが、それらとは別に今度は俺の後ろで話を聞いていた黒魔王竜グラグが前に出て頭を下げる
『………色々終わったらまた呼んでくれ。
それと、悪かったな三人とも』
竜と思えないほど人間的な行動をする黒魔王竜グラグに違和感を感じる。
やはりグラグさんは人よりな竜なようだ。
「いえ、お気になさらないでください
こちらの不手際な部分もございましたので」
「ちょっと嫌な思いしたけど結局なにもされてないしね」
丁寧な言葉遣いで返答するアリスにたいしてニルはとても軽いものだった。
だが、もう一人だけはなぜか闘志を燃やしていた。
「………私は許さないね」
睨みながら許さないと呟くラルにグラグは一瞬ピクッとさせるが………
『そうか、そうなら仕方ないな』
仕方ないといいながらも後ろを向いて歩きだすグラグに唯一許さなかったラルはちょっと、いや、大分危ない発言をしてしまう。
「勝負よ!グラグ!逃げ腰のあんたより私の方が弱いなんてありえるわけないんだから!!」
『ほう、俺を逃げ腰よわばりするとはお主はよっぽど馬鹿だな?
まあ、俺としてはできれば人族は殺したくはないから、やるんであれば勝負の内容を不殺にしたいんだが?
ああ、もちろんお主は俺を殺しに来てもいいからな?』
「ちゃんと敗けを認めるんならなんでもいいわよ」
『本気で勝つ気でいるのか、怖いもの知らずというか馬鹿というか 、まあそれならそれでいいだろう。最近の若者は臆病で陰湿なやつばっかりだったからなぁ、久しぶりに少し遊ぶとするか』
「その余裕をソッコーで消し去ってくれる!」
『おーおー楽しみだな、
そうそう、お主らはどうする?一緒に戦うか?』
ラルの次に目を向けた方にいたのは俺とアリス、そしてニルだった。
「なに?ボクもやらしてくれるの!?」
『構わんぞ?そこの魔術師はどうする?』
「ちょっとまちなさいよ!なんで一対一じゃないのよ!」
『………相手にならないからな』
その一言に今度こそ完全にラルがキレた。
俺にはもう手をつけられないくらいに
「やっぱり、私だけで勝負しなさい。」
『仕方がない、自惚れをぶっ壊すのも人としての成長のため
力の差を思い知らせるしかないか』
次の瞬間やさしそうだったグラグの周りが一変する。
周りの空気などではない
グラグ周辺の空間自体が変わったのだ。
葉の擦れる音や風の音などが一切聞こえない。
さらに、重力が倍になったかのように感じるグラグの威圧感
ああ、これがこの世界の最強というものか。
次元が違う。恐らくこの三人が本気で戦っても数秒と持たないだろう。
もちろん、グラグ本人が本気で戦えばだが
それなのにラルは一人で戦おうとしている。
「いくわよ!」
『こい!人族の娘よ!久方ぶりの「遊び」を少しでも長く楽しませてくれ!』
ラルの真剣な表情にたいしてグラグの表情は本当に楽しそうだった




