説得、聖戦、拷問
また、ベッドに寝かせれていた。
最近多すぎない?そう感じた俺は大きなため息をつきながら体をおこす……が
「いっ!!つぅ~、なんだ!?筋肉痛か!?」
運動をした記憶はないんだが……
しかしよくみると、いやよくみなくても俺は上裸だった。
そして、なぜか湿布が至るところに貼ってある。
顔にも違和感があるから顔にも貼ってあるんだろう。
ベッドにもたれ掛かるように寝ているアリスの姿もある。
あのあと正気に戻ったアリスが看病してくれたのだろうか?
それともビスルトか?
まあ、この状況をみるにアリスがやってくれたのだろう。そういうことにしとこう。
だけど結構痛いんだよね。
「うーん、魔術で治してもいいけどせっかく看病したのに一瞬で治ったのを知ったら悲しい顔をするだろうな……止めとこ」
まあ、アリスがやったにしろ看病してくれたことには感謝しないとな
「ありがとね、アリス」
返事はないがほのかに笑みを浮かべた気がした。
俺はアリスをベッドに寝かせる
そして近くにたたんであった服を着て部屋から出た。
一応書き置きをしておいた。
今目の前にラルとニルがソファーに座っている、
なぜか
まあ用があったから呼んだんだけど。
さっき、部屋から出たあと昼食を作り
その後、ラルとニルの部屋を訪ねた。
昼食のお誘いをするためだ。
用のことはあと
昼食って名目じゃないと来なさそうだからさ
部屋で半端なく落ち込んでたけど。
ニルは窓の近くに座りで黄昏てたしラルのほうは部屋の隅で体育座りをしていてもうみるからにその一帯だけが暗かった。
俺のせいなんだけど
悪いことをしたよな……
とまあ、用ってのも謝罪のつもりのことなんだけど
「あ、あの、せっかく作ったんで、冷めないうちに召し上がってもらえると、嬉しいのですが……」
「あ、ああ」
「うん」
……空気が重い……
いつもはもっと二人ともテンション高いのに、やっぱりあれは不味かったよなぁ。
マジで気まずすぎ。誰か助けてくれ……
そして、カチャカチャという音だけが気まずい中響いた。
「ご馳走さま」
「ご馳走さまでした」
「えっと、お粗末様でした?」
「「「………………」」」
ほうっ
そろそろ本題に入りたい……かな?
「あっあのさ」
「「…………」」
わーお
無視ではないけど、ほんの少し顔をあげただけ。
それだけ
だが、やっぱりその顔にも生気がない。
やっぱりこのままではだめだ。
「あ、あそこの町、ライジルっていって美味しいものとか、すごい武器とかあるらしいからちょっとみんなで行ってみない……か?」
「……ごめん、そんな気分じゃないの」
「……僕も……」
「いやっほら、ちょっと遊びにいったりすれば気も晴れるかも知れないしさ!」
「「…………」」
「昨日いったことは気にしなくていいから!あんなのただの戯れ言のようなもんだからさ!忘れてくれてくれていいぞ!?」
「……嘘だ」
「っ!!嘘なわけないじゃん!」
「本心だったんだよね」
「違う!」
「僕達は自分勝手だったんだよ……」
「違うっていってんだろ!!」
完全に的を射てる二人の言葉は……重い
しかしここは前みたく俺の本心を暴走させるわけにはいかない。
「もう、戻ってくれよ……」
「え?」
「俺のせいだとはいえそんな二人を見てらんないんだよ!!」
「やっぱり僕達が……」
「いつもの二人が好きっていったじゃねぇか!!」
「「っ!!」」
「俺のことを守ってくれるんだろ!あの言葉が嘘なんだとしたら!俺は一人でライジルの壁の外に行く!たくさん魔物がいても絶対にその先に行ってみせる!でも、でも、もし、もし嘘じゃないなら…………」
ここで俺はありったけの自分の気持ちを、偽物でも嘘でもない本心を二人に伝える。
「みんな一緒に……その先にいこうよ」
「「!!」」
「……ね?」
「うん、うん!」
「私も……私も一緒に見でみだいい~~」
「ちょ!ラル!色々ダメなものも垂れ流してる!ほら、ハンカチ貸してやるからああああぁぁ!!」
「エルムゥゥゥゥ!!」
「あぁ!そのいろいろなやつを俺の服で拭かないで…………」
結局その後、俺の服に涙などを擦り付けるが全然泣き止まないラルとこっちをみて泣きながら微笑んでいるニルに「みんなで遊びに行くよ」と言い、着替えをしに部屋に戻った。
が、アリスがまだ寝ている
ここで着替えるのは止めようか……
いいや、めんどくさいさっさと着替えれば問題ないっしょ
そしてさっさと着替えようとズボンを脱いでいく
立ちながら脱いだからバランスを崩す。
その時
ガシッ!
「おえっ!!?おわあああ!」
バタッ!!
「いっ!!てえええぇ~」
突如後ろから足を捕まれた俺はバランスを崩しそのまま前に倒れた。
受け身が着替えを持っていたせいかあまりとれずに顔面を強打。
だが、運がよかったのか鼻血はでなかった。
よかったけどなんで足を捕まれたのか
そう思いながらうつ伏せに倒れたままの俺は首を捻り後ろをみる。
「なんだ、起きてたの……いや、これは……起きてないな」
そう、振り向いて見えたのは俺の両足首を鷲掴みしながらぶっ倒れているアリスだった。
これは……寝相の一種、なのか?
しかし、事態はそんなのんきなことを言ってる場合ではなかった。
手が離れたと思ったら少し上に今度は反対の手が離れたと思ったらまた少し上に。
そう、徐々に上がってきてるのだ。
しかも頭を低くしているから腰まである長い髪の毛がくしゃくしゃになり顔を覆っている。
本能的に恐怖を感じた。
井戸から出てきたらほんとに倒れられる自信がある
「アリス!?待って!起きてるの!?」
返事はない
反応は……無いのか?どんどんと登ってきてはいるんだけど。
そして、ついに事件は起きてしまった。
登るために足を片手で掴み自らを引っ張っていた。
それを繰り返して登ってくるのだった……が!
しかし、次に捕まれたのは足ではなかった。
「ぎゃああああ!!それは!そこは掴むなあああ!!」
足を掴み登ってきた、ってことは次に掴む場所は腰までなはず、だが、腰を掴む場所は片手ではほとんど無い。
なので必然的にそこを掴むわけだ。
しかし、そこをとると誰もいないところならともかく、誰かがいるところでとってしまうと、場合によっては大丈夫かもしれないが、ほとんどの場合は社会的に抹殺される。
なので意地でもここをずり下ろさせることだけは阻止せねばならなかった。
しかし、アリスは無慈悲に引く力を強めてくる。
「はなせ!ちょぉ!!引っ張るなぁ!!」
両手で押さえているお陰か、はたまた、アリスが寝ぼけているだけなのか
幸いにも、アリスが片手しか使っていない
なんにせよこの防衛戦は拮抗していた。
「ぐぬぬぬぬぬぬ!」
「すー、すー、すー」
俺は寝ている女の子にすら力で勝てないのか……
そんな絶望を抱いていたときに更なる不幸が重なった。
ガチャ!
「着替えまだ終わんないのー!?私達はとっくに終わっ……」
「なっ!」
ラルの突然の参上、驚いて力が弱まったその一瞬、その一瞬のせいで俺は…………ううぅ……
「ゲイル!!」
「そんなやわい風なんか効かないわ!!」
現在、ラルとアリスは争っていた。
原因、俺をみたラルの勘違い
一応考えたのか外に場所を変え喧嘩とは言えないレベルの喧嘩が行われていた。
状況的にいうとラルは殺気をむき出しにし、レイピアを構えたっている。アリスはというと背中に風の翼を作り出し空中からラルを牽制している。
「ふっ!そっちこそここまでは来れないんじゃない!!」
「なめんな!」
少し溜めた、次の瞬間に爆発したような音と共に跳躍をした。
空中にいるということで安心と思い油断をしていたアリスは突然の跳躍に対処できなかった。
「なっ!」
「シッ!!」
一瞬にしてアリスに決して少なくない数の傷ができる。
「ぐっ!!」
「今のうちに降参しといたほうがいいんじゃない!!」
空中に待機できないラルは落下しながら挑発をする。
だが、空中を自由に移動できるアリスはその逃げられない時間をを見逃さない。
「ロックスピア!」
手に硬質の岩石を削って作ったような一本の槍が作り出される。
それをアリスはラルに向けて投擲した。
「ラァ!!」
「なめるなぁ!!」
避けられないと悟ったラルは岩槍を一瞬にしてバラバラにする。
しかし、バラバラにしたとしても上から自分の落下速度を上回る速度で投擲されたのでバラバラにした岩がラルにぶつかる。
「くっ!」
「まだまだ!即級!ライトニングボム!」
ライトニングボムは電撃魔術の上級魔術だ
正方形をした爆弾を相手に向けて放つその魔術は威力と範囲がとてもよい。
しかし、速度においては人間が走る速度とあまり変わらないという魔術において致命的なほど遅かった。
ラルにもそんなのだったら簡単に避けられただろう。
しかし、あくまでそれは普通であればだ。
そこまで速くはないライトニングボムは即級になることによって脅威的な速さをてにいれることによって岩で少し視界を遮られたラルにそれは当たる瞬間まで見えなかった。
「なに!ぐあああああ!!」
ライトニングボムの範囲は半径約三メートル、威力はほとんどの動物であれば一時行動不可、もしくは死
しかし、ラルには一時行動不可にすらならないようだ。
「さすがに結構くるな」
「てかいい加減話を聞いてくれるとこんなことをしなくてもすむんだけど」
「ああ!?話を聞け!?」
「そうよ!起きたらあなたが殺気を私に放ってくるんだもの!」
「なんであの状態で起きたらとかになるんだよ!!」
「んなん知らないわよ!!」
「ガルルルルル!」
もはや、話を聞かない犬のようだ。
てかそろそろ止めろよお前。
とか思うかもしれない。
ので俺の状況説明をしようか。
服装、パンツ1枚
直立、手は上にに縛り付けられてます。……足がつくかつかないかぐらいのところまで引き上げられて。
横にいるのは鞭を持ったニル。
拷問
そんな言葉が脳内をよぎる。
そんなときに腹に鋭い痛み
SM?
俺にそんな趣味はない。
絶対に無い!!
なぜこんな状況になっているのか簡単に説明しよう。
パンツをずり下ろされているところをみたラルがニルを呼んだ。
その後、アリスは目覚め何がどうなっているのかみたいな目で周りを見渡した。
そして俺を見た瞬間、顔がトマトのように真っ赤になった。
そんなのを見たラルはアリスに喧嘩を吹っ掛け、ニルは俺を一時気絶させ、目が覚めたらこの状況だった。
「さあ、昨日僕達が沈んでいる間に二人で何をしていたのかなぁああ!!」
ああ、地獄をみるかも知れない……




