↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
93/96

90 トドメの一撃

港町では石鹸づくりなんかもやっております。

 次の日の朝

宿にて


「で?」


次はどうするんだい??


「この後兵士や一部のハンター達で拠点に行く見たいです」

「場所は町の東側らしいですよ」

店員さんは一安心と言った様子だ。


「拠点にも海賊が居るのか?」

それに対し俺は淡々と冷静に問いかける。


「数人残っているだけなので、戦力は十分との事です」


「海賊から仕入れた情報を鵜呑みにするのか?」

冷静にツッコむ。


「そっ、それは・・・」

店員さんはしどろもどろ。


「俺も行く、討伐隊の集合地点は?」


さすがに少し心配になって来た。


って事で兵士に付き添い敵の拠点と思われる場所に向かう事にした。

そして、俺を討伐隊に無理やり加えてもらった。


「金は出ないぞ?」

討伐隊隊長は怪訝な表情で俺に告げる。


「はい、あなた達の無事を見届けるだけです。お構いなく」


「よく分からんが、迷惑はかけるなよ」


俺を怪しんでいる様子だが仕方ない。



――拠点に向かう


おおよその場所しか分からない。

だが、探す場所は海岸なので比較的見つけやすいはず。


その場所に向かうと、明らかにそれらしい拠点があった。

船着き場やドックなど、色々な施設がそろっている。


海賊が作ったのか。すでに存在した拠点を奪ったのか。

それは分からん。


砂浜にある漁村と言われればそれまでだが、

しかし海賊船に掲げられていたシンボルがドカーンと書かれている。

分かりやす!!


「ここだ」

隊長はひそひそと告げる。


「どうも残党って感じには見えないですよね?」

冷静に規模を分析する。


「ええそうですね。しかしすべて討伐しなければ・・」


隊長もあの規模の敵に少しだけ腰が引けている。


「捕虜は必要ですか?」


「海を泳いていた海賊から得た情報だけで十分です」

「必要ありません」


「建物や物資を残す必要は?」


「目ぼしい物資はなさそうですので、気にする必要はありません」


隊長に一つ一つ確認していく。


最後に俺は「了解した」と静かに告げた。


ざっと5~600人程の戦闘員が見える。

今の手勢では倒せないだろうし、助っ人を呼ぶにも時間がかかる。


よって俺が直々に処分する事にした。

――何故なら気分が悪すぎて早く帰りたいから。


「今から見てはいけない物を見せる」

「だから見なかったことにしてくれ」


一つ釘を刺しておく。


「はぁ?何をするつもりだ?」


隊長はイラっとした表情を見せる。



「まあ少し離れて見ててください」


俺は両手を前に出して魔法を生成していく。


作るのは魔法由来の可燃性の液体。

それを大きな球状の殻で包む。

その中心に起爆する小さい球状の魔法を生成する。


小さい球を大きい球が包み込んでいる形になる。

この魔法こそが燃料気化爆弾の魔法バージョン。


中の小さい球が爆発すると、

周囲の魔法で生成した可燃性の液体が気化する。


外側の殻がある段階ではまだ大きな爆発はおこらないが、

それが無くなった瞬間、圧縮された高温の気体が解放される。

そして、広範囲に大爆発を引き起こす。


という事で【燃料気化爆発】と適当に名付けた魔法は完成した。

内部の爆発と解放のタイミングは全て魔法陣で完璧に制御する。


――そして今、その球を前方の海賊拠点の上空に発射する。

直後、俺は村の海側以外を囲うように防御魔法を発動。


次の瞬間―――魔法発動。


気化した燃料が周囲一帯に広がり、一気に燃焼を開始する。


ドゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!と言う重低音が鳴り続ける。


そして激しい炎が敵拠点と酸素を燃やす。


燃料気化爆弾の最高温度は三千度ほどだっけか?

魔法を使っているので正確な温度は分からない。

実物を見た事が無いから分からないが、

もしかしたら前世のヤツよりも強力かもしれない。


建物も人も空気も全て燃やし押しつぶす。


この近距離で爆発させれば普通は焼け死んだり、窒息してしまう。

がしかし魔法で防いでいるので問題はない。

事後処理も魔法でゴリ押せば問題ない――――はず。


「おそらくこれで全滅だろう」


よっぽどの魔法使いが居ない限りは皆死んでるはず。


「あっ・・・あああ」


隊長は恐怖に顔を歪めている。

まあ初めて見ただろうからしょうがないよね。


スイとエンとミカも初めて見たんだっけ?

彼らの方を見ると目をキラキラさせてる。

マネするなら広い場所で練習してから使ってね?

って後で伝えよう。


爆発の衝撃対策程度や生半可な熱対策では意味は無い。

酸素を急激に消費するので窒息する可能性が極めて高い。

だからアレ用に張った防御魔法でなければ対処するのは難しい。


酸素が一気に消費される。

そして高温によって膨張した空気が縮み、爆心地の気圧が下がる。

その疑似的な真空状態を埋めるために周囲の空気が爆心地に逆流する。


残ったのは巨大な生物の足跡の様な平地。

爆心地には炭化し押しつぶされた建物や人間だった物が山を作っている。


防御魔法はそのままに、風魔法で空気を各方面に拡散させる。


・・・

なんだか爆発の威力が上がっている気がする・・・

なんで?

ま、まあいいや。



「これで一旦大丈夫ですね」

そう言いながら結界を解除する。


「あなたは一体・・・」


隊長さんはようやく言葉を発した。


「見なかった事にする約束ですよ?」

俺はいたずらっぽく言う。


「え、ええ分かりました。お前ら!!この件は極秘だ!」

「わかったな!?」

隊長が言うと隊員達はどうにか返事をしている。



――こうして仕事を終えて俺は宿に戻る。


宿にて。


「と言う事で無理やり解決したのでご心配なく」


俺は店員さんに報告した。


「数百人規模の拠点を一撃で粉砕?」

店員さんは今一信じられないと言った反応。


「はい、具合が悪かったので手加減できませんでした」


手加減どころかパワーアップしてたし・・・

もうしらん。


「女子供も居たのでは?」


「ゴブリンの巣を駆除する時はメスもオスも子供も関係なく駆逐するんだぞ?」


「え!?まっまさか!!」

店員さんの表情は驚愕と恐怖に変わる。


「まぁ、今回は戦闘員だけだったけどね」

「さすがにその辺はしっかり調べるよ」


いざとなったらやるけどね。


「はぁ・・・そうですか」


店員さんは静かに胸をなでおろす。


「跡形も無く燃えて潰れたと言うのはよく分かりませんが」

「了解しました」


疑問もあるだろうがその言葉を全て飲み込んだ様だ。


「あとは捕獲した海賊たちの処理だけですので依頼は完了です」

「すぐにお戻りになりますか?」


「はい、さすがにきついのでさっさと退散させていただきます」


って事で俺はこの日の内に港町を離れる事にした。

海から離れるとどんどん元気になって行った。


不思議だ。


今後浜辺で活動する事も有るだろうし、何か対策を考えたかった。

でも、そんな気力も体力も無かった。


何かしらの結界でも張ればいいのだろうか?

それとも慣れるしかないか?

よく分からんがこんな明らかな弱点を放置すべきじゃないのは確かだ。

いつかは泳ぎの練習もした方がいいだろうし。


その後ゆっくり体力を回復させつつウォーウッドの町に戻った。


道中では例の魔法の事を皆に教えた。

もちろん森の中で練習なんて出来ないのでやり方を教えただけだ。

俺達の体力を回復させるために、数日かけてゆっくり帰った。


数日後の朝、体力も元に戻り町に到着。

燃料気化爆弾はこの文化レベルの世界に存在してはいけない兵器です。

よっぽどの事が無ければ主人公も使いません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。