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82 いざ東へ出発

次のお話の舞台は東の街へ。何が起こるのやら。

 色々ありつつ出発当日となった。


早朝出発

メンバーはカール、ディーン、エディ。

それと俺。


カール、ディーン、エディは愛馬に乗って行き、

俺はユキ、ミカ、スイ、エンを連れて行く。

ミカは荷物持ち風に鞄を背負ってもらい、卵の箱はユキの尻の上だ。


王都の西から東に向かい、東門から出る。


東側も西や北と同じく門のすぐ外には畑が広がり、その向こうに平原が広がっている。

そして平原を抜けると森に入る。


「最近王城に足を運んでたみたいですけど、そっちは大丈夫なのですか?」

エディはなんとなくっていう風に質問する。


「ああ、チョット近衛兵団の奴らと遊んでただけだ」

「遊んでた?」

カールは不思議そうに聞いて来る。


「忙しいアーサー団長の代わりに訓練を見てくれって言われたからな。」

「で、いじめたんですか?」

ディーンは恐る恐る言う。


「いや?真面目に訓練して肉も食わせたぞ」

つまりいつも通りって事だ。


「回復して肉食わせりゃオーケーって考えは相変わらずっすね?」

カールは呆れた様子。


「精神力も一緒に鍛えられるし、死にずらくなるし良いだろ?」


「なるほど!死ぬほど辛い訓練に耐えれば戦争では死なないと言う事ですね!」

ディーンは脳死でそう答える。


「まぁ、どれだけ鍛えても死ぬときは死ぬけどな?」

「でも死ぬのは可能な限り回避したいだろ?」


「ごもっともだ」

これにはカールも同意せざる負えない。


「本当は死んでもいい世界で死にながら訓練するのが一番なんだけどね」


「そんな訓練してたら頭がおかしくなりそうですね」

ウエッって感じでエディが言う。


「実際頭はおかしくなるぞ、やることが殺し合いしかないんだ」

「戦闘と殺しが唯一の娯楽になって、戦いの恐怖と高揚感でだんだん頭が狂って行くんだ」

「あとは食事と睡眠それだけ」


俺の場合は『夜のお仕事』もあったが、それが無くとも人間はぶっ壊れる。


神に与えられたこの体が特別だったのか、

ユキが居てくれたからなのかは分からないが、

俺はどうにかまともでいられた。


人など生き物を殺しても拷問しても何とも思わないが、

俺はどうにかまともでいられた。

今更そんな事考えても仕方ないけど・・・


「まるで今の隊長みたいな感じ?」

ディーン


「はっはっは!その通りだ」


「まじかい・・・」

カールは言葉にならないと言った様子。


「カミ様のパシリってのも楽じゃないんだぞ」


「そうみたいですね。」

エディ


「俺もいつかは自由になれるはずだ」

「その時まではせいぜいカミ様にヘコヘコしておくよ」

地獄には行きたくないもんね。


「自由になったら何するんですか?」

ディーンは明るそうな話題に変える。


「翼の付いたペットに乗って大空を飛びながら世界を旅したい」

異世界ならそう言うペットもいそうだよね。


「空を飛ぶ生物を手懐けるより隊長自信が空を飛べるようになる方が早そうじゃないか?」

ニヤニヤしながらカールが言う。


「バカ野郎、それじゃ味気ないだろ」

「空を飛ぶ相棒と自由に気の向くままに旅をするのが良いんだろ?」

ディーンが言い、エディも頷いている。


「あぁ、そう言う事か・・・でも空は少し怖くないか?」

カールは苦笑いしつつ聞く。


「体を鍛えれば落下しても平気だろ?」


「確かにそうかもしれないけどよ?」

カールは高所恐怖症気味かな?


「じゃあお前は自由な時間が出来たら何をしたい?」

エディ


「俺か?」

「俺は知り合いが良く顔を出す様な酒場か飯屋を開きたい」

そう言うとカールの表情がパアァっと明るくなる。


「へぇ、いいじゃないか」

「酒は苦手だが顔を出すよ」


「気が早いぞ。で、お前らは?」

カールは嬉しそうに否定しつつ逆に質問してくる。


「俺は、その謎の空飛ぶ生物の牧場でもやろうかな?」

ディーンは笑いながら答えた。


「それ面白そうだな?」

「俺もノッた!」

とエディも同意。


「はっはっは!面白そうだがまずその空飛ぶ謎の生物ってなんだ?」

カール


「うーん、鳥は頭が悪いんでしたっけ?」

ディーンは考え込む様に呟く。


「意外と頭がいいって話も聞くけど、どっちだろうな?」


「第一候補はデカい鳥?」

カール


「あとワイバーンって言う空飛ぶトカゲもいるらしいぞ?」

「頭はいいし体も強く種類も豊富だがとても狂暴らしい」

エディ


「何それかっこいいな!」

ワイバーンとか絶対かっこいいだろ。


「第二候補はワイバーンだな」

カール


「あと隊長は以前、ドラゴンも手懐けると言っていたが?」

ディーンはニヤニヤしつつ言う。


「じゃあ第三候補はドラゴン?」

カール


「確かドラゴンって最強種族とか誰かが言ってなかったか?」

「ドラゴン牧場って世界を滅ぼす気かよ」

俺がそう言うと皆が笑い出す。


「はっはっは!隊長ならやり兼ねないな」

カール


「ドラゴン牧場を作ってうっかり世界を滅ぼすって・・・」

「おとぎ話よりぶっ飛んだ話だな」

ディーンは顔をしかめつつ呟く。


「ワイバーン牧場や巨大鳥牧場も大概だぞ?」

エディ


「夢が広がるなぁ・・・」

「頭が良いのならワイバーン牧場が現実的か?」


「ですね!」

「あっ!でもやるんなら一言、声をかけて下さいね?」

ディーン


「ええ!抜け駆けしたら怒りますよ?」

エディ


「本気でやるつもりだったのか?」

カール


「そうだぞ、カールも料理の腕を磨いておけよ?」


とそんな会話を繰り広げつつ東の町に向かう。


東の町へはほぼ直通でつながっていて、道中に町や村は無い。

あるのは大きめの川と大きな橋だけ。

他は森。


他の町や村などは東の町より北か東に点在しているらしい。

東の町の存在意義は一つ。

この町の南にある『魔境の森』と東の鬼人族の盾となる事だ。


魔境の森は分かるけど、何故鬼人族に警戒しているのか?


それは鬼人や鬼の性格が原因らしい。

奴らは基本的に、暴れ回ってなきゃ落ち着かない性分の様だ。

鬼人はまだマシ。


鬼はさらにひどいらしい。

殺戮と暴力が趣味とか言われてしまうほど、しょっちゅう暴れている。


そんなわけで鬼人族の国は千年前の大戦以降も小さな殺し合いが日常的に行われている。

だから同盟国的な相手とは言え警戒を怠る訳には行かないらしい。


という事で、道を進み、橋を越え、突き進む。

この辺りの街道は特に安全で魔物と出会う事も無く進む。


キャンプ中は、近くの森で野菜人を見つけて食べたりした。

そんな、のんびりとした道中になった。


「この野菜人・・場所によって少し味が違いません?」

ディーンは気が付いたらしい。


「ああ、それは俺も思ってた」

カールも同意する。


「言われてみればそうかも?」


「そもそもこの国の作物は異常に美味いし沢山なりますよね」

エディ


「収穫量は他国とは比べ物にならないほど多いらしいぞ」

「この王国の大地が特別なんだろうか?それとも水か?」

ディーンは改めてフシギダナーと言う風に呟く。


「どっちかって言うと大地そのものが特別な感じがするよな?」

「気候的に育ち難い野菜なども元気モリモリだしもっと何かがありそうだぞ」


「何かって?」


「うーん・・・王国全土を巻き込んだ魔術的な何かとか・・・?」


「そんな規模の魔法を一体誰が行使できるんですか?」

ディーン


「やっぱ無理がある仮説だったな」

太陽さんにでも聞いてみるか?


「それがもし本当なら、それこそ神の所業だ」

とカールは締めくくり、別の話題に変わる。


俺達はくだらない話をしながら爆速で進む。

カール達はしっかり馬術の訓練をしていたらしい、

馬に乗るのが上手くなっていた。


――馬だけにね。


道中のあれこれを観察しながら移動した。

特に目新しい物は植物くらいで動物や魔物は王都周辺でよく見る物ばかりだった。



――そして数日後


東の町が見えて来た。

町の名前は『ウォーウッド』。


英語っぽいけど、多分転生者辺りがつけた名前だと思う。

料理などの文化は前世にあった物が多かったし、

こんな感じで言語も一部だけこの世界に残ってるっぽい。

ただ日常的に言語として使ってはいない見たい。


この町はここから北東くらいにある『港町』と『鬼人族の国』と『王都』の通り道として栄えたらしい。

しかし近年、鬼人族とのやり取りが無くなり若干痛手を負ったとか。


だからこそ領主も枢機卿も教王に対して不信感を持っているのかな?

元々他との交流があった地域は教王に対して抵抗感が強いみたいだ。

ヴェスバルト然りここ然り。


町周辺にはあまり畑や牧場は見られないが、

厩舎や馬の放牧場は多い。


後は商会や商店などが沢山あって、

ここを荷物の中継地点として利用している事が良くわかる。


町の建物は王都とよく似ていて、道も綺麗に舗装されている。

人は多い方で、商人も多いがそう言う人向けの店なども沢山ある。

酒場とかソッチ系の遊び場的なども多い。


後はギャングとかマフィアっぽい輩も多い。

相変わらず俺はじろじろ見られている。

俺は鬼人族ってのに似ているらしいからそのせいかもね。


まずは三人と教会に行く事にした。

空を自由に飛んでみたいですよね。

あとワイバーンに乗って空飛ぶとかも気持ちよさそうですね。

因みにカールは料理上手です。

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