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66 瀕死のガキンチョ

ガキンチョってどういう意味なんでしょうね?

子供かガキで良いのにガキンチョって何なんでしょうね?

 アーロン達の引っ越しの後、

昼過ぎに王都の広場で買い食いをする。

クッキーみたいなのの数枚セットのやつ。

なんかフルーツが入っていてちょっとおいしい。

広場の端っこでユキに寄りかかってモグモグ。

ぼーっと周囲を眺めてモグモグ。

ユキやスイとエンにも渡してモグモグ。

食べ終わるころ子供の声?悲鳴?が聞こえてきた。

路地の方からだ。

声の方に近づいてみる。

そこでは明らかにチンピラって感じの男三人が金髪の子供をボコボコにしていた。

「おい!」

と叫んで一人を蹴り飛ばす。

「一対三じゃ不公平だし俺も参戦するよ。」

と言って子供とチンピラの間に入る。

「なんだ?」

チンピラ1

「やっちまうぞおぉ!こらぁあ!」

チンピラ2

殴り掛かってくる二人をブッ叩いて三人とも追っ払う。

「怪我は無いか?」

明らかにボロボロにされている子供に向かって言う。

「いたい。」

子供はそう言って気を失う。

俺はすぐに回復魔法をかけて教会に連れて行く。

教会に連れて行くのは怪我が完璧に治っている言い訳のためだ。

「クラーレン神父!」

俺は子供を抱えて教会に入る。

「どうかなさいました?」

「こいつがチンピラにボコボコにされていた。」

「クラーレン神父が直したことにしてくれ。」

「ええ!分かりました。」

そう言って子供を抱えるクラーレン神父。

「代金は俺が払ったとか何とか言っておいてくれ。」

子供はすぐに起きるだろうし心配はない。

俺は教会を後にしてまた町をぶらぶらする。


次の日。


朝訓練をする。

引っ越し後は俺はハンター協会の訓練場で、アーロン達は教会の運動場でやる。

朝食も俺とスイとエンで食べる。

で外出する。

ハンター協会で危険な魔物が王都周辺に居ないか確認する。

懸賞の札などは毎日なくなったり新しくなったりして日々変化する。

だから毎朝確認する事にした。

馬たちが普段いる所の周辺に生息する魔物の情報は全部仕入れた。

一旦馬の世話をしに行こうと思った所でまたもやポニテ嬢だ。

「おはようございます。」

ポニテ嬢。

「おはようございます。」

「何か?」

俺。

「ええ、また依頼があるのですがいいですか?」

「また?」

「はい。」

と言ってポニテ嬢は説明を始める。

どうやらユキの力持ち具合を見た木こりのおっちゃんが居たらしい。

それでユキの力を貸してほしいとの事。

「で?どこに行けば?」

「木工協会って所です。」

木工協会は木の買い取りと卸を一手に行っているらしい。

木こりたちから木を買ってある程度加工してから家具店や木材が必要な店に卸す。

木こりが安く買いたたかれないようにって出来た団体らしい。

今では木の伐採をチームで行うようになり時給制っぽくなったとか。

場所をポニテ嬢に教えてもらい早速行く。

ハンター協会から見て広場の反対、西門側だが比較的広場に近い所。

馬車は木工協会のを貸してくれるらしく一旦ユキは何もつけなくて良いそうだ。

裸のユキに乗って木工協会に行く。

広い土地で沢山の木、木材、加工中の木がおいてあり、多くの人が作業をしている。

事務所に入る。

「こんにちは!」

俺は事務所の事務員?みたいな男に声をかける。

「こんにちは!」

「どういったご用件で?」

ブラウンの髪の毛でまさにもじゃもじゃって感じの頭の男だ。

「依頼を受けてきました。」

そう言って依頼表を渡す。

「ああ、例の白くてデカいお馬さんの?」

「そうです。」

「少々お待ちください。」

もじゃもじゃ男は事務所の奥に行った。

少し経った後、ブラウンのすっごい髭でムッキムキのおっちゃんが出てきた。

「おお!お前があの馬の飼い主か!!」

うるさくて馬鹿でかい声で話すおっちゃん。

「そうです。」

「はっはっは!手伝ってくれるんだな!ありがとよ!!」

うるさい声で感謝の言葉を言う。

「じゃあ!馬に木材運搬用の馬車を引っ付けるか!!」

髭のおっちゃんはうるさい声でそう言うと出ていく。

俺もついていく。

すると馬車置き場に連れられた。

「これを引っ張ってくれ!!」

うるさい声で俺に指示する。

「わかりました。」

そう言ってユキを連れて来て馬車を付ける。

「よっしゃ!!いくかぁ!!」

と毎度うるさい声で言う。

御者台に二人で乗る。

向かうのは西門。

でっかいおっちゃんだから御者台はぎゅうぎゅうだ。

「俺は職員のギデオンだ!!」

「よろしくな!!」

「俺はハンターのヒロだ、よろしく。」

握手をして話を続ける。

「木材を運搬するのに使ってた馬が食われちまったんだ!」

「でっかい緑のトカゲになぁ!!」

「それって、まさか?」

「そうだ!お前が引き摺っていたあいつだと思う!」

「毒を食らっちまって動けなくなった所をバクッっとな!」

「でお前の馬があのでっかいのを一頭で引き摺ってるもんだからびっくり仰天よ!!」

「なるほど、じゃあ仕事用の馬が居なくて困っているんですね?」

「そうだ!」

「食われた馬は何頭ですか?」

「二頭だ!!」

「じゃあ少し寄り道をしてもいいですか?」

「ん?忘れものか!!!?」

「いや、助っ人が畑の向こう側の平原に居るので、その中の誰かに手伝ってもらいましょう。」

「助っ人?」

西門を抜けて畑の向こうの平原に着く。

「少々お待ちください。」

「おう!!」

そう言うと俺は少し北西に行って大声で呼ぶ。

「おーーい!!」

するとお友達が沢山来る。

「うぉおおおおお!すごいな!!」

気付くと真後ろにギデオンさんがいた。

「うわぁ!!びっくりした。」

「あいつらに手伝ってもらうのか!?」

「あいつらの中で木を運ぶのが好きなやつが居たら手伝ってもらう。」

「なるほど!!しかしどうやって聞くんだ!?」

俺の前に整列する馬たちに声をかける。

「おはよう!」

「今日は木材運搬のお手伝いを募集したい。」

「やりたい奴はいるか?」

俺がそう言うと、ガタイのいい馬が二頭前に出てきた。

二頭とも黒に近いグレーの体毛に白い鬣と白い尻尾の毛の大きい馬。

「お前たちが手伝ってくれるのか?」

俺がそう言うと二頭がうなずく。

「おお!会話が出来る馬か!!」

ギデオン。

「そうです。まだ完璧ではありませんが。」

俺が言うとギデオンさんが二頭の方を向く。

「俺はギデオン!!よろしくな!!」

とでっかい声で言うと二頭は大きく嘶く。

「自己紹介は済んだな。」

「おう!!行こうか!!」

そして平原と森の境目の南側に向かう。

そこでは沢山のマッチョが仲良く木を切っている。

「おう!!お前ら!!英雄殿を連れて来たぞぉ!!」

ギデオンがそう言うとマッチョたちがこちらを向く。

「おう!どうしたギデオン!」

マッチョ共はギデオンと同様に声がデカい。

「あの巨大トカゲを狩ったハンターと馬だ!」

ギデオンがそう言うとマッチョ共はうぉぉぉぉぉ!!と騒ぎ出す。

うるさい。

「でマッチョな馬も連れて来たぜぇ!!」

ギデオンが言うとまたもや、うおおぉぉぉぉ!!と騒ぐ。

うるせぇ。

「って事で!はたらくぞぉぉ!」

とギデオンが言うとまたマッチョ共がうおおおぉぉぉぉ!!と騒ぎ出す。

・・・

早速仕事開始。

馬車を馬車置き場に置いてユキと二頭の馬を働かせる。

やる事は切り倒した木の枝をカットして丸太を一か所に運ぶ。

そして馬車に木を沢山積んでその馬車を王都内に運ぶ。

木を切って枝をカットするのはマッチョがやる。

丸太を馬車の元に運ぶのは馬、丸太を馬車に乗せるのはマッチョ。

って感じ。

俺とギデオンはユキと二頭を連れて巨木の運搬をする。

木材をひっかける馬具を三頭に付けて引っ張らせる。

「どのくらい行ける?」

俺は三頭に聞く。

「普通は二頭で一本だぞ!!」

ギデオンさん。

「こいつらは一頭で三本行けるらしいです。」

「うおぉぉ!!すごいなぁ!!」

鎖で巨木三本を縛り合計9本を引っ張る。

ユキは三十本は行けるとか豪語していたけど一旦6本でやらせる。

往復して巨木を何本も運び馬車がいっぱいになったら一度王都に戻る。

ユキに馬車を引かせて俺が行く。

ギデオンさんは残って二頭と巨木運びをする。

木工協会に行って巨木を置いてまた戻る。

戻ると二頭が真面目にお手伝いをしている。

と思ったらこいつら・・・

切った枝葉を食いながら仕事をしている。

「お前ら木の枝を食いたいから立候補したのか!?」

俺がそう言うと二頭は頷く。

「はっはっは!まあいいじゃねぇか!!」

とギデオンさんが言う。

「バクバク食いまくってたら太るぞ?」

俺。

「はっはっは!おもしれぇ奴らだ!」

ギデオンさんは楽しそうだ。

「食べちゃダメなのもあるかも知れないからちゃんと聞くんだぞ?」

俺。

この二頭もちゃんと言えばわかるはず。

その後もひたすら木材運びをする。

時々魔物が出て来ても基本的にはマッチョたちが対処する。

もちろん二頭の馬も魔物を蹴り殺す。

マッチョたちは斧でぶっ潰すと言う豪快な戦い方をする。

「すごいな。」

俺。

「はっはっは!ハンターでなくとも戦えるのだぞ!!」

とポーズをキメて自信満々に言うマッチョさんと馬。

「キレッキレっすね。」

俺。

「ありがとよ!!」

マッチョ。

そんなこんなでお仕事をしていると見覚えのあるトカゲが出てくる。

ポイズンラージだ。

「全員下がれ!!」

まだ周囲に人がいる。

俺は今武器を【収納】から出せない。

マッチョたちは馬を連れて逃げていく。

「おい!お前は大丈夫か!?」

ギデオンさんが俺に叫ぶ。

「ああ!!任せろ!!」

そして近くにあった巨木を担ぐ。

「よいしょ!」

その巨木をダーツの如くぶん投げる。

「わっしょい!!」

バビューン!

変な音を立ててぶっ飛んでいく巨木。

投げた巨木はポイズンラージの腹の中身を吹き飛ばしながら貫通していく。

ドパァーン!

ポイズンラージは動かなくなった下半身を引き摺りながら俺に襲い掛かってくる。

俺は前足の攻撃を躱して抜刀と同時に首を刎ねる。

スパッ!

刎ねた首はお上品に地面に落ちる。

「やっぱりまだいたのか。」

俺。

実は怪しんでいたのだ。

何故なら俺が狩ったのは北西にかなり進んだ所だ。

しかしここは南西側、すこし距離がある。

「やけに行動範囲が広いなと思っていたが・・・」

「やっぱり別固体か。」

俺は独り言をつぶやく。

「別固体!」

ギデオンが後ろから話しかけてくる。

「うわぁ!びっくりしたぁ!」

「俺が狩ったのは北西にかなり行った場所だ。」

「ここからはそれなりに距離があるので少し違和感があったんだが・・・」

俺。

「なるほど!番か何かだったわけだな!?」

ギデオンさん。

「まぁ、そんな感じなんですかね?」

「だが!お前のあの腕力もとんでもないな!!」

「あっ、まあ頑張りました。」

「はっはっは!ナヨナヨした奴だと思っていた。」

「だが!誤解だったようだな!!はっはっは!」

そう言いながら俺の背中をバンバン叩いて来る。

「まだまだいるかもしれないし、数日は手伝いますよ。」

「おお!それは助かるぞ!!」

がはっはっは、と豪快に笑うギデオンさん。

「スイ!エン!周辺を広く索敵していてくれ。」

「「ワン!」」

二匹は弾丸の様にすっ飛んでいく。

「おお!!ワンコ達もすごいな!!」

「一応、猟犬です。」

「ただのペットじゃなかったのか!?」

「優秀ですよ!」

二匹に指示を出して俺はトカゲの処理をする。

弾けた内臓から魔石を取り出して他は埋める。

毒は毒袋がギリギリ破けずに上半身の下でプラプラしていた。

食えそうな部分を分けて他も埋める。

たまたまスコップがあったので借りて穴を掘る。

地面を掘っているとマッチョが手伝ってくれた。

「感謝のお手伝いだ!」

とポーズを決めながら言う。

「ありがとうございます!」

飛び散った臓物を埋め終わると皆仕事に戻る。

俺はこっそりユキに乗って少し離れる。

そして調味料を鞄に入れて戻る。

で端っこの火事にならなさそうな場所で火を付けて、

肉を味付けして焼く。

肉を焼く前に毒を毒袋ごと焼いて処分する。

加熱すれば毒性は消えるとの事でしっかり焼いて捨てる。

肉は味付けして串焼きっぽくする。

そんでもって休憩中のマッチョに餌付けする。

「食べてみてくださいな。」

俺は串をマッチョに一本ずつ与える。

マッチョは豪快に食べている。

「うんまいぞ!!」

「なんじゃこれ!うまい!」

「あのトカゲの肉か?」

マッチョたちは大喜びだ。

「放置すると腐ってしまいそうだったので早く食べてください。」

「もちろん毒は適切に処理しましたのでご安心を。」

俺。

暇なマッチョを捕まえて肉を処分していく。

ギデオンさんにも食わせてマッチョども含めて皆元気いっぱいだ。

魔物の肉のおかげかマッチョどもはバリバリ働く。

日が暮れる前に仕事を切り上げて木工協会に戻る。

二頭の魔物の馬は平原で一旦お別れした。

「今日は手伝いと美味い肉をありがとう!!」

ギデオンさんのデカい感謝の言葉だ。

「はい!依頼は今日限りだろうけど明日以降も数日は手伝いに来ますよ。」

俺。

「すまんな!あそこまで凶悪な魔物だと俺達じゃ太刀打ちできなくてな!!」

「だが、しっかり依頼は出させてもらうぞハンター協会を無下に出来ん。」

ギデオンさんは案外几帳面なご様子だ。

「ありがとうございます。」

その後数日は木こりのお手伝いをした。

あの二頭もお手伝いしてくれた。

スイとエンも頑張ったので周辺からはほとんど魔物は居なくなった。

そして最終日は特に問題なく仕事を終えた。

「本当に有難う!!」

木工協会にてギデオンさんは俺の手を握ってブンブン振る。

「また何かあれば言って下さい。」

「ハンター協会図手でなら俺に連絡できるはずです。」

俺。

「ああ分かったがその・・・」

珍しく言葉に詰まるギデオンさん。

「ん?」

「言いにくいんだが、あの二頭はもし売るとしたらいくらだ?」

「あの枝葉を食いまくってた馬二頭?」

「ああ、お前の大切な馬って事は分かっているが、もしよかったら売って欲しいんだ。」

「あんな食いしん坊が良いんですか?」

「そうだ、あの二頭と俺達は馬が合うみたいだ。それに馬力も体力も十二分以上だ。」

「それならあいつらに直接聞いてみますか?」

「頼む!」

「じゃあ、明日朝平原に行きましょうか。」

「恩に着る!」

ハンター協会にて依頼達成を報告した。


そして次の日

早朝の訓練と朝食の後。

ギデオンさんと平原に行く。

そして二頭を呼んでお話をする。

「この人らがお前らと仕事したいってさ。」

「王都の中でお前たちを飼うんだ。」

「ちょっと寝床は狭いだろうけどしっかり世話をしてくれるはずだ。」

俺。

「厩舎は広い方だし、平原に行きたいときは連れてってやる。」

「世話もしっかりする。」

「今後も俺達を手伝ってくれないか?」

ギデオンさんはすごく真面目な顔で言う。

普段と様子が違いすぎてちょっと面白かった。

二頭は嬉しそうにギデオンさんに寄り添う。

因みに二頭は雄と雌だ。

「良かったな。仲良くなれそうだな。」

木こりの手伝いをしたので人との接触も問題なさそうだ。

「ありがとう!これからよろしくな!」

ギデオンさんも嬉しそうに二頭の首を撫でる。

「本当に助かる。」

「色々と注意点もあるのでお伝えしておきますね。」

って事で魔物の馬の食性と蹄の高度が鉄を超える事、

魔物なので魔法を使う事も伝えた。

「体を強化する類の魔法なので炎をぶっ放したりはしません。」

「仮にもし出来る様になってもちゃんと躾をしているので急に暴れたりはしません。」

「確かにこの二頭は相当賢いみたいだし、心配はなさそうだな!」

「まだ人里に慣れていないので問題があればすぐに仰ってくださいね。」

「承知した!」

「それで・・・いくらだ?」

「友人二人が引っ越すだけの事なので金はとりませんよ。」

「それに今後問題があるかもしれないのでなおさら金はとれません。」

「わかった!時々この二頭の経過報告はさせてもらうぞ!」

「はい、お願いします。」

急遽実験的に二頭を送り出す事になった。

これで問題なさそうなら他の馬たちも王都内に入れて大丈夫だろう。

で早速王都に二頭を入れる。

まずは家と人が食い物じゃないって事を教える。

二頭の馬もユキやギデオンさんに負けず劣らずマッチョなので他の一般的な馬との体格差が面白い。

馬たちは物珍しい物を見るように町と人を眺めている。

「どうだ?嫌だったら言ってくれ。」

俺。

町を行きかう人間達を少々鬱陶しそうに見ているがすぐに慣れるだろうと思う。

特に問題なく木工協会の厩舎に二頭を案内した。

結構広い部屋だった。

二頭は悪くないって顔をしていた。

良かったね。

ギデオンさんは二頭に木こりっぽい名前を付けていた。


俺は木工協会でお土産を貰って町に繰り出す。

お土産は櫛とかんざしを貰った。

髪が長いから邪魔な時はこれを使えって言われた。

俺の髪の毛もかなり伸びたからありがたい。

広場でまたクッキーを食べて少し休憩。

ユキに寄りかかってぼーっとする、次はイチロウ達に会いに行こうかとか考える。

そうしていると、見覚えのあるガキンチョが近寄って来た。

「おい!お前!」

生意気なガキンチョは俺に声をかける。

「ん?」

あまりに突然の事でびっくりした。

「お前が俺を助けたんだろ!」

なんかムカつくけど見た所貴族の子か上流階級の市民って感じがするのでゲンコツはやめておく。

「そこの路地裏に居た子供?」

「そうだ!俺の獲物を取ったな!」

「そりゃ悪かったな。」

「償え!」

「はい?」

「俺の獲物を奪った償いをしろ!」

クソ生意気なガキはそんな事を口にする。

「アホか。」

「アホじゃない!」

「死にかけてたくせによく言うよ。」

「紙一重だった!」

「本当にそう思ってるんだったら一生強くなれないぞ。」

「ぐぬぬ!」

「よわくないもん!!」

「まあ根性だけはありそうだな。」

「俺の師匠にしてやる!」

「は?」

「感謝しろ!」

「親に言葉遣いを教わらなかったのか?」

「人に物を頼む時の態度はそれであってるのか?」

「いっ、いや・・・」

「戦い方を教えてください。お願いします。」

「なんだ?やればできるじゃないか。」

「うるさい!」

「でもお家でお勉強しなくていいのか?」

「しっかりしてるもん・・・」

声がだんだん小さくなっていく。

この感じは・・・

さてはサボっているな?

「はぁ・・・お家でちゃんと真面目にお勉強するんなら教えてもいいぞ。」

「えー・・・わかった。」

「ほんとか?」

「うん。頑張る。」

「ならいいぞ。」

「日が昇る少し前にそこのハンター協会で毎日訓練してるから混ざっていいぞ。」

「ほんと!?」

「ああ、飯の時間までの時間だ。」

「ありがと!師匠!!」

「師匠って・・・まあいいや。」

「じゃあ明日の朝な。」

「はい!」

なんか成り行きで生意気なガキの弟子が出来てしまった。

弟子が一人できました。

この子供が何処の誰かはいつかどこかでわかります。

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