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63 お馬さんと遊ぼうの会、発足

動物との触れ合いは癒しですよね。

 次の日

訓練と朝食を済ませてアーロン達と西門から外出。

の前に教会の厩舎で使っていない馬具を拝借する。

ショートスタイル(ブリティッシュスタイル)の馬具があったのでそれを5セット借りた。

平原で魔物を何頭か狩って解体して今日の報酬を確保する。

因みにだが普通にブロンズクラスの仕事をしても、報酬は例の牛一頭分の肉に遠く及ばない。

つまりあの魔物の牛さんはかなり高級な牛だったようだ。

今回はアーロン達が居たので狩りも解体もすぐに終わった。

「やっぱり人数が居るとすぐ終わるな。」

「そりゃそうでしょ。」

と笑いながら話す。

肉と皮はいつも通り荷車に積んで荷車ごと俺の【収納】にしまい込む。

馬具はそれぞれが【収納】にしまっている。

ユキにまたがって高い所からイチロウを探す。

少し歩くと見つける事が出来た。

「おーい!イチロウ!」

俺が呼ぶと8頭が一斉に走ってくる。

「アレ?8頭以上いるぞ?」

見た事ないやつもいる。

なんか普通に増えてるし、やせ細った奴も数頭こそこそ付いてきている。

餌用に野菜とか沢山買ってあるから足りると思うけどさすがに増えすぎだろ。

「随分増えたな?」

ユキから降りてイチロウの頭を撫でる。

「勧誘でもしたのか?」

違うらしい。

「勝手について来た?」

そう言う事らしい。

「俺も友達を連れて来たぞ。」

アーロン達を紹介する。

頭がいいし名前と顔くらいは簡単に識別できるはず。

「じゃあ早速体を綺麗にしようか。」

アーロン達も交えて大量の馬を丸洗いする。

少し離れた場所からやせ細った馬が見ている。

どうやら他の群れからハブられた個体の集まりの様だ。

よく見たら怪我もしている。

「お前らもこいよ。」

と言って手をこまねく。

お恐る恐る寄ってきた負け犬ならぬ負け馬たち。

まずは傷を綺麗にする。

まとめて【浄化】で汚れもばい菌も綺麗にする。

そして全員にまとめて【回復】をかける。

「痛い所は無いか?」

と言って体をベタベタ触る。

魔法で体内も調べたが。

やせ細っている以外は特に問題無かった。

蹄も問題なさそうだ。

取り合えずこいつ等にも食事と水を与える。

「飯を食うからには働いて貰うぞ?」

そう言うと意味がなんとなく伝わったのか、しっかり全員うなずいている。

ごはんの後はブラッシングをして毛並みを整える。

痩せてるし不健康な感じで、毛の艶や張りも無い。

そんで一通り世話をしてから調教を始める。

まずはイチロウを俺が調教する。

それをアーロン達に教えながら見せる。

イチロウは一通り覚えているようで全部簡単にこなして見せた。

「ちゃんと覚えているみたいだな。」

しっかり褒める。

「いつから調教してるんですか?」

ディーン。

「調教自体は三日目だ。」

「三日!!?」

「そうだ、びっくりだよな?」

「こいつ等、相当頭がいいぞ。」

この一言で済む話ではないが、

アーロン達が僅か一月かそこらで剣や槍、魔法を使えるようになった様に、

イチロウ達も同様に物分かりが良いと言うか理解が尋常じゃなく早い。

お次はせっかくなのでディーンに教えながらジロウを調教。

ジロウはイチロウに調教をしているのを見ていたらしく数回で出来るようになった。

アーロン達が『マジで?』って顔で俺を見るが俺もびっくりだよ。

「まああれだ・・・頭で理解するのと体で覚えるのとは違うから継続した調教が必要だ。」

「ていうか、お前たちが剣術や魔法を覚えた速度も異常だからな?」

「人の事言えないぞ。」

「ぐうの音も出ません。」

って事で皆で調教をする。

全部の馬を乗れるようにするってのもあるが、人に慣れさせるって狙いも少しだけある。

因みに我らがユキお姉さまは、やはり馬たちに何かを教えてる。

少し盗み聞きした所、どうやら言葉と魔法を教えているらしい。

時々、蹴り殺していい人間の見分け方とかも教えてるようだけど聞かなかった事にする。

アーロン達のおかげで何頭か調教することが出来た。

馬に乗りながら調教したり、なんとなく平原を走り回ったり。

縦や横に並んで走る時も何も言わずともスピードを合わせて綺麗に並んでくれる。

馬は皆力強く早いのでアーロン達はとても気持ちよさそうに走っている。

ディーンとエディは特に楽しそうだった。

俺達が楽しそうに走っていると、他の馬やユキ達も一緒に走り出した。

やっぱりこの馬たちは走るのが好きみたいだ。

痩せこけた馬たちもこの群れに混ざって走っている。

どうやらこの一団に加われたみたいだ。

数は20を超えているのでやっぱりド迫力だ。

俺はイチロウに乗って走っていた。

途中で森から大型トラックくらいの猫型の魔物が俺達の一団に襲い掛かってきた。

しかし俺が強化した矢で脳天を射抜いたので誰も怪我はしなかった。

馬たちは若干怯えてたのでやっぱり戦闘訓練もある程度する必要がありそうだ。

「驚いて足くじいたやつは居ないか?」

俺がそう言うと馬も人もまとめて頷く。

「そうか良かったよかった。」

俺はイチロウに乗ったまま大型トラック猫に近寄って眺める。

「王都に近くに居ていい魔物じゃないだろ。」

すると後からアーロン達が近寄ってきた。

「かなり遠くまで来てしまったって事ですかね?」

アーロン。

「にしてもこんなバケモンが王都周辺に出現していいわけないだろ?」

ブレッド。

「西の町から王都に来る途中に出現した熊もあの場所に居ていい魔物じゃないですよね。」

エディ。

「偶然ならそれでいいが、注意しておいた方がいいかもな。」

俺。

「はい、こいつらが居てくれれば王都周辺の警戒も楽なんですが。」

アーロンは馬を撫でながら言う。

「確かに!王都は馬鹿みたいに広いからな。」

カール。

「確か数百年前、都市が出来上がってから急いで壁を立てたんだろ?」

「外壁を作る前提で都市を設計してないから、王都内は馬鹿みたいに広いんだろ。」

俺。

「なるほど・・・」

ブレッド。

「やっぱり外壁内部に畑や放牧地がポンポン乱立してるのは普通じゃないよな?」

カール。

「普通じゃないな。」

俺。

「異常だと思う。」

ブレッド。

大型トラック猫を【収納】に入れてまた走り出す。

「これはなんて名前の猫だ?」

イチロウを走らせながらアーロン達に聞く。

「猫?」

アーロン。

「まあ猫の仲間なのでしょうが、猫と呼称するのは甚だ誤解を招くと思います。」

ブレッド。

「超巨大ピューマか?」

カール。

「まあそんな所だろうな。」

ディーン。

「隊長はあの猫も調教出来るんですか?」

エディ。

「本気を出せばイケるかも?」

俺。

そもそも猫って調教出来るのか分からないけどね。

「隊長ならドラゴンだって調教してしまいそうですね。」

と笑いながら言うアーロン。

「もしドラゴンが存在したらチャレンジしてみるよ。」

俺もヘラヘラしながら答える。

皆もれなく爆笑。

やっぱりドラゴンって突拍子もない存在らしい。

「エルフや獣人の国のさらに西方に居るって噂があるけど本当か?」

俺。

「ああ、それはドラゴンではなくただのデカいトカゲって話を聞きましたよ。」

ブレッド。

「ドラゴンってデカいトカゲじゃないのか?」

俺。

「さあ?」

アーロン。

「なんかドラゴンってやたらデカくてやたら強いらしいですけどね?」

ブレッド。

「大きさと強さの違いか?」

俺。

「おそらく?」

ブレッド。

とそんなくだらない話をしつつもしっかり調教をする。

俺達が雑談をしていても、馬たちはしっかり指示を聞いて指示通りに動いてくれていた。

日暮れも近づいて来たので切り上げる事にした。

まだ町に入れるわけには行かないのでこの平原で別れる。

「変な人についていったらダメだからな!」

とイチロウに言いつける。

「子供じゃないんだから・・・」

アーロンは呆れている様子だ。

イチロウと別れて王都に戻る。

ハンター協会で獲物を売り6人で山分け。

宿で肉を焼き6人で食う。

そして寝る。


次の日も同じく狩りをして調教をする。

頭数が増えたので野菜を多めに買っていく。

普段は草と肉、木の葉枝なども食うらしい。

調教をしつつ俺やアーロン達がベタベタ触って人に慣れさせる。

「わぁ!!」とか言って急に暴れ出さない様に練習する。

なんかワシャワシャと大きな音が鳴る草とか葉っぱの付いた枝とかを顔の近くで鳴らす。

最終的には魔法で爆音を鳴らす。

何もしていない時と誰かを背中に乗せている時。

色々やってようやく合格を出す。

合格を出した個体は識別のために小さなリボンを尻尾に巻き付ける。

当然イチロウが一番初めに合格した。

初めの頃からいる奴から順に合格していく。

人に対しては襲わない様に言いつけてある。

しかし戦闘時は当然その限りではない。

ユキの場合は勝手に敵味方の識別をしてくれたが、

コイツ等もある程度味方と敵とそれ以外を識別している様だ。

まあ対人戦はまだだけど。

休憩中にはアーロン達に馬上での武器の振り方を練習させた。

もちろん木製の武器だ。

「俺はユキの頭を殴りまくってマジギレされた事があるけど・・・」

アーロン達はそう言った事が無かった。

「お前らは器用だな。」

「隊長の姿をしっかり観察していたので、すぐにコツを掴めました。」

俺が時々ユキに乗って大暴れする姿をしっかりと見られていたようです。

「じゃあいっちょ模擬戦と行こうか?」

俺。

木製の長い棒で一騎打ち的な事をやってみる。

「誰がやる?」

で名乗り出たのがアーロン。

「木の棒以外の部位に当たったら負けだ。」

「わかりました。」

でいざ勝負。

俺とアーロンは少し離れた所からスタート。

ブレッドの合図で走り出す。

まずは普通に打ち合う。

カーン!

しかしアーロンはバランスを崩して後ろに軽く飛び落馬する。

「ぐはぁ!!」

痛そう。

俺はイチロウに乗ったままアーロンに近寄る。

「生きてるかー?」

「はい、、何とか。」

かすれた声の返事が聞こえてきた。

アーロンは自分で回復を施して立ち上がる。

頭を打った時は必ず回復をしろと言ってあるのだ。

「結構難しいだろ?」

「はい、見様見真似ではダメなようですね。」

「そうだぞ、時々でいいから練習しとけ。」

踏ん張りとか馬上でのバランスとか意外とむずいのだ。

そんな遊びっぽい練習もありつつ数日かけて調教を進める。

アーロン達は毎日いるわけでなく時々来なかったり、

何人かだけ来たり。

午前中に俺とアーロン達でいつもの戦闘&魔法訓練をしたり。

時にはクラーレン神父も来て馬と触れ合ったりしていた。


そんな数日後のある日早朝の事、

アーサー団長と被り物をした人が俺とアーロン達の宿を訪れた。

「お久しぶりです。」

俺。

「ああ久しぶりだな。」

「この前言っていた馬の訓練に混ぜていただきたい。」

とアーサー団長。

「そこのジュリ・・・お方もご一緒に?」

と一応名前を隠す。

「はい、可能であればぜひ。」

「わかりました。」

「丁度これから向かう所なのでご一緒にどうぞ。」

と言って団長はこの間の古馬に小さい馬車を引かせて王都の外に向かう。

俺はいつも通りユキに荷馬車を引かせる。

外壁を超え畑を過ぎて平原に差し掛かる。

そして誰も居ないことを確認して。

「因みにあれを団長にお見せしてもいいですか?」

とジュリエットに聞く。

「ええ、問題ないわよ。」

とフードを脱ぎながら言うジュリエット王女殿下。

「どうやらバレバレのようですな。」

と団長さん。

「当たり前よ、隊長にその程度の偽装は意味をなさないもの。」

と自信満々に言うジュリエット。

俺は荷車を【収納】にしまい、ユキに鞍を乗せる。

「ここで少々お待ちいただけますか?」

そう言って俺はイチロウとジロウを連れてくる。

数日前に馬具を何セットか余計に購入しておいたのだ。

戻ってくると王女殿下が馬車を丸ごと【収納】にしまい込んでいた。

団長さんは俺に続き王女までも【収納】を使ったので超絶驚いている。

俺はそれを横目にイチロウとジロウに馬具を装着し乗馬出来る状態にする。

「じゃあそこのおじいちゃんにはそのままついて来てもらって。」

「お二人はコイツ等に乗っていただきます。」

俺がそう言うとイチロウとジロウがぺこりと頭を下げる。

「おお彼らが?」

団長さん。

「そうです、たまたま向こうの方で会った魔物の馬です。」

「人が乗れるように調教してありますのでご安心を。」

団長さんは王女様を馬に乗せる前に馬を確認している。

危険がなさそうだと確認出来たら王女様を乗せる。

王女様は少し背が低いので大きめのイチロウとジロウに乗るのは難しかったらしい。

「殿下、そいつはイチロウです。」

「仲良くしてやってください。」

「イチロウ?」

とジュリエットが言うとイチロウは少し嘶く。

すぐに団長もジロウに乗り。

具合を確かめているご様子。

「おお!」

なんかいい感じらしい。

そのままいつも調教している辺りに向かう。

古馬は大人しくついてきている。

いつも調教している場所にはすでに馬達が集まっていた。

「わぁー!沢山いるわね!」

とジュリエットも大喜び。

「おおーこんなに居るのか。」

と団長さんも大喜び。

「お二人には馬の世話の手伝いをしていただきますよ。」

俺は王女だろうが騎士だろうが容赦なくこき使う。

まずは馬たちに紹介。

「おーい!」

とユキに乗ったまま馬の群れに声を上げる。

すると全員こっちに注目する。

「今日から新しく俺達のお友達になる二人だ。」

「こっちがジュリエットだ。」

俺が言うと、ジュリエットが手を振る。

「でこっちがアーサーだ。」

アーサー団長も恥ずかしそうに手を振る。

「敵じゃないから仲良くしてやってくれ!」

そう言い終えると馬たちは頷いたり嘶たりして返事をしてる様だ。

そして二人を馬からおろしてお仕事開始。

因みに頭数はだんだんと増えたせいですでに30を超えている。

「ではまずブラッシングと怪我の有無の確認をお願いします。」

そう言ってブラシを二人に渡す。

「二人には安全な個体を回すのでご安心ください。」

「安全じゃないのが居るの?」

「いつの間にかこの群れに合流した個体も時々いる。」

「だから、そう言うのはちょっと危なかったりするんだ。」

「なるほどです!」

でお世話をする。

「殿下。」

団長。

「はい?」

ジュリエット。

「あの魔法は一体何ですか?」

「練習したのよ。」

「原因は彼ですね?」

そう言って俺の方を見る団長さん。

「サー、ナンノコトダカ?」

急に言葉がぎこちなくなる俺。

しかし団長さんは俺の方を見続ける。

「日が昇り、日が沈む様に俺はあの魔法を使える。」

「ただそれだけだ。」

「気にするな。」

と意味不明な言い訳をする。

「ハァ・・・」

「つまり極秘事項という事ですね。」

呆れた様子で団長さんが言う。

「その通りよ!」

とジュリエット。

「あの魔法は空に輝く星々の如く手が届きにくい。」

未だに意味不明な事を言う俺。

「誤魔化すのが下手過ぎませんか?」

と団長はさらに呆れている。

「いいえ?これは少しふざけているだけですよ。」

とジュリエットが解説する。

「しかしアーサー団長もいずれ星々に手が届く日が来るであろう。」

馬の世話をしている最中は暇なのでくだらない事をよく言うのだ。

「え?」

と団長殿も少し驚く。

「己の内に感じるもの、それこそが魔力である。」

「それを見事操って見せよ。」

「これが第一の試練だ。」

どういうキャラか自分でも分からないがこのキャラで続行する。

「コレずーっと続くのですか?」

団長。

「ええ、多分暇だからこのおふざけを続けるみたいですね。」

で言われるがまま己の中の魔力を探す団長。

どうやらすぐに見つけられた様子だ。

魔力の操作も意外と出来ている。

「素晴らしい!!」

といきなり大声で叫ぶ俺。

最早頭がおかしい人でしかない。

「第一の試練は突破したようだな!」

「おお!これでいいのでしょうか?」

「隊長が良いと言うのだからきっといいのよ。」

「第二の試練は魔力を手から放出して見せよ。」

「そして強く想像せよ、手から放出する魔力が輝く様子を!!」

「想像?」

団長は首をかしげる。

「想像したりお願いしたり光を頭の中に強く思い浮かべるのよ。」

「難しいけど団長ならすぐに出来るわ。」

団長さんは魔力の扱い方が最初っから相当上手に出来ていた。

おそらく、自然と身体能力の強化を出来る様になったおかげで魔力を操れるようになっていたのだろう。

マックスもそんな感じだったがとても稀な事だ。

彼らがどれだけ鍛錬を積んで来たかよく解る。

自然と身体強化を出来るようになるほど過酷な訓練をしているのだろう。

次のステップはさすがに時間が掛かった。

全部の馬の世話を終える頃にようやく小さな光が手の平に現れる。

「おおお!!!!」

「ひかったあああ!!」

団長さんは子供の様にはしゃいでいる。

「おー!おめでとうございます。」

とジュリエットも賛辞を贈る。

「素晴らしい!!」

「第二の試練も突破できたようだな!!」

と忘れかけていたこのキャラを再び復活させる。

「はい!師匠!!」

と団長さんもおふざけに乗っかって来た。

次は馬たちに餌をやりつつ。

「第三の試練は愛だ!!」

「アイ?」

「そうだ!万物を愛せとは言わぬ!」

「しかし愛する気持ちは時として癒しの力となる!!」

「癒しの力?」

団長さんは気付いたようだ。

「まさか!!!」

「己の魔力に愛を込めるのだ。」

「さすれば愛は形となって己や他者を癒すであろう!」

そう言って俺は自分の腕をナイフで薄く切る。

ズバッ!

そして傷がついた腕を団長に差し出す。

「さあ!癒したまえ!!」

さすがに頭がおかしいであろう行動を躊躇いなくとる俺。

特に驚かないジュリエットとめちゃくちゃ驚く団長。

この対比が面白い。

団長は気を取り直して俺の腕の治療にかかる。

止血などしていないのでポタポタと血が流れる。

「隊長にも赤い血が流れてたんですね。」

「びっくりです。」

「安心しろ!我が鮮血は100年の年月を経て世界を滅ぼす大蛇となるであろう!」

「ええ!?やっぱり化け物だ!!」

俺とジュリエットはふざけまくっている。

当の団長殿は頑張って回復魔法をかけようとしている。

これが意外と難しいんだよ。

とか思っていた矢先。

俺の腕の傷が治った。

「えええ??!!!はや!!」

俺はキャラを忘れて普通に驚く。

「おっ!できましたよ師匠!!」

あっけらかんと言う団長さん。

「すごい!!私が知る中で一番早いですよ!」

ジュリエットも驚く。

「ゴホン!」

「素晴らしい!よくぞここまでたどり着いた!」

「第三の試練突破じゃ!」

「今後は精進を続け魔力の操作を上達させるのじゃ!」

「その先に第四の試練が待ち構えておるわい!」

「わかりました!師匠!!」

そう嬉しそうに言う団長さん。

こうしてアーサー団長は第一から第三の試練まで突破し、

回復魔法を取得した。

試練はまた何れ訪れる。


以下小声

「魔法習得のスピードが明らかに早すぎないか?」

俺。

「ええ、明らかに早すぎます!」

ジュリエット。

「きっととてつもない才能か何かがあったんだろうな。」

俺。

「ひょっとしたら特別な血筋なのかも?」

ジュリエット。

「かもな!」

団長さんはポッと出の騎士爵のはずですが、何か特別な家系だったりするのか!?

まぁ、家計は特に関係なく彼の今までの努力の賜物です。

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