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56 王都エステラ

王都編かいし!

 さらにもう一つ村を超えてようやく見えてきた。

でっかい壁!

この王国はエステラ王国で首都は王都エステラ。

そして王族の家名もエステラ。

エステラと言ってもどれの事だかわからない。

だから王都、王国、王族って感じで言い分けている。

めんどくせえ事しやがって!と思っても約千年くらい前の人たちが決めた事だ。

この王国のお姫様曰く、その3つの名称を変えるには王族を死滅させて国を滅ぼすしか無いらしい。

このお姫様は自分で言ってて悲しくないのかね?

でこの辺りでようやく自己紹介してくれた。

「私はこの王国の王女ジュリエット・カメリア・エステラです。」

「トーマス・アレックス・エステラの娘です。」

ミドルネームのカメリアは死んだアンナのおばあちゃんがついでに付けてくれたんだって。

ついでってなんやねん。

国王のアレックスもおばあちゃん、つまり国王の母がついでに付けたらしい。

「聞いた話だと自分も名付けたいってうるさかったからミドルネームとしてしょうがなく付けたらしいです。」

「普段はジュリエットと呼ばれてます。」

「仲がいい方はジュリとかジルとか呼んでくれます。」

「めんどくさいからアンナじゃダメか?」

「ダメです。」

「わかった。とりあえずジュリエット王女殿下でいいか?」

「人前ではそれでいいですよ。」

「国王は『陛下』だっけ?」

「はい!正解です!公爵は○○閣下でそれ以外は○○卿と呼びましょうね。」

めんどくさいが一旦、不敬罪で殺されない程度に礼儀を教えてもらう。

もちろんアーロン達も聞いている。

「王都の外壁は丸いのか?」

そい言いながら外壁を観察する。

外壁の外は畑と牧場と家。

外壁に近い場所の一部は草原になっている。

畑のさらに外側は平原だ。

「一応軍隊の訓練用に外壁近くの原っぱを一部畑や牧場にしないままにしています。」

良く外壁を観察すると何やらトゲトゲしている。

「ん?なんだあのトゲトゲ?」

俺。

「あれは、あのトゲトゲの間に攻めてくる外敵を弓や魔法で滅多打ちにするんです!」

防御のために上空から見て大体円形になっていて外壁に均等間隔でトゲトゲが有るらしい。

トゲトゲの隙間に門があったりするのでそこを攻めてきた敵を両側のトゲの先っちょから撃ち下ろすらしい。

「おおよそ4~5百年前の魔族の大侵攻の後、急遽設置したらしいです。」

それ以前は外壁そのものが無かったらしい。

王都まで攻め込めるわけねぇじゃん(笑)

と当時の王族は思っていたが魔族の大侵攻により大接近されてから焦って外壁を作ったらしい。

そもそも平原にポツンと王都があるだけだ。

そりゃ王都が裸じゃあ何も守れないよな。

王都には川が通っており、くみ取ってスライムで浄化すれば水を無限に飲める。

「川の水で水堀でも作ればいいのにな。」

「あっそれ!そのうち作りたいって近衛兵団の団長さんも言ってました!」

「団長?」

「はい。近衛兵団のアーサー団長です。」

「ヴェスバルトの領主様のお友達って多分この団長さんですよ。」

そう言えば!手紙貰ってたっけ!?

近衛兵団とは王直属の複数の兵科を集めた軍らしい。

アーサーさんは近衛兵団の団長兼近衛騎兵部隊の隊長で正式には近衛兵団団長及び近衛騎兵隊隊長となる。

長いので皆は団長と呼ぶらしい。

「爵位は騎士爵で、常に王の傍らにいる王国最強の騎士です。」

「爵位とかよく解らない方々が騎士団長とか呼んだりするのですが、似たような物なのでいちいち訂正しません。」

そんな適当でいいのか?

「へー、強いんだ?」

少し興味が湧いてきた。

「戦ってみます?」

アンナ改めジュリエットは悪そうな顔で言う。

「なんのシガラミも無く戦えるのなら戦ってみたいな。」

俺。

「正直お二人の実力のすべてを見たわけでは無いのでどっちが強いか分かりません。」

「なので私も興味あります。」

ジュリエットは目をキラキラさせている。

「でもやっぱり貴族とは関わりたくないな。」

魔法を使える事がバレて『神のパシリ』に支障が出るのは嫌だ。

さもないと地獄が待っているのだから。

王都の西門に近づく、門では人がそこそこ並んでいる。

大きな門は東西南北の四方にある。

川は王都の北から入り南東に抜けている。

そんな感じらしい。

全貌はまだ見れていないのでジュリエットから聞いた話だ。

外からは王城も何も見えない。

なんだか初めてネズミのテーマパークに行った時の様に少しだけワクワクして来た。

西門は両側が少しだけ開いていて大きい馬車同士が擦れ違える幅だ。

身元の確認をしながら人を入れている。

徐々に俺達の順番が近づいて来る。

俺達は少し緊張しつつ身分証を出して門番に渡す。

「馬車1台にブロンズクラスハンター7人と猟犬?」

「はい。優秀な猟犬です。」

双子はお行儀よく静かにお座りしている。

「躾はしている様だな。問題は起こすなよ?」

「はい。」

門番は何かに記入している。

「よし!入っていいぞ!」

そしてユキが歩を進める。

王都に入る事が出来た。

西門を通って道を進む。

道は石畳で清潔だ。

時々馬糞が落ちているがとても少ない。

門周辺は人が少なく質素な家やぼろい家があったり、外壁の内側にしては広い牧場があったりする。

外壁に近いほど土地代や家賃が安いらしい。

だから牧場も外壁辺りに有るのが普通らしい。

進んでいくと徐々に人が増えていく。

暫く真っ直ぐ進む。

すると円形の広場が見えてきた。

「ここは?」

「ここでは店を持たない商人がほぼ毎日露店を開いています。」

円形の広場の中心付近は商人たちが露店を開いていて人が沢山いる。

主に日用品や雑貨だ。

どうやら馬車も馬も皆時計回りに回って目的の通りに行くそうだ。

ランドアバウトかよ。

外側に円形の道が出来ていてそこを通る。

「そう言えばどこに行けばいいんだ?」

「まずは宿では?」

「城ね!」

「ハンター協会だろ?」

皆、思い思い思いの場所を言う。

「ハンター協会に行って宿を紹介してもらおう。」

「宿に着いたら俺とジュリエットで城に行こう。」

そんな感じで行こう。

「で?ハンター協会ってどこ?」

「えーっと・・・」

ジュリエットもしっかりとは覚えてない様子だ。

「多分ここから東にの通りに出てすぐの場所だったはず?」

取り合えずこの異世界ランドアバウトから出る事にした。

東の通りに出て少し進むとすぐにわかった。

明らかにハンターっぽいやつらが出入りしているのが見えた。

入口付近に馬車を止めて中に入る。

スイとエンは馬車の護衛だ。

ドアを開けると受付のカウンターが幾つか並んでいる。

というかヴェスバルトと似たような感じだった。

ただ内装は相当広い。

適当な受付に行って声をかける。

「こんにちは。」

「こんにちは。どうなさいました?」

ポニーテールの受付嬢だった。

「ヴェスバルトから王都に来たばかりのハンターなのですが宿を紹介していただけますか?」

一応ハンター証を出す。

「男6人と猟犬2頭と馬車一台、馬一頭です。」

「食事つき厩舎ありの大部屋でいいですか?」

「はい!」

とそんな感じで宿の場所を聞き出して協会を出ようとした時だ。

「あんまり見ない顔だな?」

と厳つい男が声をかけてくる。

今その話をしたばっかなんだけど?

「ハンターのヒロです。西の町から来ました。」

「よろしくお願いします。」

と無難に挨拶する。

「おう!王都を拠点にするのか?」

厳つい両サイドの髪を剃っているロン毛のモヒカン男がさらに質問してくる。

「はい。そのつもりです。」

「そうか!鍛冶屋とか薬屋とか分からなかったら誰にでも気軽に聞けよ!」

声もデカいし顔も厳ついからカツアゲかと思ったわ!

「ありがとうございます。」

本当にありがたいです。

「あと王都は広いから東西南北の4か所にハンター協会の支部がある。」

「早めに全部の場所を確認しておくと良いぞ。」

「わかりました!」

やたら親切なおっちゃんだな。

「申し遅れた。」

「ゴールドクラスハンターのギャレットだ!」

そう言って手を出してくる。

俺も手を出す。

「よろしくお願いします。」

握手するとギャレットさんは驚いた様子だ。

「お前!相当な剣の使い手と見た!」

手を握っただけで分かった様だ。

「俺はまだブロンズですよ?」

「フン!その手に触ればすぐにわかる!」

「それにその漆黒のマント!」

「ただの毛皮ではない、お前が狩った獲物なんだろう?」

「一応その通りです。」

「はっはっは!これは大物が来たな。」

とギャレットさん。

マントと手で俺の実力がブロンズでは無いと見破られた。

見た目に反して相当な観察眼だった。

てか俺の手って他の人程ごつごつしてないんだけどな・・・

それでも剣を使うと分かったらしい、すごいな!

初対面で脳筋のチンピラかなんかと思ってしまって申し訳ない。

「では我々は宿に行きますので失礼します。」

「おう!またな!!」

って感じで早速知り合いも出来た。

宿はポリンちゃんの実家の宿と同レベルでとてもちょうどいい。

清潔だが豪華ではない。

ハンター協会からも近い。

俺とアーロン達で大部屋を借りて荷物を搬入。

俺は武器を外して【収納】に入れて服装をある程度正す。

旅装束の様な服しかないけど仕方ない。

「アーロン達は自由にしてていいぞ。」

「俺はちょっと行ってくるわ。」

「了解です。」

そうしてアーロン達と別れた。

スイとエンはお留守番。

「スイちゃんとエンちゃんも来ていいのに。」

ジュリエット王女殿下はそんな事を仰っている。

「別に会おうと思えば会えるだろ?」

俺。

「それもそうですね!」

そして王城に向かう。

宿を出て大通りに出て東方面に向かう。

ユキの引く馬車に荷台にはジュリエットの荷物を積む。

あの革製のおしゃれなトランクと他数点。

大切なものは【収納】に入れてあるそうだ。

ジュリエットは王女だと解るように王女時代にしていた髪型に寄せる。

服装も王女として持参していた服を着る。

馬車の荷台に隠す様にジュリエットを乗せて進む。

ジュリエットはマントのフードを深くかぶり顔を隠す。

城下町と貴族区の間には壁がある。

千年物の古い壁らしいが千年前の魔法使いが刻んだ魔法陣のおかげで風化を防いでいるらしい。

すごいね。

貴族区に入る理由はヴェスバルト伯爵からの手紙だ。

どうにか入れた。

ジュリエットも確認されたが顔を隠していたのでバレなかった。

顔とかはしっかり確認しないのか?

ジュリエットに言われた通りに進む。

遂に王城の正面に到着した。

王城は小高い丘に建っている。

真白の壁に青い屋根。

小高い丘の上で壁に囲まれている。

その正面の門に進む。

門番がいる。

門番に要件を伝えると入城を許可された。

え?良いの!?

「貴族から貴族への手紙は直接渡す事が許可されているのよ。」

「なるほど。」

「だから貴族は信用出来る人にしか手紙の配達を頼まないのよ。」

「へー!」

と馬車の中にいらっしゃるお方とそんな会話をする。

案内役の兵士?が付いて来てアーサー団長の所まで案内してくれるそうだ。

馬車で王城正面の出来るだけ近くまで行って馬車から降りる。

王女様もフードを被ったまま降りる。

「まだ顔を隠すの?」

これは小声で聞く。

「ええ。まだ刺客がどこかに居るかも!」

とか言っております。

王城に入ってからはジュリエットの斜め後ろを歩く。

ジュリエットは堂々と案内役についていく。

そして歩いていると目の前の超絶豪華な服装の金髪のおっさんと超豪華な服装の黒系の髪の毛のおじさんと、

戦士風の服装に肩にギリギリかからない長さの金髪ウェーブ青眼大男が三人で歩いて来る。

「ちょうどあちらにいらっしゃいました。」

と案内の兵士さんが言うや否やジュリエットがズケズケと三人の中央を歩く超絶豪華な金髪のおっさんに近づいていく。

服装的に考えて真ん中のおっさんがおそらく・・・

ジュリエットの接近に気付いた戦士風の男が身構えて剣を抜こうとするが止まる。

「まっ・・・まさか!!」

と戦士風の男が気付いたようだ。

未だフードを被っているので他二人は気付いていない。

いやいや!真ん中のおっさんは気付けよ!

と文句を心の中で叫ぶ。

兵士さんも戦士風の男の反応でうっすら気付いたようでジュリエットを止めようとはしない。

そしてジュリエットはフードを脱ぐ。

「お父様!只今ヴェスバルトの視察より帰還いたしました!」

そう言って芝居がかった仕草で大げさに顔を見せる。

すると真ん中のおっさん、おそらく国王はようやく気付いた様子だ。

遅くない?

そんな愚痴は心の中にとどめておく。

「おおお!私のジル!」

と言ってジュリエットに駆け寄り肩を掴み顔を眺める。

「無事だったか!」

そう言ってからジュリエットを抱きしめる。

国王は涙を流して喜んでいる。

彼らにとってはハッピーエンドだろうが、俺にとってはの問題はここからだ。

こっちで失踪事件はどういう話になっているのかな?

二人が少し落ち着いたようだ。

「襲われた後、身を隠していると聞いていたがようやく戻ってこれたのか!?」

「はい!念のために別の身分を用意して帰還いたしました。」

一応そのまま伝わっているみたいだ。

問題は俺か?

俺は出来るだけ目立たない様に気配を消し息を殺す。

所で国王とその隣の豪華な男は【探索】で探れない。

普通の生物とは違い魔力が何かぐちゃぐちゃって感じがする。

多分だが、身に付けている宝石類に防御や隠ぺいの魔法が掛かっているのかな?

じっくり探らなければよく解らん。

それに対して戦士風の男、おそらくアーサー団長さん?は特にそう言った魔法の道具の守りは無い。

彼の魔力は聖属性寄りでとても綺麗だ。

綺麗な魂を持っている証拠だ。

アーサー団長も嬉しそうに笑っている。

そして国王と団長以外のもう一人はにこやかだが冷静な様子でジュリエットや俺を観察している。

この人は何を考えているのか分からない。

俺を警戒しているのだろうか?

「ほっほっほっほ。私も安心いたしました。所で王女殿下そこの者は?」

と偉そうなおっさんが口を挟む。

感動の再開が長引いていたので助かった。

「あっ!そうそう彼は私が極秘で用意していた護衛よ!」

その言い分が通用すると良いが・・・

「いつの間に?」

とおっさんが詰めてくる。

「秘密よ!」

この娘はこれでゴリ押しするらしい。

「どこの家の出身で?」

「秘密よ!」

俺はジュリエットのゴリ押しの説明を笑いを堪えつつ聞く。

「どこの馬の骨とも知らん奴を護衛になさったのですか!」

おっさんは若干切れ気味だ。

短気なおっさんVS生意気な小娘の戦いが始まった?

「どっかの誰かが用意した護衛より何百倍も役に立ったわ!」

それはその通りかもしれないが・・・

「そっ、それはアーサー団長の問題です。」

「違うわ!初期の護衛隊から大幅に減らされたのは団長のせいじゃないわよ!」

そう言えば貴族社会はめんどくせぇとか愚痴ってたっけ?

確かにめんどくさいな。

「とにかくその男が殿下を襲った犯人の一味かもしれません!」

「そんなわけないでしょ!バカな事言わないで!」

「根拠も無く彼を信用できません!」

「根拠ならあるわ!」

「どんな根拠があるというのですか?」

「彼は犯人の首をすべて刎ねて殺したのよ!」

「彼は仲間の首を刎ねる様な外道じゃないわ!」

その言葉を聞き一同が絶句する。

そう言えばその首ってどうしたっけ?

ジャックさんの家の庭に埋めたんだっけ?

もしかして俺の【収納】に入ったままだっけ?

忘れちゃった。

俺は引き続き気配を殺してじっとする。

「王国の正規兵を倒すような賊を?」

「そうよ!草を刈るように、いとも簡単に首を刈っていたわ!」

いやいや、あなたはその場面を見ていないでしょ?

見たのは事後のはずだ。

小便垂らして気絶してたもんね?

「まあまあ込み入った話はまた別の日にしよう。」

と国王がようやく割って入る。

なんかこの国王、気迫が無いというか迫力が無いというか・・・

ジュリエットとおっさんが国王ほったらかしで口喧嘩し始めるし・・・

「失礼しました。」

とようやく冷静になるおっさん。

まあこのおっさんの方が普通の反応だよな?

俺の素性なんて誰も分からないんだし。

「護衛殿!改めて礼を言う。」

と国王が言う。

『礼を言う』というだけ。

「いえ、私はただ仕事をこなしただけでございます。」

俺は一応頭を下げて答える。

偉い人との会話は慣れてないからあんまり話しかけないで欲しい。

「そうか、とにかく今は娘から話を聞こうと思う。」

「また後日改めて話を聞こうと思う、それまではゆっくりしていてくれ。」

と国王が言う。

「ハッ!」

と頭を下げて言う。

「あ!そうだ!アーサー団長に手紙があるんだった。」

とジュリエットが思い出した様だ。

俺はこの状況でどう切り出せばいいのか分からなかったので助かった。

俺は無言で手紙を取り出し団長の元に持って行く。

「ダニエル・フォン・ヴェスバルト伯爵からの手紙です。」

と言って出来る限りお上品に手渡しする。

そんな慣れない動作をする俺を見てクスクス笑っている奴が一名いたが無視。

俺はこのめんどくさい雰囲気が嫌になりさっさと帰る事にした。

「では私はこれで失礼いたします。」

と言ってこのめんどくさい状況から逃げる。

「あっ!」

というジュリエットの声が聞こえたが無視して帰る。

何かあれば宿に使者かなんかを送ってくるだろう。

来た道を戻りユキの元に戻る。

ユキは大人しくしていた様だ。

しかしなぜかすこぶる機嫌が悪い。

「どうした?」

ユキの額を撫でながら聞く。

ユキ曰くここに居る奴らから嫌な感じがするとの事でさっさと帰りたいらしい。

「俺もそう思ってた所だ。さっさと帰ろうか。」

とユキの耳元で小声で囁く。

ジュリエットの荷物を使用人に渡して俺の役目は終わりだ。

そして長かったお姫様の護衛兼送迎の任務を終えて王城を離れた。

帰りは寄り道せずに宿に戻った。

宿の馬房でユキを落ち着かせるためにスイとエンと一緒にユキの体を洗ってやった。

ユキを綺麗に洗ってやったら少し機嫌を直してくれた。

「ひとまず生活基盤を整えて教会に居るクラーレンを探す。」

「そうしたら近くの原っぱで少しのんびりしよう。」

ユキとスイとエンに言う。

すると皆嬉しそうに尻尾を振り、ユキは俺の顔を舐めてくる。

一頭と二匹に餌をあげて俺も食事をとる。

食事はパンとスープで追加で金を払えばもう少し豪華にしてくれるそうだ。

俺はひとまずパンとスープで腹を満たした。

他の連中も戻ってきて一緒に食事をとった。

アーロン達は何も言わなかったが、ほんの少しだけ寂しそうだった。

なろう系名物、平原のど真ん中に不自然にある円形の外壁を持つ王都です。

昔々に色々あってこの位置になったのです。


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