44 大規模狩猟
魔物を狩るだけの簡単なお仕事です。
次の日
睡眠時間の短い俺は日が昇る前に起きる。
そして素振りをする。
スイとエンがじゃれてきて途中から戦闘訓練っぽくなった。
じゃれ合いの後は全員分の朝食を作って食べて
皆は準備、俺は村長の家に行く。
「おはようございます。」
元気に挨拶。
「おはよう!」
村長も元気に挨拶。
「これから討伐を開始します。」
「東側の森にチームの半数を送り込みます。」
「残りは町の外周警戒と狩った獲物の解体を行わせます。」
俺は今日の計画を話した。
「それで、もしよろしければ獲物の解体が出来る場所をお借りできたりしますか?」
ついでに聞く。
「家の近くにある解体場がそこそこ広いから使ってくれていいぞ。」
「場所が足りなかったら解体場の外も使ってくれて構わない。」
「ありがとうございます。」
って事で村長宅を使う事になった。
キャンプに戻りこのことを伝える。
「解体チームは村長の家に在る解体場を使わせてもらう事になった。」
「他人の家だからお行儀よく綺麗に使えよ!」
そう言うと全員が返事をする。
「それといつも通り村人に会ったら笑顔で元気に挨拶しろ。」
服装や髪型を整えたとはいえ元々チンピラもどきだったので、
ガラが悪いと言われても仕方ない風貌ではある。
だから普通の人以上にお行儀よく元気なところを見せなければならないのだ。
「まずはグレゴリーのチームが狩りをしてくれ。」
俺。
「了解です。」
グレゴリーが元気に返事。
「アーロンチームの中で狩りチームから獲物を受け取る班を決めてくれ。」
「あと村の外周警戒に1~2班と、それ以外は解体だ。」
俺がそう言いうとアーロンも返事をする。
「隊長はどうするんですか?」
アンナが質問してくる。
「俺は村を回って挨拶してくる。」
「それが終わったら解体したり森を散策したリする。」
「つまり自由気ままに動くと?」
アンナが鋭くまとめる。
「まあその通りだ。」
「狩猟組にスイとエンを加えるので困ったらこいつらを頼れ。」
「それでも無理なら俺に言ってくれ。」
と、ひとまずそんな感じになった。
そして行動開始。
「では怪我や死人が出ない様に行ってこい。」
俺がそう言うと皆は元気に出かける。
因みにアンナは俺について来ることになった。
「村人に挨拶して俺達の印象を良くしておく。」
「そんでもってガラの悪い連中と言う印象をなくす。」
俺。
「まあ服装や髪型はどうにかなっても顔はどうにもならないですからね。」
ついでに言うと、顔を覚えてもらっていざって時に頼ってもらうためである。
だからグレゴリーもいた方が良かったんだけど、
それはまた後日でもいいかって事でまず俺とアンナだけで挨拶をする。
当たり前だが皆仕事中なので家には誰も居なかったり奥さんしかいなかったりする、
だから畑や牧場に言って挨拶する。
何件か回った後。
「なんかジャックさんの村と違って少し冷たい気がしますね。」
アンナがそんな事を言う。
「言われてみたらそうかもな。」
「まあ初対面だとこっちの方が普通の反応なんじゃないか?」
「もしくは俺たちを怖がってるだけなのかもな。」
俺。
「私はもう慣れましたけど、初対面だと怖いですよね!」
アンナは少し笑いながらそう言う。
その後もわざわざ一件ずつ回ってご挨拶をする。
「ふむふむ、見かけた魔物は鹿や猪に野菜人、ゴブリンもチラッと見かけたと。」
「他は小動物系の魔物ですね。」
アンナは仕入れた情報をまとめている。
「報告通りだな、あいつらだけで問題なく対処できそうだな。」
俺。
「村の地形もおおよそ把握出来ました。」
「農村なので土地はかなり広いですが我々で問題なく対処できる範囲だと思います。」
なんか頭のよさそうな事をアンナが言う。
「村の住人には村の周囲を警戒してる班もいると言っておいたから、いざって時はそいつらを頼るだろう。」
たいして強い敵もいないようだし、あんまり俺が出しゃばる必要はなさそうだ。
一通り顔を出した後は村の外周をぶらぶら歩いてみる。
村の東側は畑が荒らされるなど多少の被害が出ていた様子だった。
何となく柵や畑や建物の修理を手伝いつつ、何故だか流れで畑仕事も手伝ったりした。
その日の夜アーロンとグレゴリーから報告を聞く。
本日狩を行ったのはグレゴリーなのでまずは彼から。
「森の様子は騒がしいものの獲物の内訳は小物ばかりでした。」
「時折大型の猪や鹿の魔物が出てきましたが対処可能な魔物でした。」
「狩りの成果はかなりの物です。」
グレゴリーはそう報告してくれた。
「手に負えない様な魔物はいなかったようだな。」
解体を指揮していた、アーロンが言う。
「解体した物資を一部渡して、早速野菜などと交換出来ました。」
アーロンが村長と上手く取引をしたようだ。
「俺達の収入面は問題なさそうか?」
俺。
「はい、報酬と今日の収穫を合わせれば出費分は稼げていると思います。」
アンナが収穫物などを見ながら大まかに計算してくれている。
「そうか、なら金の心配はなさそうだな。」
「あとは大きな怪我と村への被害が出ない様に気を引き締めて行こう。」
会議はそんな感じにまとまった。
このあとは体を綺麗にして晩飯を食べた。
食事中は人数が多いので、皆ワイワイ賑やかだ。
狩った魔物の肉を皆で食べる。味付けは俺。
もちろん仕事中は酒は無し。
前世の世界なら飲み水は腐ってしまうので保存できるという点で酒を飲んでいたらしいが。
この世界はスライム君が居るので、どんな水でも飲める状態にしておけるのだ。
それでも酒を飲みたい人は一定数いるらしく、うちのチーム内にも酒好きは多い。
だがしかし、今は任務中なので酒は控えてもらっている。
任務中に泥酔して、村の人に粗相をしてしまっては本末転倒だし、ハンター全体の評判にもかかわる。
なので今回はお酒なし。
皆ガッカリしてはいたがその辺りを理解してくれているので文句は出なかった。
因みにスイとエンは思いっきり暴れられて楽しかったらしい。
「よーしよし、よくやったぞー!」
俺は綺麗に洗った後の二匹をなでなでコネコネする。
体中をコネコネして傷が無いか確認する。
「はぁ、隊長・・・」
グレゴリーの手下である包帯三人衆の内の一人ヘンリーが疲れた顔で俺を呼ぶ。
「ん?何か問題があったか?」
「ワンコたちは元気に仕事をしてくれました・・・」
「うん。」
「しかし元気すぎるくらいに仕事をしてくれました。」
「元気すぎる?」
「はい、ワンコ達が魔物を狩りまくった結果、俺たち全員の成果と同じくらい狩ってきたんですよ。」
ヘンリーはため息を吐きながら報告する。
それを聞いていたイゴールやジェフリーも疲れた顔をしている。
「俺たちの成果がワンコ二匹と同じって考えると少々ショックで・・・」
イゴールもぼやく。
「まあ犬以下って言葉は普通、悪口だからな。」
と冗談を言いってもへこんだままだ。
「こいつらが特別なだけだから気にすんな。」
俺は2匹をなでなでこねこねしながら皆を励ました。
その後も寝るまでどうでもいいことをワイワイ話した。
酒が無くても楽しくて騒がしい奴らだ。
次の日
俺は森に入った。
スイとエンは森を自由に移動している。
俺はユキに乗ってパカパカ歩く。
今日はアーロンのチームが狩りをする。
アンナはアーロンについていって狩りをしている。
森をぶらぶら歩く。
邪魔そうな倒木や岩をユキが蹴り砕き粉々にして軽く整地をしながら移動している。
ブルドーザーみたいなやつだ。
何度も言うがユキの蹄は蹄鉄の釘が刺さらないほど堅い。
蹴られて怒っていたオーガが居たがアイツの頭蓋骨は鉄以上って事になる。
そうして歩いていると時々魔物が出てくるがほとんどユキが蹴り殺してしまう。
そして俺が【収納】に入れる。
俺とユキはあくびをしながら森を歩く。
「のんびり散歩できると思えば悪くないか?」
俺。
『お散歩ならもっと広い場所のほうがいい。』
「そりゃそうだけど。」
そんな話をしていると、ユキの耳がピクピク動く。
『なんかあっちの方から人の声が聞こえる。』
ユキが横を向く。
俺には聞こえないがそっちの方向へユキを走らせる。
すると一軒の家と畑があった。
家の前でカールと4人のメンバーが立っていた。
カールは一人の女性と会話をしていて・・・
いや争っていた。
「カール!何をしている!?」
俺はユキに乗ったままカールに声をかける。
「隊長!ちょっとした誤解なんっすよ!」
カールが女と戦いながらそう叫ぶ。
「あんたが親玉か!!」
女は怖い顔でそう叫ぶ。
俺はユキの背中から大きくジャンプしてカールと女の間に着地する。
そして女の剣とカールの剣を指でつまむ。
「誤解を正したいので少し落ち着いてもらえませんか?」
俺は出来るだけ丁寧な口調で言う。
「ああぁん!?」
女は俺にガンを飛ばす。
こわい。
「ベルトのポケットにハンター証があるので見ていただけますか?」
俺はそう言うと両手を上げて降参のポーズをする。
女は俺の喉元に剣を突き付けてゆっくり俺の腰のポケットをまさぐる。
そして俺のハンター証を見て少し落ち着いた様子だ。
「俺はハンターのヒロです。」
「そしてこいつらは俺の仲間たちです。」
「今回この森で出没している魔物を狩るために町から来ました。」
落ち着いて事情を説明する。
すると、どうにか納得したのか剣を下げてくれる。
カール達は安心したのか大きく息を吐く。
「悪かったわね、切りかかってしまって。」
女がカールの方を見て謝罪する。
「偶然民家を見かけたので挨拶と魔物の警告がてら訪問したんですが。」
「俺たちが悪人面なせいで余計な誤解をさせてしまって。」
「すみませんでした。」
とカールも説明してくれる。
「そうか皆怪我は無かったか?」
俺は両者の体を眺めながら言う。
「俺は大丈夫です。」
「私も大丈夫。」
「それなら良かった、この方には俺から説明しておくからカール達は狩に戻ってくれ。」
気まずいだろうし一旦両者を引き離しておく。
「はい、わかりました。」
カールはそう言ってから、軽く会釈をして去っていく。
「ところでハンターの経験があるんですか?」
俺はなんとなく気になったので聞いてみた。
カールとの戦いを見たが一般人が闇雲に剣を振っている感じでは無かった。
「いやいや、親に『こんな所に住むんなら少しくらい使えるようになれ』って言われたんだよ。」
女は笑いながらそう言う。
「まあとにかく、盗賊かなんかと勘違いしてしまったんだ。」
「済まなかったね。」
女はそう言いながら俺に家に入れと顎を振る。
俺はユキを家の玄関前あたりで待たせて家に入る。
「お邪魔します。」
「ここに座って。」
女はイス指さす。
俺は示されたイスに座って家の中を眺める。
中は至る所に葉っぱ、花、実の様な物が干されている。
薬師のバーさんの家もこんな感じだった気がする。
女はお茶を入れてくれた。
「どうぞ。」
そう言ってから俺の目の前に座った。
そしてテーブルの上にあったパイプのようなものを取って葉っぱを詰めて吸い始めた。
慣れた手つきで吸っているので喫煙歴は長いようだ。
因みに俺は前世からずっとタバコが嫌いだ。
って言うかこの世界にタバコがあるんだと少しびっくりした。
「薬師をなさっているんですか?」
俺。
「いや。母さんは薬師だけどアタシは調香師みたいな事をしてるのよ。」
そう言って女は息を吐く。
すると前世のたばこの匂いとは違って、爽やかな香りがしてくる。
「これとかお香とかを植物から生産して調合してるのよ。」
女はパイプを示しながら言う。
部屋をよく見るとパイプやキセルの様な物も沢山おいてある。
「アタシはマキ。よろしく。」
マキさんはニコッと笑いながら言う。
「改めてハンターのヒロです。
「最近この村で頻繁に出没する魔物を狩りに来ました。」
俺も改めて自己紹介。
「そう言えば村長がそんな事を言ってたわね。」
マキさんは何かを思い出す様にそうつぶやく。
「ここに一人で暮らしていたら魔物の被害がひどかったのでは?」
俺はお茶を飲みながら言う。
しかしお茶を飲んで少しびっくり。
薬師のバーさんが出してくれるお茶と同じ味だった。
あれって市販のお茶じゃなかった気がするけど・・・
「実害は今の所無いけど最近畑に寄ってくる魔物が多かったわね。」
「でもあんた等がどうにかしてくれるんなら大丈夫そうだね。」
マキさんはそんな言葉と共に煙を吐く。
「魔物の数が落ち着くまでしばらく狩りを続ける予定です。」
「俺の仲間にこの場所の事を伝えて定期的にこの辺りの見回りもさせます。」
「何かあれば見回りに来た奴らに伝えてください。」
俺は淡々と説明する。
「あんまり色々な奴に来てほしくないんだけど?」
言われてみてハッっとした。
女性が一人暮らしをしているのに定期的に知らん男が行ったり来たりするのは確かに不愉快だろう。
「確かにその通りですね。では俺と俺のペットが定期的に来ることにします。」
「ペット?」
「はい。白い猟犬が二匹いるのでそいつらなら問題ないでしょう?」
「まあ噛みついてこなければいいけど?」
「躾はしっかりしてるので問題ありません。」
「へー、犬なんて役に立つのかい?」
マキさんは怪訝な顔をする。
「この辺りの魔物ならどうにでもなる程度には役に立ちますよ。」
「それにとびっきり可愛いです。」
可愛いって部分は一番重要。
「可愛いかどうかはどうでもいいけど一度見せてくれるかい?」
そう言われてから、すぐ立ち上がり家の外に出て二匹を呼ぶ。
魔法で音を大きくして口笛を吹く。
遠くまで聞こえるように。
すぐに双子がやってくる。
とんでもないスピードで走ってきたせいで空を飛んでいるように見える。
木の幹や枝を足場にして走ってくる。
そしてよく見たら血まみれだ。
『よんだ?』
と双子は可愛い顔でこっちを見てくる。がしかし全身血まみれである。
「ここに人が住んでいるので交代で見回りに来て欲しいんだ。」
俺がそう言うと双子はうなずく。
そうしているうちにマキさんが家から出てくる。
「随分血生臭いのが来たみたいね。」
彼女の言う通り一目でわかる血生臭さだ。
「まあ見た目の通り頼もしい奴らです。」
俺は布を取り出して軽く血を拭ってやる。
「このちょっと青いのがスイでちょっと赤いのがエンです。」
双子は名前を呼ばれてそれぞれワンと一声あげる。
「なるほど、かしこい子達みたいね。」
マキさんは綺麗にしたばかりのスイの頭を優しくなでる。
スイはそれを黙って受け入れる。
「ある程度言葉は理解でるので、いざって時は口で言えば指示に従うはずです。」
「へー、じゃあ試しに。」
マキさんはそう言って適当な木の枝をぶん投げる。
「取ってこーい!」
すると双子の目つきが変わり枝の取り合いが始まる。
「畑は荒らすなよー」
一応忠告しておく。
双子のガチのじゃれ合いが行われている。
その様子を見ているマキさん少し驚いている。
「これなら安心できそうだね。」
双子のじゃれ合いは冷静に立ち回り続けたスイに軍配が上がった。
「よしよし。よくやったぞー。」
俺はそう言いながら撫でる。
「お前も惜しかったなー」
エンも撫でてやる。
マキさんもパイプを片手にスイを撫でている。
「それにしても煙を嫌がると思ってたけど意外と平気そうだな。」
スイとエンそれにユキも嫌がっている素振りが無い。
俺がなんとなく疑問を口にすると、マキさんが話を始めた。
「普通の葉っぱは独特な嫌な臭いだったり体に悪かったりするし、
家畜も嫌がって逃げたり暴れたりするくらいには苦手らしいんだ。」
「だからそういうのを無くせないかと思って、母に教えてもらった薬草の知識を使って色々調合してみたんだ。」
言われてみればタバコ特有の嫌な香りや煙たさが無い気がする。
意識して煙を吸わない様にしていたので気が付かなかった。
「そして、体に害が無く依存性もなく家畜も嫌がらないのが出来たのさ。」
そう言って持っているパイプを示す。
どんな調合をしたのか知らんが本当に嫌な感じは無い。
「なるほど、そう言う事だったんですね。」
「香りだけじゃなく、効能も色々追加できないか試しているんだ。」
「効能?」
「そう。例えば頭がすっきりするのとか、リラックスできるのとか。」
「そう言うのを副作用も嫌な臭いも無いようにするのさ。」
タバコって言うかアロマとか香水に近いのかな?
「まあ調合が大変だから少々割高だけど結構人気なんだよ?」
「へー」
タバコは本当に嫌いなのであからさまに適当な返事になってしまった。
「はっはっは。」
「本当にタバコが嫌いなんだね。」
マキさんは大笑いしながら言う。
俺の様子を見てタバコ嫌いが分かったようだ。
「あえて口に出すほどではないので言わなかったのですが、タバコは嫌いです。」
「そういう人のために作ったんだ。」
「周りで吸ってても気にならないし、匂いに敏感な動物も嫌がらない。」
「純粋に香りを楽しめるのよ。」
「へー」
「はっはっは、試しに使ってみるかい?」
「いや遠慮しておきます。」
しかしマキさんは返事も聞かずに家に戻り葉っぱの入った木箱とパイプを持ってきた。
パイプってよりキセルみたいな感じだ。
「この葉っぱは柑橘系の香りだよ。」
「多少鼻がすっきりするだけで大きな効能は無い初心者向けよ。」
「コレあげるから使ってみてよ。」
マキさんは有無を言わさず渡してくる。
「はぁ・・・」
随分強引な女性だった。
その後軽く使い方を教わって使ってみた。
「ゲホッ!ゲホッ!」
「やっぱり俺には合わないみたいだ。」
俺はキセルを返そうとする。
「慣れるまで何度か使ってみてよ。」
「それで感想を聞かせて欲しいんだ。」
「どんなのがいいとか、何が嫌かとか。」
「普段直接意見を聞くことが出来なくて困ってたんだ。頼むよ。」
一人暮らしをしていて他の人から意見を聞く機会が無い、
だから俺を使いたいって事らしい。
「今まではどうしてたんですか?」
何となく聞いてみた。
「今までは旦那に意見を聞いてたんだけど、ろくでなしのボケナスだから追い出したのよ。」
「なるほど・・・」
いきなり怒り出すもんだから言葉が詰まる。
「まあそう言う事だから色々とよろしくね。」
って事でタバコを貰い、俺とスイとエンはここに定期的に見回りに来ることになった。
夕方
キャンプにて
皆に報告する。
「これって、町で話題になっているタバコですよね!」
ブレッドが驚きつつ言う。
「話題になっているのか?」
ぶっちゃけタバコだの酒だのは興味が無いから初耳だった。
「そうですよ。通常の葉っぱは高級な酒などの嗜好品に近いですが、
これは嗜好品ではありますが。香水や薬に近いと言われているので女性にも人気なんですよ。」
「奥さんや意中の女性にプレゼントする貴族もいるくらいには人気ですよ。」
アンナが詳しく教えてくれる。
やたら詳しいなと感心してたけど、そう言えばアンナは貴族なんだっけ?
「へー」
またもや気の抜けた返事をしつつ吸ってみるが、やはりせき込んでしまう。
「ゲホ、ゲホッ」
すると皆が笑う。
「隊長が吸っている姿は絵になるのにタバコは合わないみたいですね。」
アーロンが言う。
「よっぽど合わないのか、吸うのが下手かのどっちかだな」
がははは、と笑いながらカールが言う。
「やっぱり苦手だ。」
俺はぼやく。
「まあ無理して吸う必要もないんじゃないですか?」
アンナが言う。
「何度か試してみてダメそうなら返すことにするよ。」
そんな様な話をして、周囲が暗くなるころに寝た。
マキさんのタバコにはやばい成分が入ってたりしないのでご安心ください。
主人公が咳き込んでいるのはタバコ嫌いで思い込みと嫌悪感から咳き込んでいるのです。
つまり長年嫌いだったものは突然好きになれないって事です。




