番外編 おしえて、サラちゃん(1)
セリフのみの寸劇。
ライ=ライラです。
グリム・ガルムとの戦闘後。
未開地の森のキャンプにて……。
サラ「……っ」
ユア「どうかしましたか、サラちゃん?」
サラ「何でもない……ちょっと左目が疼いただけよ」
ライ『痛みは?』
サラ「大丈夫。幻覚も無い。ただの疲労よ……慣れない視力を使いすぎたからでしょうね」
ユア「……そうですか……しかし……」
サラ「……何よ……?」
ユア「……サラちゃん、ちょっとカッコいいです」
サラ「――はぁ?」
ユア「黒髪。知的クール。左目を押さえる仕草……うん、いける!」
サラ「どこに!」
ライ『確かにそうねぇ……』
サラ「ライラまで何言ってるの!」
ユア「必殺技を考えましょう」
サラ「考えなくていいし、そんなのいらない!」
ライ『う~ん……目から光線とか?』
サラ「出るわけないでしょ!」
ユア「あ、それ知ってます。石になるやつですよね?」
サラ「できるなら、あんたを粉々にしてやるわ……」
ライ『そういえば…………必殺技で思い出したけど、さっきのグリムとの戦いで、それらしいことしていなかった?』
ユア「ええっ! サラちゃん、本当に光線出したんですか?」
サラ「出さないわよ!」
ライ『……光線は置いておいて……ほら、ユアが攻撃する直前、独りで囮になってくれたじゃない。あの時、グリムの目の前で消えたようになったでしょ?』
ユア「――思い出しました。というか、私にも一瞬消えたように見えました。もしかして、あれがサラちゃんの必殺技……?」
サラ「……そんなんじゃないわよ……」
ユア「なるほど……消える魔眼……」
サラ「妙な名前付けないで!」
ライ『……ファントム・アイ』
サラ「やめて!」
ライ『まぁ、冗談はさておき……あれって目の錯覚みたいなものでしょ?』
ユア「うえぇっ、あれが目の錯覚? 本当ですか?」
サラ「……そうよ……あいつ、あたしを狙ってたし……あたしの左目……何と言うか、相手の目線とか、視野の方向とか、そういうのも分かるから……視線が逸れた瞬間を狙って、視界から消えるように動いたの……一応、あんたの視界も意識してたから、消えたように見えただけ……ほんと、ただそれだけのことよ……」
ライ『別に恥ずかしがらなくたっていいじゃない。あの乱戦で、慣れない目を使ってフェイントを仕掛けるなんて、簡単にできることじゃないわ』
ユア「そうですよ。私なんて何が何だかで、自分ひとりじゃ全然動けませんでした。左目ひとつでグリムさんに立ち向かったサラちゃんはすごいです!」
サラ「……あ、あたしは、ただ……自分の役目を、こなしただけで……」
ライ『まぁ、照れちゃって。かわいい』
サラ「う、うるさい……!」
ユア「……視線誘導……ミス・ディレクション……」
サラ「――もうやめて!」




