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手紙  作者: 大和香織子
第四章 新たな死人
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2

境 ゆかり(八重歯)


 なかなか帰ってこないので、探しに行ったら一番奥のトイレで有里が倒れていました。


 通り魔的犯行とかですか?


 ここ最近、行方不明者がこの周辺だけで15人もいるんですよね。

 少し異常じゃないですか?


「探しに行くのは全員で同じところに行ったのか?」


 いいえ、最初はトイレに行っても遅いなーくらいで


誰も気に留めていませんでしたから、


そのうちあまりにも遅いってことで3人一緒に探したんです。


「このパンクラブでは下見心江さんが亡くなっているよね?自殺とかで」


 ええ、あまりにも突然だったので、今でもどこかで生きているのではと思ってしまいます。


「下見心江さんのご主人は貴方の所にきましたか?」


 えぇ来ましたよ。


 一度だけですけど。事故か自殺だって警察の方も言っているのに疑ってくるので、かなり迷惑でしたね。

 


下見 昭二(夫)


 その日は、会社にいましたよ。


 小堺有里さんが、そんなことになるとは思いませんでしたから驚きましたよ。


「貴方の奥さまが亡くなった原因となっていた物が小堺有里のものだったようだが恨みがあったのでは」


 そのようですね、でもそうだからと言って彼女が悪いわけではありませんからね。


彼女が殺そうと思って渡したものではないでしょうしね。



「今、貴方の働く会社でアリバイの確認が取れました。社員の方ほとんどの証言がありました。今日はもう帰っていいです。でも一つだけいいです?奥さんの事故か自殺だと認めた理由はなんです?」



 認めたというわけでもありませんが、妻が返ってくるならそれでいいのですが…

 彼女の代わりなんていませんからね。


                

                 *

 俺は仏壇の前にすわり、


ペペロンチーノを心江に備えた。


「心江どうだい?ペペロンチーノ大分上手になっただろう?」と、言って心江の口に運ぶ。



「おかっぱが殺されたらしい。犯人誰だろうね?あの3人の中の誰かだよね?」心江に話しかけるが、心江から返事は来ることはない。


 だが、俺はそれでも満足だった。


 俺には聞こえないだけで、


心江は俺の話にきちんと返事をしてくれていると、信じていたからだった。

 


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