ピットワーク①~好きな車を選ぶ~
80年代、90年代、00年代と、車は高性能化してゆき、特に80年代はモデルチェンジが激しかった。2年でマイナーチェンジ、4年でフルモデルチェンジ。短命なモデルだと、1年で無くなってしまうなんて言うものも多かった。
モデルチェンジをする毎に性能は向上してゆくので、どうしても新しいものが出ると、そちらの方が魅力的で良い車のような気がした。若い時は、どうしても使い切れるはずのない馬力やゼロヨン加速のタイム、トルクなどの数字に目がいってしまいがちだった。デザインも、やっぱり新しいものの方が洗練されているような気になったりもした。
その頃は、あまり車選びに悩むことは無かった。確かにプラットフォームの大型化で、車重が増して軽快感が失われていく傾向にはあったものの、それと引き換えに馬力の向上やタイヤサイズの大型化などで得るものも多かったように思える。
先日、中古で車を購入した。
最初は5年落ちのモデルを購入しようと思ったのだけど、車の面白さやスタイル、車重や馬力、排気量や評価などを考えた結果、購入したのは12年落ちのモデルを購入することになった。購入金額はかなり低くなったものの、故障のリスクはものすごく上がる。面倒を見てもらえる車屋さんを見つけたので、安くなった分は修理費用と考えておけばいいかなと思っている。
新しいものから古いものまで、乗り比べてみると、どちらも良いところも悪いところもあると思った。新しいものは、確かに色んな性能が向上しているのだろうとは思うけど、それだけが車の魅力ではないのだと古い車に乗って思わされた。新しい車は、本当に上質で良い車だなと直ぐに感じたのだが、古い車に乗った時、新しいものと比べた時に質感が低いなと思った反面、もっとこの車を運転したい、この席にずっと座っていたいと、何とも言えない面白さに気が付いてしまった。
新車も中古車も、歴代のモデルがある中、自分が一番好きなデザインやエンジン形式の車を選べる時期なのかもしれない。新車はこの10年でプラス100万くらい上がっているので、なかなか手が出しづらい。中古もプレミアがついてしまって、値が上がってしまったものも多いけど、探せばまだ安価で楽しそうなパンチのある車も選べる。
輸入車や旧車になると、その車の面倒を見てくれる車屋さんと修理代金、そして、壊れないもう一台の車などが必要になるかもしれないけど、駐車場代の安い田舎であれば、それほど難しいことでもないかもしれない。
そして、好きな車を自由に選べる時期は、もしかしたら、今しかないかもしれない。
8気筒はほとんど見ることが出来なくなり、6気筒も高級車以外は無い。それだけでなく、4気筒の車も少なくなっていき、3気筒のハイブリットが標準となり、完全電気化は机上の空論で終わるかもしれないけど、乗用車はもっともっと小型で小排気量化してゆき、ガソリンが嗜好品化してゆけば、スタンドは加速度的に少なくなって、動かすことも所有することもままならないものになるかもしれない。
今ならまだ、新車では難しくなったマニュアル車も、大排気量車も、V8やV6、直6、ハイパワーターボ車も、まだ楽しむことが出来る。そして、この先、新車ではそういう車が出ないとなると、中古価格も上がってゆき、手に入れることが出来なくなってしまうだろう。
あれだけあったスポーツカー達も今は少なく、3リッター4リッターあった多気筒のベンツやBMWは2リッター4気筒以上のモデルはほとんどない。排気量が大きいのが凄いわけではないとは分かっているものの、1000万以上する最上級モデルが4気筒2リッターターボだというのは、なんだか寂しい。
あれも選べない、これも選べない、そして価格は高い。
そんな今だからこそ、中古車を含めた今までの歴代の車たちの中から、掛けられる費用との兼ね合いを考えつつ、今乗っておかなければ後悔してしまうのではないかと思える車を所有できる最後の時期に来ているのではないかと思う。
さあ、最後の思い出作りをしてみませんか?
(でも、最近のハイブリッドカーも、運転してみるとなかなか楽しかったりするので、それほどこだわりがなければ、現代の車も十分走るし楽しいと思います!)




