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二二言目 いくよ、紫桔梗

「何の役にも立てないし、お父さんの足も引っ張るし、アナタには一つも敵わないし」


 あぁ、何か良く分からないけどマズイ!

 こんな所親父さんに見られたら絶対マズイ!!


 ん?

 何かバリバリガタガタ、凄い音がしてる?


「何の音かしら」

「……」

「まさか柵が壊されて!?」

「え?」


 柵が壊されちゃったの?

 うーん、それは困るなぁ。

 柵って作るの大変だからね。


「果樹園が荒らさる!」

「え!!!!!!!!!!!!!!」


 それはダメだ!!

 あの子たちは今から頑張ろうとしてるのに!!

 ヴィオラが大好きで、心配させたくないから前より素敵にならなくちゃってみんな張り切ってたのに!!


「あ、コラ、アルス!!」


 みんな落ち込んでたんだ、毎日お世話してくれるあの子に美味しい果実を食べさせてあげたかったのにごめんなさいって。みんな感謝してたんだ。だから僕はそれに応えたんだ、あの子たちは喜んでたんだ、これで私たちはまだ頑張れるって!


 させない、あの子たちとヴィオラを離れ離れになんてさせない!!


【手伝いましょうか?】

 うん、手伝って!!

【相手はだぁれ?】

 多分ゴブリンだよ、沢山いると思う!

【そうなのね、でも主人様の為なら仕方ありませんね】

 ありがとう、僕どうすればいい?

【私が呼んだら魔力を頂戴?】

 分かった!!


 誰と話してるんだ僕は!!


 無我夢中で走っていると、そこには今にも果樹園に踏み込もうとするゴブリン。その数、不明。


 多過ぎるよ!!

 親父さんは何してるの、ここに大軍が!!

 あー! 何かデカいのもいる!!

 ゴブリンロード!?

 群れのボスじゃん!!


【落ち着きなさい、大丈夫です】

 ヤバイよヤバイよ! どうしたらいいの?

【ほら、まずは私を握って?】

 私? あなたは誰?

【私は主人様が育ててくれた紫桔梗の種】

 種? あ、この子か。

【ふふ、お久しぶりですね】

 久しぶり! 会えて嬉し、じゃなくて!?

【さぁ、魔力を!】


「アルス、戻りなさい! アルス!!」


 あれが敵軍の本命なのかな。

 何でも良いか、その果樹園さんたちはこれから頑張るんだ、邪魔はさせない。


「いくよ、紫桔梗」

【えぇ、主人様とならどこまでも】


 そう応えた紫桔梗の種は、僕から大量の魔力を吸い取り、その姿を現した。

突然紫桔梗の語りかけがあっても動じない植物耐性つよつよのアルスくんをよろしくお願いします。

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