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二一言目 ……ぇぅ

 どうしよう、どうしたらいい?

 取り敢えず理由を説明、した方が良いのかな?

 それとも振り切って行ってしまうべき?

 いや振り切るのは無理か。

 そもそも全力で走っても追いつけないヴィオラを、走って引き離すとか無理だ。

 荷物もあるし。


「黙って無いでなんとか言いなさいよ!」

「……ぇぅ」


 どうしよう!

 何もしてないのに怒っちゃった!


「まだアナタから何も学ばせて貰ってないわ」


 そもそも僕から学べる事なんて殆ど何もないんだよ。親父さんがチヤホヤしてくれるから勘違いしちゃってたけど、僕はそもそも追放される様な存在。疎まれて当然なんだ。


「私の先生になってくれって、お父さんに雇われたのよね? お金も受け取ったんでしょ?」


 そう言われると思ったし、それに見合った事も出来てないから、そこに置いてるよ。置いててよかった、危なかった。


「アナタここが危なくなったからお金だけ持ち逃げしようっての?」


 どうしよう!

 どんどんヒートアップするから益々話せないんだけど!

 逃げたい!!


「何とか言いなさいよ!」


 怖いー!

 何とかお金だけでも誤解を解かないと。


「ぁ、あれ……」


 指先でお金を示す。

 ついでに手紙も。


「あれ? 成る程、……律儀な事ね」


 ふぅこれで大丈夫かな。


「何が不満だった訳?」


 ええええ!?

 まだ詰められるの!?

 何て言えば正解なのこれ!


「私のせいなら謝るわ。ごめんなさい」


 へ?


「でもお願い、私、初めてなの!」

「え……」

「誰かから学びたいって思ったのも、心底敵わないって思ったのも。愛情の深さでは誰にも負けないって思っていたのに、完敗だったわ」


 愛に勝ち負けとかあるの?

 そういう大会だったっけ?


「だから……」


 あ、またゴブリン。

 沈めよ。


「ギギギャアアアアア!」

「え!?」

「ギギギ……」


 あぁ、またゴブリン漬けが増えてしまった。

 ごめんなさい。

 何か手際が良くなってきたね。

 これくらいの範囲にこの粘度でこの深さで落とせば他のゴブリンに見られる前に埋められるね。

 うんうん、良い事だ。


「アナタ、今のアナタがやったの?」

「え? は、はい……」

「さっき私を守ってくれたみたいに?」

「えと、その、慣れ、て、きたから……」

「慣れて? この短時間に?」


 土をいじる事の延長線だから、慣れるも何も。

 そもそも慣れてる事なんだけどね。


「あそこの穴もそうなの?」

「へ? あ!」


 しまった!

 穴だらけにしちゃってる!!

 怒られる!!


「アナタはゴブリンも倒せて、植物の世話もできる。私はゴブリンも倒せないし、植物の世話もまともにしてあげられない」


 あぁ、怒りを溜めてるよ……。

 どうしよう、逃げなきゃ。


「いらないのは私の方ね」

「……え?」


 どう言う事ー!

もじもじしてたら場面が展開していくアルスくんをよろしくお願いします。

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