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送還式

あらすじを書くのが話の筋、気持ちいいのは裏すz・・・・


 おれ、きみたちを返せるけどどうする?


(大層なことを言う魔術師だな。そんなことできるわけがないだろう。)


 「なあ、これって今すぐに王女様にご報告したほうがいいか?」


 「いやしなくてもいい。どうせできやしない。考えてもみろ、あれだけの召喚術を起動するのに莫大な魔力がいるんだ。一流の魔術師達が数年にわたり王宮にある巨大な魔石に魔力を限界まで注ぎ込んでようやく代償として使えるんだぞ。にもかかわらずあの男はそれなしで出来ると言っているんだ。常識を考えろ。」


 「でもなあ、王女様からは逐一報告を入れろと言われているし、あの蒼炎師カマセを倒した男だぞ?それだけの対価を払えるんじゃあないか?」


 「だとしてもカマセだろうが筆頭だろうが無理だろう。俺たちの任務はあの魔術師が有用であるか見極めるだけだ。今の様子だとほぼなしだがな。」


 「なしか?俺はあいつからなんかヤな感じするんだけどな。」


 「もっとだめだろ。」


 「いや、そうじゃなくてさ、多分俺より強い気がするんだよ。それでいて何か想像を超える何かしそうな、大物のオーラがあるよな?」


 「嘘つけよ。ほらもう何かするぞ。くだらんこと言ってないでさっさと見てろよ。」


 「はいはい。一応かけするか?俺はできないほうに昼飯と呑みのおごりをかけるわ。」


 「ばかだな、かけにならんだろう。」


 「えーじゃあできるほうに変えるわ。」


 「もしできたら最高級の地酒を送ってやるよ。たらふくな。」


 「まじ?」


 「ちなみに出来なかったら、これから1ヶ月昼飯おごれ。」


 「嘘・・・だろ?」


 「そんなに嫌がるほどでもないだろ。ほらもう終わりだ。」


 近衛兵がこそこそと話していた相方に手を振って、あっちにいけとジェスチャーしている。明文が言った妄言は彼らには全く届かなかったようだ。


 明文はその様子なんて目もくれず、丁度真正面にいた黒目黒髪の男女に話しかけていた。まだ子供のような顔つきをしている。恐らく10代前半だろう。


 「やあ、君たちは日本人かい?」


 「あ、そうです。・・・・・あの帰れるんですか?僕達帰りたいんです。」


 「うん。少し帰る前に聞いておきたいことがあるんだけどいい?」


 「・・・はい。」


 半信半疑とはこのことだろう。信じたいようで、それを裏切られたくもない。その色がありありと明文には見えている。


 「君たちはここに来る前の世界では何をしていたんだい?場所は?日付は?時間は?そこら辺の状況を聞きたい。」

 

 「・・・えっと、その・・・時間はあまり覚えていません。日付は5月の14日で僕達、学校に行く途中でした。朝早くに待ち合わせをして一緒に通学路を歩いていると突然ここに来てしまいました。」


 「そうかい。何か前兆のようなものはなかったかい?目の前に黒い穴が開くとか、景色が歪んで見えたとか、トラックが突っ込んできたとか。」


 「いや、特になかったです。」


 「ん~了解了解。じゃあ君たちは日本のどこ?といっても人がいないような場所にしか返せないんだけどね。」


 「あの二人とも東京です。」


 「そうか、わかった。東京のどこかの片田舎に飛ばすよ。実をいうところ元の場所に完全に返すことは不可能・・・というか無理だからね。一応できるけど・・・・」


 「けど?・・・」


 「むこうのそこら一帯が爆発して消えて無くなります。」


 「・・・・そのままでお願いします。」


 明文はこれまでの召喚された者の座標を召喚陣からデータとして取り、そこになら送還出来るようにしていた。だが転移自体が万が一人や物体と被るようになった場合核分裂がおき、爆発が起きることが実験で分かっている。だから、召喚者にいた有識者の協力でその頭を覗き地図を引っ張り出し、人も物もないであろう座標をいくつか特定した。


 「今?西暦何年?」


 「え、えっと2018年です。」


 「・・・そっか、まだ10年も経ってないのか・・・・」


 「へ?」


 「いやね、こちらはすごく時間が経つのが遅いんだ。みんなも聞いてね。多分、時間軸がそれぞれ違うから時間の進みが全く違う。ここにいる以上はすごくゆっくり進むよ。さながら・・・・・竜宮城のようにね。」


 思い出したかのように竜宮の比喩を出した。明文が召喚者の友人に教えてもらった話だ。もう何千年も前になる。


 「あと、こちらで使えていた魔法はあちらでは全く使えなくなるからね、もし念話して連絡するとしても俺が一方的にしか話せないんだ。ここで出来た友人とはおさらばになっちゃうんだけど・・・」


 「そうですか、あの本当に帰れるんですよね?」

 

 「ああ、問題なくね。」


 「あの・・・最後に挨拶してきてもいいですか?」


 「いいよ。そのぐらいは待ってあげるよ。」


 「いこう。ドラちゃんから挨拶していこう。」


 そういって、帰る意思があるもの・・・・全員だ。各々挨拶をする。抱き合ったり、握手したり、おまじないのようなサインをしたりと様々だ。短い間だったがここまで濃密な時間は過ごしては一種の友情や戦友のような気持ちになるんだろう。ある程度の目途が付くとさっきの男女がやって来た。女の子はどこか涙ぐんでいる。そこまでかと思ったが、よほど彼女にとって精神的な支柱の者がいたのだろう。


 男女は明文の態度に帰れると信じた。周りは少しだけ希望を持った目を向け、近衛兵達は若干冷めた目でこちらを見ている。


 「じゃあ・・・お願いします。」


 「わかった。じゃあ行くね。」


 そういうと明文は男女の肩を掴み、紫色の魔力で二人を包んだ。そして魔法陣のような物が幾千も形成され二人を囲んでいる。


 「ではね。もしかすると、そこの近くに公衆電話があったらそこに入って受話器をとるといい。君たちの先輩が迎えに来てくれるかもしれないから。じゃあさよなら。」


 包み込んだ魔力は弾け、その場から二人は消えた。


 「これで、さっきの二人は帰りました。お次の方、どうぞ。」


 「おれも帰れるってばよ?」


 「帰れるってばさ。」


 こんな調子で次々と返していった。後は流れ作業のごとくスムーズに返していった。こうして、総員32名がここから帰還した。


 「・・・・・・な、いったろ?あいつなんかヤな感じがするって。地酒がたのしみだなあ。」


 「・・・・・・まじかよ。地酒送れたら感想くれよ。」


 「・・・・・・ああ、ちゃんと伝えるわ。」


 冷めた目で見ていた近衛兵は日本人の男女が居なくった瞬間にその意識から醒めてしまう。が次に人がどんどんいなくなって行くことに驚きを通り越して何もできなかった。予想を超えた物を目にしてしまうと人は何もできない。彼らは全く動けなかった。が次第に冷静さを取り戻していく。自分たちが失態を犯したことに気づく。あの時点で報告しておけば今後の仕事や立場、出世に響くことはなかっただろうに。これからどうなるんだろうと、冷静に考えていくと悪いほう悪いほうに考えていく。どう考えてもせっかく国の計画として数年がかりで取り計らった転移者達をあっさり送還させてしまうことを許してしまうなんて、軽くても死罪だ。どう考えてもだ。実際には国の総意の計画ではないのだが。


 「ふう、おわったな。しかし、青色の狸くんは機械だったんだなあ、異世界に行ってみたいが、いけないか。」


 どこか残念めいた明文と顔色がやたらと悪くなっている近衛兵しかもうここにはいなかった。

 

お読みいただきありがとうございます。

すみません、逃げたくなりました。許してください。ときどき手を抜きたくなるものです。手で抜くことは多い・・・・もう疲れてますね。寝ます。皆さんも睡眠時間をたっぷりとり、ストレスに気を付けてください。たまると、下ネタオンパレードが始まります。やっほいちん**。

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