表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/44

第九話 ダンジョン


「ゴミ拾いにドブ掃除、下水道のネズミ退治、う~ん、ろくな依頼が無いわね」



 冒険者ギルド、ロビーの壁に掛けられた大きなボードに貼られた依頼書を見ながら私は呟く。


 久しぶりにベットで快適な睡眠をとった私は、翌朝、食堂でリバティと合流。


 定食五人前を平らげた後、本日の予定としてGランク冒険者になったリバティのお金稼ぎをしようと思い、ギルドのロビーに来たのだが、張り出されている依頼は、どれもこれも街中での雑用と言った仕事ばかりだ。


 その原因は、張り出されている警告文だろう。


 そこには、近隣の森への立ち入りを禁止すると書かれていた。


 間違いなく、先日の魔獣ビッグベアの出現に対する処置であろう。


 そのせいで、外での魔獣狩りの様な仕事を、ギルドが止めているのは明白だ。


 カウンターに目を向けると、金髪ロングヘアーの受付嬢メグを発見する。



「おはようございます、シャオさん、リバティさん」



 カウンターに近づくと、こちらに気が付いたメグが挨拶をしてくれた。



「おはよ、ところであの警告文って」


「はい、脅威度Cランクの魔獣が出現したと言う事で、近隣の森への冒険者の立ち入りを禁止いたしました」


「あぁ、やっぱり」


「現在、Bランク冒険者のアクセルさんを中心とした調査団が、森の魔獣調査を行っております」


「あのモヒカンのおっさんが?」


「アクセルさんが集めた実力と信頼の置ける冒険者さんたちの他に、魔導師協会から派遣された魔道士と、冒険者ギルドの職員も何名か同伴しています」



 っとなると、調査が終わるまで、外での魔獣狩りは、効率が悪いな。


 森の中に行かなくても魔獣は居るが、依頼の無い魔獣をわざわざ捜しに行くのも面倒だ。



「何か儲かる依頼って無いの? 私は良いんだけどさ、ほら、連れがね」


「う~ん、そうですね~」



 メグは、少し考える仕草をすると。



「依頼ではございませんが、シャオさんとリバティさんの冒険者ランクでしたら、迷宮探索と言う方法もございます」


「この街の近くにダンジョンがあるの?」


「はい、こちらのダンジョンは、Fランクのコアダンジョンになっております」


「そのダンジョンって攻略済み?」


「はい、既に攻略済みのダンジョンでございます」



 攻略済みのFランクのコアダンジョンか。


 私にとっては物足りないダンジョンだが、リバティのお金稼ぎには、丁度良さそうだ。



「本来でしたらGランク冒険者のリバティさんは、Fランクダンジョンには入れませんが、Cランク冒険者のシャオさんとパーティーを組んでおりますので問題はありません」


「リバティ、ダンジョンで一稼ぎしようと思うけど、どうかな?」


「シャオに任せるよ」


「わかった、私とリバティでダンジョンに潜るから、通行証を発行してよ、代金はツケでね」


「かしこまりました、それでは通行証を発行いたしますのでギルドカードをお貸しください」



 私とリバティがギルドカードを渡すと、メグが手続きを始める。



「ところでシャオ、ダンジョンと言うのは、どう言う所なんだ?」


「あ~、リバティは、ダンジョン初めてか、それじゃあ冒険者の先輩である私が教えてあげるわ」



 っと言っても、私自身そこまで詳しくないんだけどね~。


 ダンジョンには、主に二つの種類がある。


 一つは、古代遺跡や古代神殿などの天然の迷宮。


 もう一つは、ダンジョンコアと呼ばれる核によって創られた迷宮。


 私たちがこれから行くのは、ダンジョンコアによって創られた迷宮、通称コアダンジョンの方だ。


 ダンジョンコアと呼ばれる核が何なのかは、実際の所、よく分かっていない。


 まあ、私は魔導師でも、研究者でもないからね。


 分かっている事は、ある日突然出現し、迷宮を構築する事。


 貴重な鉱物、魔法の武具やアイテムが眠っているが多くある事。


 ダンジョンモンスターと呼ばれる、怪物が生息している事。


 そして、最大の特徴は、進化する迷宮である事。


 ダンジョンコアで創られた迷宮の多くは、冒険者ギルドが管理しており、迷宮の入り口には、結界が張られていて、中に入るにはギルドが発行する通行許可証が必要である事。



「って、とこかな」


「詳しいんだな」


「ただの受け売り、後は、実際に行って見た方がはやいわよ」



 そうこう言っている間に、メグが通行許可証を持ってくると、私たちは、探索に必要な道具をギルド内でツケで買い、散歩気分でダンジョン探索へと出かけた。







 街を出てから数十分後。


 私とリバティは、冒険者ギルドで教えてもらったダンジョンに到着した。


 ダンジョンの入り口には、結界が張られていて、入る者を拒んでいる。


 この結界は、魔導師協会の優秀な魔導士が、数十人がかりで張った結界らしい。


 結界を解除するには、ギルドで貰った通行証を押し当てれば、一時的に結界が解除される仕組みだ。


 ちなみに、この通行証は、一種のマジックアイテムになっているらしく、一回限りの使い捨てだ。


 入る時は通行証が必要だが、出る時は、結界を素通りできる。


 私は、入り口の結界をギルドで貰った通行許可証を使って解除すると、地下へと続く階段を降りていく。


 階段を下りると、幅広い通路が現れた。



「どう、始めて入ったダンジョンの感想は?」


「思っていたよりも明るいな」


「天井、床、壁に魔力があって、それが明るさを出してるみたい」



 明るいとは言っても、地下の迷宮、通路は薄暗く、奥の方までは見えない。


 普通なら松明やランプを持って探索をするのかもしれないが、私にとってはこれくらいの暗さは問題にならない。



「妙な感じだ、まるで巨大な生き物の中に居るようだ」



 石造りの壁や天井を見回し、リバティが短い感想を言う。


 鋭いな、ダンジョンの知識が無いのに、本質を見抜くんだから。


 そう思いながら私は、冒険者ギルドで買った攻略書を取り出す。



「何だい、それは?」


「これは、攻略書」



 攻略書。


 それは、未探索のダンジョンに潜った冒険者たちが持ち帰った情報を、冒険者ギルドが買い取り、まとめた薄い本。


 各フロアのマップ、ギミック、トラップ、出現するダンジョンモンスターなどが書かれた攻略本である。


 私たちにとってFランクのコアダンジョンなんて、攻略書無しでも良いのだが、今回は、ダンジョン初心者のリバティがいるので、サクサク探索する為に買っておいたのである。



「便利なモノだな」


「このダンジョンは、攻略済みだからね」



 そう言いながら、攻略書を広げた。


 このダンジョンは、全部で地下四階層、ダンジョンコアの創りだした迷宮としては、低ランクであり、まさに初心者の為のダンジョンだ。


 出来て日が浅いコアダンジョンは、階層も浅くて、手に入るアイテムも、出て来るモンスターも大した事はない。


 ちなみに、進化した高ランクのコアダンジョンともなると、地下五十階層や、地下百階層を超えるモノもあるとかないとか。


 また、どのコアダンジョンにも、最下層の最深部には、ダンジョンコアのある部屋(通称コアルーム)があり、その部屋に続く通路を守る、迷宮のボスと呼ばれるモンスターがいる部屋(通称ボスルーム)がある。


 まずは、ダンジョン初心者のリバティに説明する為に、宝箱のある部屋を目指そう。


 最終的には、迷宮のボスを倒すのが目的だ。


 ついでに、通路を歩きながら、出現するダンジョンモンスターを確認する。



「このダンジョンに出るダンジョンモンスターは・・・スケルトン系のみか」



 懐かしいな~。


 村に居た頃、人体を破壊する勉強の為にダンジョンに潜って、スケルトンの骨を砕きまくったもんだわ。


 どの角度で蹴れば衝撃が逃げずに骨が折れやすいとか、どうすれば力を入れずに関節を破壊できるかとか試したな~。


 昔を思い出しながら歩いていると、通路の途中の壁に木製の扉を見つける。


 最初の目的地に到着だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ