アマデウス
ウァリエタースの首都アマデウス。
リクたちは、あの後、改めて車を調達し首都に到達したのだ。
アマデウスはさすが首都というだけあって人口も多く、街にはさまざまな店があった。
「さすがはアマデウスと言ったところね」
「ホテルに到着したら、少し見回ってみましょう。大統領との面会は三日後。時間はあります」
「まさかあの市長がコンタクトを取ってくれたなんて。向こうは結局失うだけだったのに良かったですね」
クレアはにこにこした表情で言う。
「ええ。そうね。てっきり他の方法を考えるしかないとばかり思っていたかからそれには驚かされたわ」
「……」
車を調達するために一度あるボスに戻る必要があった。その時当然市長にも会い、ことの顛末を伝えていた。
それを聞くと市長はにこやかな表情で大統領との面会のためのコンタクトを取ってくれたのだ。
「ちょっと」
エレノアはリクを軽く肘でつつく。
「なんだ?」
「なんだじゃない。さっきからボーとして」
「長時間車に乗ってたら頭を働かせなくなることぐらいあるだろう?」
「ちょっとぐらい会話に入りなさいよ。関係ない話題でもないのに」
「別にいいじゃん。関係あると言ってもそんな重要なことでもないだろう」
「あんた友達少ないでしょ」
「今更そんな評価を下すとは、遅すぎるぞ。俺を見れば友達少ないなんて一目瞭然だろ!」
「威張るな!」
「最近二人とも仲良しですね〜」
「違うわ!」
「とのことだそうだ。クレア」
「みんなそろそろホテルに着くから」
レイラが呆れたように言うと話はそれで終わった。そして改めて前を見るとホテルは目の前であった。
案内された部屋は相変わらず質の高いものであった。さらにホテルがある場所も交通の便も素晴らしく、なおかつ周囲にはうるさそうな店もない。同じだけのレベルにある建物に限られていた。
「部屋はここをしばらく借ります。ここにはよくお世話になっていますし、融通が効きます。急に数ヶ月泊まる羽目になっても手配してくれるでしょう」
「それはまたなかなか」
「ちなみにこのフロア一体を借りている。ここにこれるのは現在のところはわたしたちぐらいよ」
「安全性もより高まると言うことです」
「まあそんなことはいいの。とりあえずみんなどうする?今日は遅いし、大統領との面会まで時間もある。戦いの後でもあることだし、少しゆっくりしましょう。リクも」
「そうですね。そうさせてもらいます」
「ではこれを」
レイラから手渡されたのは財布であった。
「これは?」
「財布よ。中に数十万デア(デアは、ウァリエタースの通貨とします)入っているわ。それは好きにしていいわ。働きによるものでもあるから遠慮せず受け取ってね。あとはできれば銀行口座も持てればいいのだけど。あいにくあなたは一般社会上身分を保証できる物がないからちょっと手間取りそうなの。だから追加のお金はまた今度ね」
「そう言うことなら受け取りますが、いきなりパッと渡されると少し戸惑いますね」
「準備ができたら銀行振り込み。そうなればそんなことも薄れるでしょ」
「かもしれませんね」
「とりあえず。それは自由に使って。ただ荷物が増えると厄介だから大きいものを買ってら基本屋敷に送らないといけないわよ」
「了解です」
それから数時間が経過した。リクは一人ベットで横になっていた。
金は手に入ったが別に何か使いたいことは現在ない。買い食いするにしてもここのホテルの飯は美味しくその気になれない。本でも買いに行こうかとも思ったが時間も遅く、地理も詳しくない。エレノアに頼むのもやはり時間的に気が引けた。
(喉が渇いたな……ルームサービスで何か頼めるか?)
そう考え立ち上がると、ドアの隙間から何か髪が挟まっているのが目に入る。
「これは?」
その紙には、『今日21時、バーにて』それだけ書かれていた。
「……」
ちらりと時計を見るとすでに時刻は20時58分。もう後2分しかなかった。
(仕方ない)
リクはそう言って部屋を出るが、そこで問題に直面する。
「……バーってどこ?」
どうやら21時には間に合わないことは確定したようだ。
第二章まではできていたのですが、第三章はまだ完成しておらないため、毎日投稿することはできません。ですが、なるべく定期的に投稿していこうと思いますのでお付き合いください




