問いかけ
翌日リク、レイラ、クレア、エレノアは四人で再びアルボスの市長チェスターに会いにきた。面会までの手続きはレイラが全て行ってくれたおかげでとてもスムーズに進む。
しかし案内に任されていた役人にあると彼女は困った顔をして少しだけ時間をくれるよう頼んだ。
相手は市長。何か用事があるのだろうと思ったが、どうやら違う。奥の方から大きな怒鳴り声が聞こえてきた。それを聞いてリクは、なんとなく困っている顔の理由を理解した。
(働くって大変だな)
案内役の彼女に同情してしまう。どこの世界でもこれは変わらないようだ。それからようやっと市長のもとに案内された四人。
チェスターはレイラたちの顔を見ると明るい陽気な表情で彼女たちを迎えた。
「おお。お会いできて光栄です。レイラ様」
「ありがとう。チェスター。今大丈夫かしら?昨日が昨日だから忙しんじゃない?」
「まだマシと言ったところでしょう。昨日はレイラ様方の協力により被害は最小。やはり。いけませんな。決められた中で訓練しているだけの人間では」
チェスターは肩をすくめながら述べる。
「それにしてもくるのが遅かったと聞いています。リクたちがいた場所は人通りも多い場所。もう少し早くくるようにしなければ取り返しのつかないことになっていました」
「それは反論できません。工場労働者側にも被害が及そちらに人員が裂かれてしまっていました。さらに今まではあそこではあのようなことは起きたことがなかったのです。それが原因でしょう。今一度考え直さなければなりますまい。これはかなり急を要することです。申し訳ありませんが、デスアモルたちがどこからきたのか徹底的に調べ上げなければなりません。そのためお礼はその後となりますがお許しください」
チェスターは頭を下げる。
「いえ。お礼は要りません。それにかなり焦っているようでもあります。ですが少しだけお尋ねになりたいことがあるのです」
「ほう。それはなんでしょう?」
「簡単なことです。今までこの街はデスアモルに幾度となく襲われその度にあなたは完璧に防いできた。それにもかかわらず今回の件はなぜなのでしょう。まるでその場所では起きないような対応です。これは軍に所属する人間個人ではなく上の問題でしょう。そして今まさに原因を探るべく躍起になっている。幾度となく襲われているのならばその原因等を追求しているはず。そして外部から襲ってきたのであれば外からの守りがあまりよろしいとは言えない以上どこからきてもおかしくないと考えているにも関わらずです」
「……」
チェスターは口を閉ざす。
「なんとなく言いたいことはわかりました。しかし私とて重要な立場の人間。そうペラペラ答えるほど愚かではありません」
帰ってきた言葉はなんとなく予想された言葉であった。
「しかし―――」
レイラがさらに言葉を投げかけようとした瞬間。警報が鳴る。
「これは……!」
この音はつい最近デスアモルが襲撃した時に聴いたものであった。
つまり再びデスアモルがやってきた事を意味する。
「レイラ様。どうやら話は後のようです。私たちも向かいます。クレア後はよろしく」
「ええ。レイラ様私と共にこちらに」
エレノアはそう言って現場に向かう。その時に目がリクとあった。
「わかっている」
エレノアの言いたいことはわかっていた。リクもエレノアに続き跡を追う。




