再開
ホテルの外を出るとすでに日は落ちてた。だが、真っ暗かと言われるとそうではない。街灯が数多く設置されているため、散歩するのにまるで困らない。それに飲み屋も今から客が増える頃合いなのだろう。その店の明かりもあった。
一度深呼吸をする。すると新鮮な空気が肺に入り込み、先ほどの少し緊張感がすぐに消失していった。
「さて」
どこにいこうか?幸、金はあった。レイラから幾分か渡されていたのだ。もちろんそれなりに多いといえる。しかしそれを使ってしまう気にもなれない。もともと浪費家ではないのも理由だ。それよりもとりあえずぶらぶらと歩いて見たい気分だ。チラリとみると繁華街に比べると随分暗い道を発見する。
リクはなんとなくそちらへ足を向ける。散歩するなら人が少ない方が好きなのだ。
人が少なくなるのと同時に自然が少しだが多くなった。しかし道はしっかり整備されている。散歩するには良い条件であった。
「随分と呑気なことだ救世主?」
「!」
後ろから声を聞こえた。リクが振り向いた瞬間その喉を右手で掴まれ壁に押しつけられた。
「ごほぉ!」
「ん?」
しかしリクもやられっぱなしではない。すでに銃を構えていた。そしてその銃口は相手の眉間に当てられていた。
そしてリクは引き金を引く。相手は絶命するはずだった。
「うっ!」
しかし相手は一瞬怯んだが、決して手を離さなかった。それどころかより強くにぎりられてしまう。それもそのはず。リクを襲った相手は、ウィリアムであったのだから。
「貴様は……」
「また会ったな。以前よりたくましくなったのではないか?えぇ」
ニヤリと嬉しそうにいう。
「……は」
「は?」
「…は・な・せ」
「……ふん」
ウィリアムは手を離すと、リクはようやくまともに空気を吸うことができた。
「それでなんのようだ?まさか顔を見にきたわけではないだろ」
「この街にようがある」
「……何かことを起こす気か?」
睨みつけるようにいうとウィリアムは首を振る。
「いや。ただ様子を見にきただけだ」
「どうかな。お前たちのことは聞いているさ。カルニフォックス。その目的はお前たちが悪だと判断した人間を一切合切容赦なく殺していきイカれ集団だとな」
「イカれか。愉快。愉快。それはそうかもしれん。一貫してことをなそうとする人間はある意味においてイカれ。確かに反論する余地はない。しかしだな。私が何かするつもりはないのは本当だ。いや。する必要もないということよ」
「なぜ?」
「それは貴様が事をなすからよ。貴様が勝手に何かする」
「俺たちはこの場所は途中でよったに過ぎなぞ?」
「だとしても…だ。この街がきな臭いことは勘付いているのだろう?それを踏まえて未だここにいる。ただの寄り道ならば、さっさと立ち去っているだろう。何かするよ。貴様が救世主であり、彼女のそばにいるというのであれば何か事を起こす。……ハハ。愉快。こいつは愉快だ。今から楽しくなってきた」
「楽しませるために俺たちは動く気はない」
「知っているさ。ただ俺が勝手に楽しむだけよ」
ウィリアムはそう言って満足したのかその場をさろうとする。
「待て」
「なんだ?貴様も何か用か?」
「あぁ。聞いておく必要がある事を今思い出した。俺とあんたが初めて会った時、『あの男』と俺を比べた。その時の『あの男』とは誰だ?」
「……ふっ。おおよそ検討がついていながら問いかけているように聞こえる」
「……今ので大体察した。ありがとうよ。そしてもう一つ。そいつはどこにいる?」
「俺たちと共にいる」
ウィリアムははっきりと答えた
「何!本当か!」
「本当だとも。もっとも居候の身分ではあるがな」
「合わせてくれと言ったら合わせてくれるか?」
「私は、相対と望むもの同士を合わせてやる仲介人ではない。ただの人殺しに何を頼んでいる。会いたければ勝手にあえばよろしい。何。いずれ会うことになる」
ウィリアムは言い終わると今度こそ姿を消した。
「……」
リクはそのままないも言わずにその場を後にした。




