ウァリエタース
「ウァリエタースへ向かいます」
レイラは、リク達に告げる。リクは、いまいち趣旨を理解していないが、それ以外のメンバーは全員理解しているようだ。
「ウァリエタースには、デストヒュヌスを封印している護石の一つがあります。その護石がなければ、そもそもデスト
ヒュヌスにたどり着けないのです」
クレアは、リクに教えてくれる。どうやらいまいちピンときていない様子を察した様だ。
「前に聞きましたね。それ。あの時は、他のものに気を取られて聞きそびれたことがあります」
「何ですか?」
「なぜその護石を集める?そもそも封印されているならば、わざわざ解き放つ様な真似をする必要がないはずだ」
「確かに。本来ならばそれで良いはずです。デストヒュヌスを封印した時、その封印されている護石を分割した時、もともとそのはずだったのです。ですが―――」
「そういうわけにもいかなくなったのです」
クレアの代わりにレイラが説明する。
「リク。あなた以前言ったはず。私たちの世界の国々は足並みが揃っていないと。まさにそのとおりなのです。そしてその足並みが揃っていないというのが、リクの疑問の答え。もはや、彼らに任せることはできない。彼らに任せたとて、いずれ、封印など解かれてしまいます」
「このままうだうだと足並みを揃わず、その結果封印が解かれて、最悪な結果になるならいっそ俺たちかたをつけたほうが良いということか」
「そういうことです。そして、ウァリエタースは、ここから非常に近い上、協力的な国です。手始めに向かうには最適なのです」
「ウァリエタースは、デストヒュヌスを倒さなければならないという意識が強い。そしてレイラ様のこともよく知っている。国民もすぐに納得してくれるわ」
レイラの説明に、エレノアが補足する。エレノアの話に、レイラは無言で頷いていたことから彼女のいうことは正しいのだろう。だが、その補足に、リクは更なる興味をもった。
「ウァリエタースという国は、民主的それもかなり経済的に成長した国ということか?」
「?ええそうよ。よくわかったわね」
エレノアが関心した様子を見せる。
「国民が納得することを気にかけているのだから、そりゃぁ民主主義だろ?独裁国家ならそんなことをきにすることないからな。そして経済的に成熟してなければ、それよりも先に経済を気にするはずだ。何とく今は、脅威とはいえデストヒュヌスに対する危機感がなさそうだ。ならば、その国は、護石を持っていることを理由に俺たちに経済援助をしろなどというに決まっている。言うなれば、護石は、非常に強いカード。余裕のない国がそれをそう簡単に渡すか」
(こいつ……。なるほど。ただ潜在的な力があるだけの人間ではないわね。しっかりと頭も使える。クレアのいう通り、頼れるという評価はあながち間違ってはないない。でも……それが逆に怖い。普通この場でこの様な態度が取れるものなの?こいつのことは、頼りになるかもしれない。だけど皆が言う『救世主』とは、かけ離れている。私はそんな印象を受ける)
決して口にはしない。だが、エレノアは心の中で、リクの評価を改めた。
「とりあえず理解しました。それでいつ出発するのです」
「もちろん今から。動くのは早いに越したことはありません。それにこの屋敷を治す必要もありますからね。カーティスここの管理をお願い」
「かしこまりました」
カーティスは、深くお辞儀し、その場を離れていく。
「クレアとエレノアは、私と共に、ウァリエタースへ」
「「かしこまりました」」
「それでは向かいましょう」
新しい章も始まり、物語も動き始めます。
この章も前と同じぐらいの長さになります。
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