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<第一章 Slothの種> 第2章 不穏な学園生活 5話

ダンジョンは恐れています。なのであの手この手を使って頑張ります。


 皆がダンジョンの一Fに着いたことを確認したトリーナが説明を始める。


 「今回の実技はこのフロアだけで行う。安心してね、内容はもちろん簡単だよ。モンスターを数体倒してもらうだけだから。倒した証拠として耳とか持ってきてもらうから忘れないように!」


 「先生!質問なんですけど…モンスターの取り合いになりませんか?」


 一人の生徒が質問を投げかけトリーナが答える。


 「それは起こらないと思うよ。ダンジョンは物凄ーく広いしモンスターはたくさん出てくるからね。他に質問のある生徒はいるうかい?」


 「質問です!どのモンスターを倒せばいいんですか?」


 また一人が手を上げ質問する。


 「今日はノウム・ゴブリンとラピス・ウルフを一刻以内に倒してもらう。ノウム・ゴブリンは五つ、ラピス・ウルフは三つの片耳をもってきてもらうよ。ナイフは全員分あるからそれを使ってね。それじゃ開始!」


 トリーナの合図を聞いた生徒達は班の仲間と相談したり、勢いよく討伐しに複数ある道へ向かっていた。ウーゴ達は話し合いから始める。


 「ノウム・ゴブリンとラピス・ウルフか…ゴブリンなら倒したことがあるがウルフはない。エドとラーネアはどうだ?」


 「俺はどっちとも倒したことあるぜ!」


 「私はエド君と真逆で両方とも未経験です。」


 「分かった。エド、ラピス・ウルフの情報を教えてくれないか?」


 「いいぜ!やつは火魔法に弱い、後はそうだな…群れで行動するな。ノウム・ゴブリンより知能は低いけど体は石みたいに硬い!」


 「石みたいに硬いのでしたら火魔法は効かないと思うのですが?」


 「俺も理由は分かってねぇんだけど効くんだよ。火をぶつけてやると柔らかくなって短剣なんかでも切れるんだ。」


 「このメンバーで火魔法を使えるのはエドだけだけか…頼んだからな?」


 「任せてくれ!」


 ウーゴ達は簡単な作戦会議をし、行動に出た。前にエドワード後ろにウーゴとラーネアという布陣でゆっくりと歩を進める。最初にいた大きい広間からいくつもの分かれ道があり、そのうちの一つを少し進むと小さな広間を見つける。エドワードが慎重に確認をし二人に報告し相談する。


 「先の広間にゴブリンが二体いる。手ぶらだし行くか?」


 「私はエド君に賛成です。」


 「俺も賛成だ。ここで詠唱して、仕留めきれなかったら短剣で行こう。」


 「分かった。でも短剣(そいつ)の出番なんてあたえないぜ?我求めん・小さき祈りに・熱の喝采を<ウラ・イグニス>!」


 にやりとウーゴに笑いかけながら右手を一体のゴブリンへ向け、火魔法を発動する。拳ほどの大きさを持った火の弾がモンスターの顔に直撃し、モンスターは悲鳴を上げながら倒れた。仲間がやられたことに気が付き、怒った残りのゴブリンが咆哮する。そして班の前にいるエドワードを殺そうと迫ってきたが、エドワードの詠唱のほうが早く終わる。


 「我求めん・小さき祈りに・熱の喝采を<ウラ・イグニス>!っと後は耳を切り取るだけだな!」


 「凄いな…とても最下級魔法とは思えんくらいの威力じゃあないか。」


 「エド君がいれば私たちの出番はなさそうですね。」


 ウーゴは魔法の威力に呆然とし、ラーネアはキラキラとした目をエドワードに向けた。エドワードは歯を見せながら笑い二人に声をかける。


 「腕には自信があるからな!それよりも耳だろ?」


 「あぁ忘れるところだった。奥のは俺がやるからラーネアは近くのを頼めるか?エドは休んでくれ。班の要だからな」


 「えぇ分かりました!」


 「気ぃ使う必要ないんだけどなぁ…ま、お言葉に甘えて休ませてもらうか。」


 ウーゴとラーネアは支給された短剣で焦げたゴブリンの耳を切り落としに行き、エドワードは広間の壁に背中を預けた。耳を切り落とし終えたウーゴがエドワードに相談を持ち掛ける。


 「二つの道、どっちに行く?」


 「左じゃないか?」


 「偉く即決じゃあないか。理由は?」


 「迷ったときは左って有名な誰かが言ってたからな!」


 「おい…まあ俺は構わないがラーネアはどっちがいい?」


 「私は…右ですね。左は嫌な感じがします。」


 左と言ったエドワードと右と言ったラーネア。どちらにするか困ったウーゴは一つの提案をする。


 「真逆か、困ったな…じゃんけんで決めないか?」


 「俺はそれで構わないがウーゴはどっちに行きたいんだ?」


 「そうですよ!」


 「俺はどちらでも構わないと思ってる。」


 ウーゴの案を採用した二人はじゃんけんをし、結果左へ進むことになった。


 「エドの勝ちか。なら左だな。」


 「あぁ!モンスターは任せてくれ!」


 三人は左の道へ進み、また小さな広間を見つけたがエドワードのまったがかかる。


 「ここにいるモンスター…既に倒されてるぞ。見てみろ。」


 「本当だ。ん?耳、あるじゃあないか。取り忘れか?」


 「確かに…でも倒されてから時間がたっているように思います。不思議ですね。」


 「時間?あぁゴブリンに蠅が集っているからか…どうするエド。こいつらの耳、取っていくか?」


 「それはしたくねぇな。次の道ーッお前ら!後ろ!?」


 既に倒されていた謎のゴブリンを無視して先に行こうとしたエドワードが振り向いた時に異変が起きる。集っていた蠅たちが急に逃げ出し死体が立ち上がる。

 立ち上がったゴブリンの死体は片目が腐り落ちており、口から腐乱臭をまき散らしている。体長はウーゴ達より一回り大きく、紫色の長い爪が振り下ろされた。


 「ッ!助かったエド!」


 エドワードの叫び声で攻撃を回避できたウーゴとラーネア。二人の顔には驚愕と恐れが現れていた。


 「感謝は後でくれ!我求めん・小さき祈りに・熱の喝采を<ウラ・イグニス>!!」


 エドワードは即座に火魔法を唱えるがゴブリンの死体は叫び声一つ上げなかった。


 「おいおい嘘だろ!?俺の火魔法が効いてないのか!?なんなんだあいつは!?」


 「とにかくここから逃げるぞ!はやくっー道がない!?」


 「私たちが来た道も見当たりません!」


 ーア゛ァア゛ァア゛ァ


 ウーゴ達は小さな広間に閉じ込められてしまう。そしてゴブリンの死体改めモリベント・ゴブリンとの戦いが強制的に始まった。

 

産みの親が怖がってます。なので僕が頑張ります。あの3人を殺したら褒めてくれるかな。

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