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<第一章 Slothの種> 第2章 不穏な学園生活 4話

120名で3人1組。40の班が出来上がりました。


 生徒達の魔法をすべて見終えたトリーナはホクホク顔で声を上げる。


 「さて!ダンジョンに入るための班を作ってもらおうかな!今日はオリエンテーションみたいなものだから難しく考えなくて大丈夫だからね!私は準備があるから先に行ってるけど、今から半刻経ったら講堂前に集まってね!」


 トリーナが訓練場から急いで出るのと同時に生徒達は半作りを開始した。ウーゴは先程エドと一緒の班になると約束をした為エドを探し、彼のもとへ歩いて行った。


 「エド。三人目はどうする?俺は誰でも構わないと思っているんだが希望はあるか?」


 「ブリジット嬢だな!先生はオリエンテーションだと言っていたが何が起きるかわからないだろ?彼女なら俺たちと魔法が被らない!」


 「彼女は複数持ちだろ?他の生徒も声をかけるに決まっている。態々俺たちの班に加わってくれるかわからないじゃあないか。」


 ウーゴの最もな意見に確かにと思わず頷いたエドワードだが頭を振って言い返そうとしたその時、ブリジットから声がかかる。


 「あの…初めまして。ラーネア=ブリジットです。ディリジェント君で合ってますよね?」


 「えぇそうですが何か御用で?」


 「ディリジェント君にルナという妹さんが居ませんでしたか?」


 まさか彼女の口から妹の名前が出てくるとは思ってもいなかったウーゴは少し取り乱してしまう。そして、悲し気な顔をしていたブリジットを見て妹の死を知っているのだろうと考えるが、ウーゴは一度確認をする。


 「ッ!居ましたが何故それを?」


 「彼女とは友達だったんです。とても良くしてくれました…」


 ウーゴは妹と友達であったことを明かしたブリジットに感謝を伝える。と同時になぜこのタイミングで聞いてきたのか尋ねる。


 「そうだったんですね。妹と仲良くしてくれてありがとうございます。それでブリジット嬢にお聞きしたいことが。」


 「ラーネアで構いませんよ。ティグリス君とお話しているみたいに敬語もいりません。」


 二人の会話に置いてけぼりなエドワードは首を傾げ困惑している。


 「分かった、なら俺の事はウーゴでいいし敬語もいらない。それよりも、どうして今声をかけたんだ?」


 「敬語は癖なのでお気になさらず。あぁ理由でしたね。一つは単純です。ウーゴ君を見つかられなかったからですよ。」


 「一つは?」


 「えぇ。もう一つ理由があります。私を班に入れてくれませんか?」


 まさかの提案にウーゴとエドワードは驚愕する。ウーゴが更に問を掛けようとしたところにエドワードが割って入ってきた。


 「それは願ってもないことですよ!ついでに俺もブリジット嬢をラーネアと呼んでもいいですか?」


 「えぇ!勿論!ウーゴ君と同じくエド、とお呼びしても?あっ敬語はもちろんいりませんよ!」


 「本当か!?いやー助かるよ!なにぶんかたっくるしいのは苦手なんだ!それにしても班に入りたいってのは本当か?」


 美しい女の子とお近づきになれたのが嬉しいのか、エドワードはだらしない顔を見せていた。そのことをウーゴが教えてやろうかと少しの意地悪がむくむくと出てくる。そんなウーゴに気が付かないエドワードが話を続け、それにブリジット、いやラーネアが微笑みを浮かべながら答える。


 「本当ですよ。ウーゴ君とお話をしてみたかったですし、なによりエド君が三人目について『ブリジット嬢だな!』とおっしゃっていたのが聞こえましたので。」


 「おいおいそれは俺の真似か!?恥ずかしいからやめてくれ!」


 ウーゴはラーネアの加入はほぼ決定なのだろう、と考える。最初に誰でもよいと答えた自分を恨みつつ二人の会話に入る。


 「エドの声がでかいからだろう?それより班が出来たんだ。早速トリーナ先生が言ってた講堂前にいかないか?」


 「おぉ!そうだったな!ダンジョン…楽しみだぜ!」


 「そうですね。早いに越したことはありませんから。」


 こうして出来上がった三人一組。彼らは講堂前へ向かって歩き出した。




 ウーゴ達が講堂前に着いた時には既にトリーナが準備を終えていた。そして全ての班が集まるとポケットから鈍色の鍵を取り出した。


 「さてお待ちかねダンジョンの時間だよ!ダンジョンに入るにはこの特別な鍵を階段の横にある穴に差し込む必要があること、忘れないようにね」


 鍵を生徒達に見せ、直ぐに階段の側面にある鍵穴に差し込む。そうすると階段前の床が音を立てながら動き、下へ降りる新しい階段が見えてきた。


 「さぁ!これが学園名物のダンジョンだよ!私の後を離れずについてくるように!」


 トリーナはとても元気な声をあげ下へ降りていき、生徒達は恐る恐るトリーナの後をついていった。

 階段は綺麗な黒曜石で、側面は薄い桃色の美しい大理石で出来ており不気味さを全く感じさせない。


 「やっぱ階段にあったな!」


 「エドが偉そうに言うことじゃあないだろ…」


 躾が施されている筈のダンジョンが拒絶反応を起こす。歪な存在を排除しようと考えを巡らせる。



ーATTENTION PLEASE!外から持ち込まれた種子は不運な目に合わされます!!ー



誰にも聞こえない音が鳴る。人にもソレにも認識されない。

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