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<第一章 Slothの種> 第1部 家族の団欒17話

体には無数の痣。栗の花を漂わせる。


「何が⋯起きた⋯?」


自分の目が捉えた情報を処理出来ないでいるウーゴ。妹の体に纏わり着いている赤い液体。急いでルナの元へ駆け寄り声をかけるが当然返事は無い。


「おい、おい!ルナ!どうしたんだ!?!?」


パニックに陥ってしまったウーゴはルナの肩を揺さぶろうと触れ、あまりの冷たさに手を離し理解した。もう助からない事を。


「なんで⋯自殺?いやしかしルナがそんな真似を⋯」


体中に切り傷があり一番深い首からは肉が少しだけ抉れて見えていた。右手に凶器であろうハサミを持っていたことから自殺したと考える。その右手に視線をやった時に見つけた、手首に付いていた手の跡。


(まさか⋯強姦か!?⋯いやそんな事はどうでもいい!とにかくこの事を父上に知らせなくては!)


他殺か自殺かの判断を今する必要は無いと頭を切り替え、ルナが死んだという事実を父親にするべきだと決断する。

急いで部屋を出る前に妹が全裸である事に気が付き、シーツを被せた。

大急ぎで父親がいる書斎へ向かいドアを荒々しく叩く。返事を待たず力いっぱいでドアを開くウーゴ。


-ドンッドンッドンッ


「父上!失礼します!」


「どうしたんだ?顔色が悪いな、風邪でm」


「ルナが!ルナが死んで⋯います⋯」


「?何を言っている?そのような冗談は付くものでは無い」


血相を青白くさせた息子の顔を見て「風邪がぶり返したのか」と聞こうとするアールバーロの言葉を遮り、苦しそうに言葉を吐くウーゴ。そしてその言葉を信じない父親に苛立ちを覚える。


「冗談なんかではありません!とにかくルナの部屋に来てください!」


「わかったわかった!あまり大声を出さないでくれ!」


机から体を乗り出し訴えかけるウーゴに根負けし、娘の部屋へ行く事を決めたアールバーロ。ゆっくりとした動きに対して更なる苛立ちが募る。


「早くしてください!お願いです父上!」


-ルナ!?!?


父親の腕を引っ張ろうとした瞬間、母親の驚いた声が響いてきた。アールバーロはその声でウーゴの発言を信じ走り出した。ウーゴもその背中を追うように走る。

ルナの部屋に付いたアールバーロが問う。


「ニーナ!ルナに何が起きた!?」


「貴方!?ルナが!あの娘が血塗れで息をしてなくてそれで!!」


妻が錯乱状態に陥っている事だけ理解したアールバーロは自分の目で確かめる事にした。そうしてやっと妻と息子の発言を理解し、呆然としてしまう。


「本当に何が起こってるんだ⋯なぁルナよ、冗談だと言ってくれ⋯」


フラフラとした足取りでルナの死体へ向かうアールバーロに縋るように見るニーナと彼女の声で弟達がやってこないことを祈るウーゴであった。



本来は楽しい一日で終わるはずだった。夕食は開かれることは無く、ルナに起きた出来事を調べる夜が始まる。

プレゼントはプレゼント。

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