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静かな人と真実味のある人

さて、ここから海斗が出てきます。

さあもう佳境!ラストまで頑張ります!

それからというもの、どこにいても何をしていても、とんがり帽子を探すようになった。


何度かそのような姿をした者がいて、翼都かと思ったがすべて人違いだった。


 寝ようと思っていると、世界が裂けた。

 サイレントゾーンだ!

 そう思うと私はにんまり怪しい笑みを漏らした。

 これで、翼都の、彼の敵を倒せる。

 私がギャンギ人に襲いかかろうとすると、ネックレスが淡い光を放った。


 「……!?」


 そこから光を帯びた棒が出てきた。それは透明感のある一本の杖だった。

 私の元に降りて来た杖を私は掴んだ。


 ―これで……ギャンギ人を。


 そう思い振り上げた杖をギャンギ人に当てようとした。

 その時、耳に翼都の声が響いてきた。


 「杖を天へ振り上げ、生まれた光で敵を打つんだ」


 翼都……確かに彼の声が、聞こえた。私は叫んだ。


 「翼都!やっと貴方の声が聞こえた!」


 嬉しいと言う気持ちを彼に伝えたい。そう思い、心の底から彼の声を抱きしめた。


 「もう離れないで……私から……離れないで」


 そうすがりたいような思いが溢れた。


 「美々……ごめんね……でも、忘れないで。僕はここにいる……ずっと君

と一緒だ」

 「翼都」


 敵が来た。


―さあ杖を振りかざすんだ。


 翼都の声が聞こえた。

 その声に答え、私は杖を振りかざす。光を帯びた杖を振り下ろすと、その光でギャンギ人が消滅した。


 ―その光で空間を打て。


 その通りに、私は空間へ光を投げかける。すると、白い世界が激しく弾けた。

 気が付くと、自分の部屋の中に倒れていた。


 「翼都?」


暗がりの部屋で、私は翼都を探した。


しかし、さっきまで聞こえていた彼の声はまったく聞こえなくなっていた。

探したが彼はいなかった。

そうか、彼はもういないんだ。

そして彼の声を思い出した。


彼はあのサイレントゾーンにいる。そこで彼と対話が出来る。

手に残った杖を握りしめ、私はもう一度涙した。そしてまた再び彼に逢いたいと思った。


それから、この世界が割れる瞬間を待ち望む自分に気が付いた。それは日々強く思うようになった。

学校からの帰り、家の前で、

と、とんがり帽子だ!

私は慌ててその者を掴みに行った。

ガッ!

とんがり帽の者の服を掴んだ。そして、


「待って!」と叫んだ。


すると、その者がこっちを向いた。


「……」


違う、翼都じゃない!

顔も雰囲気も違った。がっかりはしたが、その者に聞きたいことがあった。


「貴方、翼都?……男?女?……地球人なの?タイム星からきたの?えーっと」


凄い勢いで喋る私にその者はびっくりして、

ちょっと引いていたが、


 「い、一度にいっぱい言うなよ」


 そう言った者が一つずつ答えていった。


 「俺は、翼都じゃねーよ。海斗だ」

 「かいと?翼都じゃないの?」

 「……俺は男で、タイム星から来たんだ。これでいいか?」

 「……うん」

 「……俺も、居候して……いいか?」

 「ええ、いいわ」


 それから、海斗は自分の身の上話しをしてくれた。地球語を勉強した。とか、翼都の下でよく働いていた、とか。

 私は疑問に思ったからこう言った。


 「貴方たちはなにをしに地球へやってきているの?」


 少し考えて海斗は答えた。


 「俺たちの星、タイム星はギャンギ人が滅ぼしたんだ。そして次は、この……」


 そこまで聞いて私には次の言葉が予想できた。だから、


 「地球の番?」


 すると、海斗がしっかりと大きく頷いた。


 「俺たちは、お前らの星地球を助けたい。……そして、俺たちも救われたい」

 「救うって……貴方たちの星はどうしたら助かるの?」

 「お前の様な戦士を探していた」

 「私!?せ、戦士なんかじゃ……」

 「お前はれっきとした戦士だ。いつも戦っているじゃないか。ギャンギ人

は君の様な者が一番脅威なんだ」


 「何故?」

 「君の放つオーラはギャンギ人の苦手とするものなんだ……」

 「私のオーラ?」

 「そう。愛のオーラだ」

 「私……そんな事、分からない」


 すると、海斗は美々の肩を掴んだ。


 「お前ならできる!……俺が助けるから」

 「海斗……貴方たちってみんな不思議な人たちね。翼都は不思議な所があって、物静かだった。貴方は粗野なのに、何処か真実味があるのね」


 そう言われて、海斗は顔を赤らめた。


 「そ、そうか?」

 「ええ、二人共通しているのは、どちらもまっすぐな所かしら」


 そういうと私はニカッと笑った

 私は海斗と一緒に自宅へ入った。案の定、彼も居候として簡単に受け入れられた。


 「俺らには超能力で、居候になりたいって頼んだ、と思わせることが出来るんだ」


 と、海斗は得意げに言っていた。


 「へええー」


 なんだか、翼都と違って良く喋るから事情が分かるわ。私も聞きたいことがいっぱいあったんだ、と今更ながら思った。


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