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第7話 新しい景色

挿絵(By みてみん)


第二回「NEXT RISE FESTIVAL」まで、あと三週間。


ユウキの会社では、イベント準備が佳境を迎えていた。


出演者リストの最終確認。


会場レイアウトの調整。


スポンサーとの打ち合わせ。


毎日が慌ただしく過ぎていく。


そんな中でも、Luminous Fiveの五人は定期的にリハーサルを重ねていた。



「ユウキさん!」


リハーサルを見学に訪れたユウキを見つけると、アヤネが元気よく手を振った。


「今日は新曲を聴いてもらいたいんです!」


「楽しみにしてるよ。」


メンバーはそれぞれの持ち場につく。


ミユキがスティックを軽く打ち鳴らし、アグリがキーボードに指を添える。


マアヤのギターがイントロを奏でると、イノリのベースがその音を支え、最後にアヤネの歌声が重なった。


以前よりも演奏にまとまりがある。


五人がお互いの音を信じていることが、客席からでも伝わってきた。


演奏が終わると、ユウキは自然と拍手を送った。


「すごく良かった。」


「本当ですか?」


アヤネが目を輝かせる。


「前よりも、それぞれの個性が曲の中で生きている感じがしたよ。」


「やった!」


ミユキがガッツポーズを作る。


イノリも小さく笑みを浮かべた。


「そう言っていただけると、自信になります。」



リハーサル後。


近くのカフェで休憩を取ることになった。


今日は五人全員が一緒だ。


「社長って、本当に忙しいですよね。」


マアヤがコーヒーを飲みながら言う。


「忙しいけど、こうして皆さんの演奏を聴く時間は楽しみなんだ。」


「音楽、好きになりました?」


アグリが静かに尋ねる。


「うん。前よりずっと。」


ユウキは素直に答えた。


「みんなと出会ってから、ライブへ行く回数も増えたよ。」


「それは嬉しいですね。」


イノリが穏やかに微笑む。


「私たちも、イベントがきっかけで新しいファンが増えたんです。」


「SNSのフォロワーも少し伸びました!」


アヤネがスマートフォンの画面を見せる。


数字は決して爆発的ではない。


それでも、五人にとっては確かな前進だった。



帰り際。


駅へ向かう途中で、イノリがユウキの隣を歩く。


「最近、毎日が楽しいんです。」


「それは良かった。」


「前は先が見えなくて、不安になることも多かったんですけど……。」


イノリは夜空を見上げた。


「今は、次のライブが楽しみだって思えるようになりました。」


「その気持ちを忘れなければ、きっともっと成長できる。」


「はい。」


少し歩いたところで、イノリが立ち止まる。


「ユウキさん。」


「ん?」


「今度のお休み、もしご都合が合えば、水族館へ行きませんか?」


思い切って誘ったような表情だった。


「ライブや仕事じゃなくて、普通にお出かけしてみたくて。」


ユウキは少し驚きながらも笑顔になる。


「ぜひ。一緒に行こう。」


「ありがとうございます。」


イノリはほっとしたように笑った。


仕事を通じて生まれた信頼は、少しずつプライベートでの交流へと広がっていく。


次の休日。


二人にとって初めての、仕事を離れた一日が始まろうとしていた。

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