第5期 第11話 帰る場所
海外フェスティバルを終え、一行は日本へ帰国した。
到着ロビーを抜けると、見慣れた景色が広がる。
「帰ってきたね。」
ミユキが大きく伸びをする。
「なんだか安心する。」
マアヤも笑顔を見せた。
「海外も楽しかったけど、日本に帰ってくると落ち着く。」
アグリは小さく頷く。
「どちらも大切な場所になった気がする。」
イノリは静かに空港の窓から空を見上げた。
「また一つ、大切な思い出が増えました。」
◇
数日後。
ユウキの会社では、海外フェスティバルの報告会が行われていた。
スクリーンには現地で撮影された写真や映像が映し出される。
「現地での反響も大きかったです。」
スタッフが資料をめくる。
「交流した運営団体から、来年以降も協力したいという連絡をいただいています。」
会議室に笑顔が広がる。
ユウキは静かに頷いた。
「嬉しい話だね。」
「でも、一番大切なのは、これからも挑戦する人たちを支え続けること。」
スタッフ全員が真剣な表情で頷いた。
◇
午後。
Luminous Fiveはスタジオで海外ライブの映像を見返していた。
「この場面、すごく盛り上がってたね。」
アヤネが画面を指差す。
「みんな手拍子してくれてる。」
ミユキも嬉しそうに笑う。
「最初は緊張してたのに、一曲目が始まったら夢中だった。」
マアヤが懐かしそうに言う。
「音楽を楽しむ気持ちは、どこでも同じなんだね。」
イノリは静かに映像を見つめた。
「次に行くときは、もっと成長した姿を見せたい。」
その言葉に四人も力強く頷いた。
◇
夕方。
ユウキがスタジオを訪れる。
「お疲れさま。」
「ユウキさん!」
五人が笑顔で迎える。
ユウキはテーブルへ一冊のアルバムを置いた。
「海外フェスの写真をまとめてもらったんだ。」
ページを開く。
ステージで演奏する五人。
現地アーティストとの集合写真。
笑顔で交流するスタッフ。
一枚一枚が、忘れられない時間を映していた。
「宝物ですね。」
アグリが優しくページをめくる。
「うん。」
イノリも静かに微笑んだ。
「この写真を見るたびに、また頑張ろうって思えます。」
◇
夜。
ユウキとイノリは、初めて出会ったライブハウスの前へ立っていた。
営業前の静かな入口。
何も変わらない景色がそこにある。
「あの日も、この前を歩いていましたね。」
イノリが懐かしそうに言う。
「そうだったね。」
ユウキも笑う。
「まさか、こんな未来になるとは思っていなかった。」
しばらく二人は入口を見つめる。
「でも。」
イノリが穏やかに続けた。
「どんなに遠くまで行っても、ここが私たちの始まりです。」
ユウキは静かに頷く。
「帰る場所があるから、人は安心して前へ進める。」
夜のライブハウスには、柔らかな灯りがともり始めていた。
小さなステージから始まった夢。
その夢は世界へ届いた。
それでも原点は、いつまでも変わらない。
ユウキとLuminous Fiveは、その場所への感謝を胸に、物語の最後のステージへ向かって歩き始めるのだった。




