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第5期 第10話 世界へ響く音

挿絵(By みてみん)


海外フェスティバル当日。


朝早くから会場にはスタッフが集まり、慌ただしく準備を進めていた。


巨大なステージ。


色鮮やかな照明。


世界各地から集まったアーティストたち。


これまで経験したどの会場とも違う空気が流れていた。


「いよいよだね。」


アヤネがゆっくりと深呼吸をする。


「うん。」


マアヤがギターケースを握り直した。


「楽しもう。」


アグリは鍵盤に軽く触れる。


ミユキは笑顔でスティックを回した。


イノリは四人を見渡し、静かに頷く。


「私たちらしく。」



午前中。


リハーサルが始まる。


「Sound check.」


現地スタッフの案内に従い、五人はステージへ上がる。


広い客席にはまだ誰もいない。


それでも、その広さだけで胸が高鳴った。


アヤネがマイクへ向かう。


「よろしくお願いします。」


一曲だけ音を合わせる。


巨大なスピーカーから響く音。


これまで積み重ねてきた経験が、自然と五人を支えていた。


リハーサルを終えると、現地スタッフが笑顔で親指を立てる。


「Great!」


五人も笑顔で頭を下げた。



午後。


いよいよ本番。


ステージ袖では、出演者たちが互いに健闘を祈り合っていた。


「Good luck!」


海外アーティストの言葉に、アヤネも笑顔で返す。


「Thank you!」


ユウキは舞台袖からその様子を見守る。


言葉は違っても、音楽を愛する気持ちは同じ。


そのことが自然と伝わってきた。



「Next artist... Luminous Five!」


紹介のアナウンスが流れる。


五人は光の中へ歩き出した。


大きな歓声。


客席にはさまざまな国の人々が集まっている。


アヤネはマイクを握り、笑顔で挨拶した。


「Hello!」


その一言だけで、客席から拍手が起こる。


一曲目。


イントロが流れた瞬間、五人の表情から緊張が消えた。


ここは海外。


けれど、ステージの上ではいつもと同じだった。


マアヤのギターが響く。


イノリのベースが支える。


アグリのキーボードが彩りを添える。


ミユキのドラムが力強くリズムを刻む。


アヤネの歌声がホールいっぱいに広がった。



二曲目。


客席では自然と手拍子が始まる。


言葉は通じなくても、リズムは一つになっていた。


イノリは客席を見渡す。


笑顔。


拍手。


音楽に合わせて体を揺らす人たち。


「伝わってる。」


その瞬間、自然と笑みがこぼれた。



最後の曲。


サビでは客席も一緒に手を振る。


ホール全体が一つになっていた。


演奏が終わると、大きな拍手と歓声が響く。


「Thank you!」


アヤネが笑顔で手を振る。


五人は深く頭を下げた。



舞台袖へ戻ると、海外アーティストたちが拍手で迎えてくれた。


「Wonderful!」


「Amazing!」


言葉は違っても、その笑顔だけで十分だった。


ユウキも静かに近づく。


「お疲れさま。」


「ユウキさん。」


イノリは嬉しそうに笑う。


「音楽って、本当に国境がないんですね。」


ユウキは穏やかに頷いた。


「今日のみんなが、そのことを証明してくれた。」



ホテルへ戻る途中。


夜景を眺めながら、五人は今日の出来事を語り合う。


「海外のお客さんも一緒に手拍子してくれたね。」


「すごく嬉しかった。」


「また来たい。」


笑顔が絶えない。


イノリは窓の外を見つめながら、小さくつぶやく。


「ライブハウスから始まった夢が、世界まで届いた。」


その言葉に、誰もが静かに頷いた。


世界へ響いた五人の音。


その音は、新しい未来への扉を、確かに開いたのだった。


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