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第5期 第9話 海を越えて

挿絵(By みてみん)


海外フェスティバルまで、あと一週間。


Luminous Fiveのスタジオには、いつも以上に引き締まった空気が流れていた。


「本番と同じ流れで通そう。」


アヤネがマイクを握る。


「海外だからって特別なことをするんじゃなくて、私たちらしいライブを届けよう。」


「うん!」


四人が力強く頷く。


マアヤがギターを構え、アグリが鍵盤へ指を置く。


イノリはベースを抱え、小さく深呼吸をした。


「始めよう。」


演奏が始まる。


何度も磨き上げた楽曲。


全国ツアーで育てた曲。


そして、新しく完成した一曲。


スタジオいっぱいに、五人の音が響いた。



一方、ユウキは会社で最終確認を進めていた。


「パスポート、機材、現地スタッフとの連絡。」


スタッフがチェックリストを読み上げる。


「すべて問題ありません。」


ユウキは静かに頷いた。


「ありがとう。」


「日本で積み重ねてきたものを、そのまま届けよう。」


スタッフたちも笑顔で返事をする。


「はい!」



出発当日。


空港にはLuminous Fiveの五人とユウキ、そして運営スタッフが集まっていた。


「飛行機に乗るの、久しぶり。」


ミユキが窓の外を見ながら笑う。


「私は初めて海外に行く。」


アグリが少し緊張した表情を浮かべる。


「楽しみだけど、ドキドキする。」


イノリも小さく笑った。


「私も。」


ユウキは搭乗ゲートを見つめながら言う。


「緊張するのは、それだけ大切な舞台だからだね。」



数時間後。


飛行機は目的地へ到着した。


空港へ降り立つと、日本とは少し違う街並みが広がっている。


高層ビル。


見慣れない看板。


行き交う人々のさまざまな言葉。


「本当に海外なんだ。」


マアヤが周囲を見渡す。


「なんだか新鮮。」


アヤネも笑顔になる。



ホテルへ向かう車の中。


窓の外を眺めながら、イノリが静かにつぶやく。


「音楽って、国が違っても届くのかな。」


ユウキは穏やかに答えた。


「言葉は違っても、心を動かす力は同じだと思う。」


「だから、いつもどおり演奏すればいい。」


イノリは安心したように頷いた。


「はい。」



夕方。


会場へ向かい、ステージの下見を行う。


広いホール。


巨大な照明設備。


世界各地から集まった出演者たちが、それぞれリハーサルを進めていた。


「すごい……。」


ミユキが思わず声を漏らす。


「ここで演奏するんだ。」


アヤネはステージ中央へ歩き、静かに客席を見渡した。


「景色は違う。」


「でも。」


イノリがその隣へ立つ。


「ステージへ立つ気持ちは、日本と変わらないね。」


五人は顔を見合わせ、自然と笑顔になる。



ホテルへ戻る途中。


街には夜景が広がっていた。


ユウキとイノリは少しだけ歩きながら、その景色を眺める。


「ライブハウスから始まった私たちが、海を越えてここまで来ました。」


イノリは感慨深そうに言う。


「いろいろな人との出会いがあったからこそだね。」


ユウキも静かに頷いた。


「そして、この出会いがまた次の未来につながっていく。」


夜風がゆっくりと吹き抜ける。


明日はリハーサル。


その先には、世界中の音楽ファンが待つステージがある。


Luminous Fiveは胸いっぱいの期待を抱きながら、新たな一日を迎える準備をするのだった。


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