第5期 第7話 それぞれの未来
記念ライブから二週間。
熱気が残る中、Luminous Fiveの五人は久しぶりに都内のスタジオへ集まっていた。
大きなイベントが終わり、少しだけ静かな時間が流れている。
「なんだか久しぶりだね。」
ミユキがドラムセットへ座る。
「毎日リハーサルだったから。」
マアヤが笑う。
「少し休めたおかげで、気分もリフレッシュできた。」
アグリはキーボードの電源を入れる。
「でも、もう演奏したくなってる。」
イノリはベースを肩へ掛け、小さく微笑んだ。
「私も。」
アヤネがマイクを持つ。
「じゃあ、今日もいつもどおり始めよう。」
◇
演奏が始まる。
記念ライブを終えたことで、どこか肩の力が抜けていた。
自然体の音。
五人がお互いを信頼していることが伝わる演奏だった。
一曲が終わると、全員が笑顔になる。
「やっぱり、この時間が好き。」
ミユキが嬉しそうに言う。
「ライブも楽しいけど、みんなで音を合わせる時間も大好き。」
イノリは静かに頷いた。
「ここが私たちの原点だね。」
◇
その頃。
ユウキの会社には一本の電話が入っていた。
「海外音楽フェス実行委員会です。」
スタッフが驚いた表情で会議室へ入ってくる。
「社長。」
「海外?」
ユウキは受話器を受け取る。
電話の内容は、アジア圏で開催される音楽イベントへの協力依頼だった。
「日本で行っている若手支援プロジェクトに興味があります。」
担当者が話す。
「ぜひ一度、お話をさせていただけませんか。」
電話を終えたユウキは、静かに窓の外を見つめた。
「世界か……。」
新しい可能性が、また目の前に現れようとしていた。
◇
夕方。
ユウキはスタジオを訪れた。
「みんな、お疲れさま。」
「ユウキさん!」
五人が笑顔で迎える。
「ちょうど休憩してたところです。」
ユウキはソファへ座る。
「実は、みんなに話がある。」
五人の表情が少し引き締まる。
「海外の音楽イベントから相談をいただいた。」
「海外?」
アヤネが目を丸くする。
「まだ決まった話じゃない。」
ユウキは笑う。
「でも、日本でやってきたことを海外でも紹介できないか、という相談なんだ。」
「すごい……。」
マアヤが小さくつぶやく。
「そんな日が来るなんて。」
イノリは静かにユウキを見つめた。
「夢って、本当に広がっていくんですね。」
「そうだね。」
ユウキも笑顔で頷いた。
「一つの挑戦が、また次の挑戦につながる。」
◇
帰り道。
夕焼けに染まる川沿いを、ユウキとイノリは歩いていた。
「もし海外でもイベントができたら。」
イノリが静かに話す。
「また新しい出会いがありますね。」
「きっとある。」
ユウキは川面を見つめる。
「でも、場所が変わっても大切なことは同じ。」
「挑戦する人を応援すること。」
「はい。」
イノリは穏やかに微笑んだ。
「その気持ちは、ずっと変わりません。」
春の風がゆっくりと吹き抜ける。
ライブハウスから始まった小さな物語。
その物語は、日本中へ広がり、そして今、世界へ向かおうとしていた。
新しい未来は、もうすぐそこまで来ている。




