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第5期 第6話 アンコールの先へ

挿絵(By みてみん)


「アンコール!」


「アンコール!」


ホール全体を包み込むような声が響く。


拍手は途切れることなく続き、客席の熱気は開演前以上だった。


舞台袖でLuminous Fiveの五人は顔を見合わせる。


「すごいね……。」


ミユキが目を潤ませながら笑う。


「こんなに長いアンコール、初めてかも。」


マアヤも静かに息を吐く。


アヤネはメンバーを見渡した。


「もう一度、行こう。」


「うん!」


五人は力強く頷いた。



再びステージへ姿を現すと、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。


「ありがとうございます!」


アヤネが深く頭を下げる。


「こんなに温かいアンコールをいただけるなんて、本当に幸せです。」


拍手がさらに大きくなる。


「最後に、もう一曲だけ聴いてください。」


静かなピアノの音色。


アグリが優しく鍵盤に触れる。


続いてイノリのベースが重なり、マアヤのギターがゆっくりと旋律を描く。


ミユキのドラムが静かにリズムを刻み始めた。


アンコールのために用意していた特別な一曲。


これまで支えてくれた人たちへの感謝を込めたバラードだった。



客席は静かに聴き入っていた。


誰も声を出さない。


ただ音楽だけが、ホールいっぱいに広がっていく。


アヤネの歌声は優しく、それでいて力強かった。


スクリーンには五年間の思い出が映し出される。


初めてのライブハウス。


全国ツアー。


大型フェス。


新人アーティストたちとの笑顔。


そして今日、この記念ライブ。


演奏が終わると、数秒間の静寂が流れた。


やがて、会場中から大きな拍手が湧き起こる。


その拍手は、まるで波のように何度も何度も広がっていった。



ステージ中央へ進み出たアヤネがマイクを握る。


「最後に、一つだけ。」


静かな声で話し始める。


「音楽を続けてきて、本当に良かったです。」


「嬉しい日も、悔しい日もありました。」


「でも、その全部が今日につながっていました。」


アヤネは一歩下がり、イノリへ視線を送る。


イノリはゆっくりとマイクを受け取る。


「私たちは、小さなライブハウスから始まりました。」


客席は静かに耳を傾ける。


「何度も迷いました。」


「それでも歩き続けられたのは、応援してくださる皆さんと、仲間がいたからです。」


少しだけ声を震わせながら微笑む。


「本当に、ありがとうございました。」


五人は横一列に並び、深く頭を下げた。



舞台袖。


ユウキは静かに拍手を送っていた。


スタッフたちも、出演者たちも、誰もが笑顔だった。


「社長。」


運営スタッフが話しかける。


「最高のライブでしたね。」


「うん。」


ユウキは穏やかに答える。


「でも、一番嬉しいのは。」


ステージを見つめながら続ける。


「みんなが心から楽しそうに演奏していたことだ。」



終演後。


楽屋には和やかな空気が流れていた。


出演者たちが次々と挨拶に訪れる。


「また一緒にライブしましょう!」


「ぜひ!」


笑顔が絶えない。


イノリは窓の外を眺めながら、小さくつぶやく。


「ライブって終わると少し寂しいですね。」


ユウキが隣へ立つ。


「終わるから、また始めたくなる。」


「そうですね。」


イノリは笑顔になる。


「また新しい景色を見に行きたいです。」


「きっと行ける。」


ユウキは静かに頷いた。


ホールの照明が一つ、また一つと消えていく。


けれど、今日生まれた拍手や歌声は、それぞれの心の中でこれからも鳴り続ける。


そしてLuminous Fiveは、その音を胸に、新しい未来への一歩を踏み出していくのだった。


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