第5期 第5話 五年分の拍手
ステージに一歩踏み出した瞬間。
まばゆい照明がLuminous Fiveの五人を照らした。
客席いっぱいに広がる歓声。
色とりどりのペンライトが、まるで星空のように揺れている。
「すごい……。」
ミユキが小さくつぶやく。
イノリは客席を見渡し、静かに息を吸った。
この景色を目にするために、五人は歩き続けてきた。
◇
「こんばんは!」
アヤネの第一声が会場いっぱいに響く。
歓声はさらに大きくなった。
一曲目は、ライブハウス時代から歌い続けてきた代表曲。
イントロが流れた瞬間、昔から応援してきたファンから歓声が上がる。
マアヤのギター。
イノリのベース。
アグリのキーボード。
ミユキのドラム。
五人の音が重なり、一つの世界を作り上げていく。
客席では自然と手拍子が始まっていた。
◇
二曲目。
全国ツアーで育てた楽曲。
スクリーンには当時の映像が映し出される。
地方のライブハウス。
移動中の景色。
笑顔で手を振る観客。
演奏しながら五人の胸にも、あの頃の思い出がよみがえっていた。
「楽しかったね。」
アグリが小さく笑う。
イノリも演奏を続けながら頷いた。
◇
三曲目は、大型音楽フェスで初披露したオリジナル曲。
客席から一斉に歓声が上がる。
サビでは観客も一緒に歌い始めた。
何千人もの歌声がホールに響く。
アヤネは思わず笑顔になる。
「ありがとうございます!」
その言葉に、大きな拍手が返ってきた。
◇
MC。
アヤネがマイクを握る。
「五年前、小さなライブハウスから始まった私たちが、今日この景色を見ることができています。」
会場は静まり返る。
「応援してくださった皆さん、本当にありがとうございます。」
深く頭を下げる。
続いてイノリが前へ出た。
「今日、この会場には私たちだけではありません。」
スクリーンには、これまでイベントへ出演したアーティストたちの写真が映し出される。
「たくさんの仲間と、たくさんのスタッフ、そして音楽を愛する皆さんがいて、この場所があります。」
静かな拍手が広がる。
「この景色を、一生忘れません。」
◇
客席後方。
ユウキは静かにステージを見つめていた。
初めてライブハウスで五人を見た日。
全国ツアー。
大型フェス。
新人アーティストたちとの出会い。
その一つひとつが、今日という日に続いている。
「本当に、大きくなったな。」
自然と笑みがこぼれた。
◇
ライブ終盤。
最後の曲が始まる。
五年間の集大成として作られた新曲。
歌詞には、「出会い」「挑戦」「未来」という言葉が何度も織り込まれていた。
演奏が終わると、一瞬の静寂。
そして、会場を揺らすような拍手が響き渡る。
その拍手は、なかなか鳴りやまなかった。
五人は何度も頭を下げる。
「ありがとうございました!」
笑顔で手を振る。
その表情には、五年前にはなかった自信と、音楽を続けてきた誇りが宿っていた。
◇
舞台袖へ戻ると、出演者やスタッフが拍手で迎えてくれた。
「最高でした!」
「感動しました!」
さまざまな声が飛び交う。
イノリは照れくさそうに笑う。
「ありがとうございます。」
ユウキも静かに近づいた。
「みんな、お疲れさま。」
五人は振り返る。
「今日の拍手は、五年間頑張ってきたみんなへの拍手だった。」
その言葉に、アヤネは小さく頷く。
「まだ終わりじゃありません。」
「はい。」
イノリも力強く答えた。
「ここから、また新しい未来へ進んでいきます。」
ステージには、まだアンコールを求める拍手が響いている。
その音は、これまでの五年間を讃える拍手であり、これから始まる未来へのエールでもあった。




