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第5期 第4話 開幕の朝

挿絵(By みてみん)


「NEXT RISE PROJECT 5th ANNIVERSARY」


開催当日。


まだ朝日が昇ったばかりの時間にもかかわらず、会場周辺には多くの人が集まり始めていた。


受付ではスタッフが慌ただしく準備を進めている。


「パンフレットはこちらです。」


「入場列はこちらへお願いします。」


会場全体が、高揚感に包まれていた。



楽屋ではLuminous Fiveの五人が静かに支度をしていた。


いつものライブとは違う。


今日は五年間の集大成となるステージ。


自然と緊張も大きくなる。


「眠れた?」


ミユキが笑いながら尋ねる。


「少しだけ。」


マアヤが苦笑する。


「楽しみすぎて目が覚めちゃった。」


アグリはゆっくりと深呼吸をした。


「でも、不思議と怖くはない。」


イノリも穏やかに微笑む。


「ここまで積み重ねてきた時間があるから。」


アヤネが立ち上がる。


「今日も、私たちらしく。」


四人は静かに頷いた。



一方、ユウキは開場前の最終確認を行っていた。


音響。


照明。


配信設備。


誘導スタッフ。


すべての部署から「準備完了」の報告が届く。


「社長。」


運営責任者が近づく。


「予定どおり開場できます。」


ユウキは大きく息を吐いた。


「ありがとう。」


「みんなで作り上げたイベントだ。」


「最高の一日にしよう。」



午前十時。


開場。


ロビーには、五年間を振り返る写真パネルが展示されていた。


初回イベントの写真。


全国ツアー。


大型フェス。


「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」。


そして、出演者たちの笑顔。


来場者は足を止め、一枚一枚を見つめている。


「懐かしい。」


「このライブ、行ったな。」


そんな声があちこちから聞こえてきた。



正午。


イベントが始まる。


スクリーンには五年間の映像が映し出される。


小さなライブハウス。


数十人の観客。


初めてのフェス。


全国を巡るツアー。


夢を語る若いアーティストたち。


映像が終わると、大きな拍手が会場を包んだ。


ユウキは舞台袖からその光景を見つめる。


「あの日から、本当にたくさんの景色を見た。」



午後。


新人アーティストたちのステージが始まる。


以前このイベントへ出演した人たちも、今では堂々とした演奏を見せていた。


客席からは惜しみない拍手。


ステージ袖ではLuminous Fiveも笑顔で見守っていた。


「みんな、本当に成長したね。」


アグリが静かにつぶやく。


イノリも嬉しそうに頷く。


「続けてきた時間が、音に表れてる。」



夕方。


いよいよLuminous Fiveの出番が近づく。


スタッフが声をかける。


「五分前です。」


アヤネは四人を見渡した。


「ここまで来られたのは、みんなのおかげ。」


「そして応援してくれた皆さんのおかげ。」


マアヤが拳を握る。


「最高のライブにしよう。」


ミユキが笑顔で頷く。


「絶対に。」


アグリは静かに目を閉じ、深呼吸をした。


イノリはステージへ続く扉を見つめる。


その向こうには、大勢の観客が待っている。


ユウキが楽屋へやって来た。


「みんな。」


五人が振り返る。


「楽しんできて。」


その一言だけだった。


しかし、それだけで十分だった。


「はい。」


五人は笑顔で答える。


扉が開く。


大きな歓声が楽屋まで届く。


Luminous Fiveは顔を見合わせ、小さく頷いた。


そして、五年間の想いを胸に、光に包まれたステージへと歩き出していく。


物語は、いよいよ最後のクライマックスへ向かって動き始めた。


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