第5期 第2話 再会のステージ
「NEXT RISE PROJECT 5th ANNIVERSARY」開催まで、あと一か月。
ユウキの会社では準備が佳境を迎えていた。
「出演者全員のスケジュール確認が終わりました。」
スタッフが資料を手渡す。
「全国から三十組以上が集まります。」
ユウキは一覧を見ながら静かに頷いた。
「五年間で、こんなにも仲間が増えたんだな。」
資料には、初年度に出演した高校生バンドの名前もあれば、今ではワンマンライブを成功させるまでに成長したアーティストの名前も並んでいた。
それぞれが、自分の道を歩き続けていた。
◇
数日後。
Luminous Fiveはリハーサルスタジオに集まり、記念ライブへ向けた練習を始めていた。
「セットリスト、どうしよう?」
アヤネがホワイトボードを見つめる。
「五年間を振り返る内容にしたいね。」
マアヤが提案する。
「最初の頃によく演奏していた曲も入れたい。」
アグリも頷いた。
「今の私たちなら、あの頃とは違う表現ができると思う。」
イノリは静かにメモを書き込む。
「昔から応援してくれている人も、新しく知ってくれた人も楽しめるライブにしたい。」
「決まりだね!」
ミユキが笑顔でスティックを鳴らした。
◇
その週末。
記念ライブへ出演するアーティストたちとの合同リハーサルが行われた。
会場へ入ると、懐かしい顔が次々と集まってくる。
「お久しぶりです!」
「あのイベント以来ですね!」
かつて「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」で共演したバンドのメンバーたちだった。
「あのとき高校生だったよね?」
アヤネが笑う。
「はい! 今年で大学二年生になりました。」
以前イノリに相談していたベーシストも、堂々とした表情で挨拶をしていた。
「また同じステージに立てるなんて嬉しいです。」
「私も。」
イノリは優しく微笑んだ。
「続けてきてくれて、本当に良かった。」
◇
合同リハーサルが始まる。
出演者全員で演奏するフィナーレ曲。
何十人もの演奏者が一つの音楽を作り上げる。
最初は少しタイミングが合わなかった。
それでも何度も繰り返すうちに、少しずつ音が重なっていく。
演奏を終えると、自然と拍手が起こった。
「すごい迫力……。」
ミユキが目を輝かせる。
「本番が楽しみだね。」
◇
休憩時間。
ユウキはステージを眺めながら静かに立っていた。
そこへイノリがやってくる。
「どうしたの?」
「この景色を見ていた。」
ユウキは客席を見渡した。
「五年前は、一つのイベントを成功させるだけで精一杯だった。」
「今は、たくさんの人が集まっていますね。」
「みんながこの場所を育ててくれた。」
イノリはステージへ目を向ける。
「ここには、それぞれの物語があります。」
「初めてライブに立った人。」
「夢を諦めずに続けてきた人。」
「そして、新しい夢を見つけた人。」
ユウキは静かに頷いた。
「だから、この記念ライブは過去を振り返るだけじゃない。」
「未来へ進むためのライブなんだ。」
◇
帰り際。
出演者たちは「本番で会おう!」と笑顔で手を振り合っていた。
その光景を見ながら、Luminous Fiveの五人も自然と笑顔になる。
五年間で生まれた出会い。
支え合い、励まし合いながら歩んできた時間。
そのすべてが、一つのステージへ集まろうとしていた。
記念ライブまで、あと三週間。
ユウキとLuminous Fiveは、これまでで最も特別な一日へ向けて、最後の準備を進めていくのだった。




