第5期 第1話 新しい扉
春。
柔らかな日差しが街を包み、新しい季節が始まっていた。
ユウキは会社の窓から街を眺めながら、一冊の企画書を閉じた。
「社長、いよいよですね。」
スタッフが会議室へ入ってくる。
「はい。」
ユウキは穏やかに微笑んだ。
机の上には、一枚の資料が置かれている。
**NEXT RISE PROJECT 5th ANNIVERSARY**
イベント開始から五年。
その節目を迎える記念プロジェクトだった。
「今回は今までで一番大きな挑戦になります。」
スタッフがスクリーンを映し出す。
全国各地で活躍するアーティストを集めた記念ライブ。
さらに、これまで「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」から羽ばたいたバンドも出演する予定だった。
「五年間の集大成にしよう。」
ユウキの言葉に、スタッフ全員が力強く頷いた。
◇
その日の午後。
Luminous Fiveの五人が事務所を訪れる。
「こんにちは!」
以前よりも落ち着いた雰囲気になった五人。
それでも笑顔は、初めて会った頃と変わらなかった。
「みんな、久しぶり。」
ユウキが迎える。
「今日は記念プロジェクトの打ち合わせなんですよね?」
アヤネが椅子に座る。
「そう。」
ユウキは企画書を開いた。
「今年でイベントは五周年になる。」
「だから、今まで出演してくれた皆さんにも集まってもらいたい。」
「すごい……。」
ミユキが目を輝かせる。
「今まで一緒だった人たちにまた会えるんだ。」
アグリも嬉しそうに頷く。
「まるで同窓会みたいですね。」
◇
企画書を見ながら、イノリが静かに口を開く。
「私たちも出演するんですよね?」
「もちろん。」
ユウキは笑顔で答えた。
「今ではLuminous Fiveも、このイベントを代表する存在だから。」
その言葉に五人は少し照れたように笑う。
「責任重大ですね。」
マアヤが苦笑する。
「でも。」
アヤネが拳を握る。
「今までで一番いいライブにしたい。」
「賛成!」
四人が力強く頷いた。
◇
打ち合わせを終えたあと。
ユウキとイノリは、近くの公園を歩いていた。
桜が満開を迎え、風が吹くたびに花びらが舞い上がる。
「もう五年なんですね。」
イノリが空を見上げる。
「本当にあっという間だった。」
ユウキも桜を見つめる。
「ライブハウスで初めて演奏していた頃が、昨日のことみたいだ。」
「でも、あの頃の私たちには想像できませんでした。」
イノリは穏やかに微笑む。
「こんなにたくさんの人と出会えるなんて。」
「夢って不思議だね。」
ユウキが静かに言う。
「追いかけているうちに、自分一人の夢じゃなくなっていく。」
イノリはゆっくり頷いた。
「私たちも、たくさんの人と一緒にここまで来ました。」
しばらく二人は満開の桜並木を歩く。
花びらが肩に舞い落ちる。
「ユウキさん。」
「ん?」
「第5期は、どんな景色が待っていると思いますか?」
ユウキは少し考え、穏やかに笑った。
「きっと、今までで一番たくさんの笑顔が見られる景色だよ。」
イノリも笑顔で頷く。
「その景色を、みんなで見に行きましょう。」
夕暮れの桜並木を歩く二人の背中を、春風がそっと押していた。
五年間で積み重ねた想い。
出会い。
挑戦。
そして夢。
そのすべてを胸に、ユウキとLuminous Fiveは、新たな未来へ向かって再び歩き始めるのだった。




