第4期 第13話 未来へ続くアンコール
冬の澄んだ空気が街を包む頃。
「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」二年目の全日程が終了し、ユウキの会社では一年を締めくくる報告会が開かれていた。
スクリーンには、この一年の記録が映し出される。
全国開催都市。
出演アーティスト。
ライブ写真。
笑顔で並ぶ集合写真。
どの一枚にも、それぞれの挑戦の瞬間が残されていた。
「皆さん、本当にお疲れさまでした。」
ユウキがゆっくりと頭を下げる。
会議室には大きな拍手が響いた。
スタッフの一人が笑顔で口を開く。
「社長。」
「最初は続けられるか不安でしたけど、本当に大きなプロジェクトになりましたね。」
ユウキは静かに頷いた。
「みんなが支えてくれたからだよ。」
「来年は、もっといいイベントにしよう。」
「はい!」
力強い返事が部屋いっぱいに広がった。
◇
その日の夕方。
Luminous Fiveは年内最後のワンマンライブを迎えていた。
会場となったライブホールは満員。
開演前から客席は期待に満ちた空気に包まれている。
控室では五人が円陣を組んでいた。
「今年最後のライブ。」
アヤネが仲間を見渡す。
「一年間の感謝を全部届けよう。」
「うん!」
マアヤが力強く頷く。
アグリは深呼吸をして笑った。
「いつもどおり楽しもう。」
ミユキはスティックを握り直す。
「最高の締めくくりに!」
イノリは静かに全員の手へ自分の手を重ねた。
「今日も、私たちらしい音を届けよう。」
「おー!」
五人の声が重なった。
◇
ライブが始まる。
照明が落ち、大きな歓声が響く。
「こんばんは!」
アヤネの歌声がホールいっぱいに広がる。
代表曲。
全国ツアーで育てた楽曲。
大型フェスで披露した曲。
そして、今年制作した新曲。
一曲ごとに、この一年の思い出がよみがえってくる。
客席には笑顔があふれ、自然と手拍子が広がっていった。
◇
ライブ終盤。
イノリがマイクを握る。
「今年は、本当にたくさんの景色を見ることができました。」
会場が静かになる。
「全国ツアー。」
「大型フェス。」
「そして、たくさんの新人アーティストとの出会い。」
少しだけ言葉を止め、客席を見渡した。
「でも、一番嬉しかったのは、またここで皆さんと会えたことです。」
温かな拍手が響く。
「これからも、私たちは一歩ずつ前へ進みます。」
「皆さんも、それぞれの夢を大切にしてください。」
その言葉に、客席から大きな歓声が返ってきた。
◇
アンコール。
会場全体が一つになって歌う。
最後の音が鳴り終わると、拍手はいつまでも鳴りやまなかった。
五人は何度も頭を下げる。
「ありがとうございました!」
その笑顔は、初めてライブハウスへ立った頃よりも、ずっと自信に満ちていた。
◇
終演後。
楽屋には、ユウキが花束を持って訪れた。
「お疲れさま。」
「ユウキさん!」
五人が笑顔で迎える。
「一年間、本当によく頑張ったね。」
ユウキは花束を手渡す。
アヤネは嬉しそうに受け取り、深く頭を下げた。
「ありがとうございます。」
イノリが静かに言う。
「今年は夢が叶った一年でした。」
「でも、不思議と終わった気がしないんです。」
ユウキは穏やかに微笑む。
「夢は、一つ叶うたびに新しい夢が始まるからね。」
イノリはゆっくり頷いた。
「はい。」
「私たち、もっと遠くまで行きます。」
「その景色を、また一緒に見届けてください。」
「もちろん。」
ユウキは力強く答えた。
◇
ライブホールを出ると、冬の星空が広がっていた。
ユウキは立ち止まり、夜空を見上げる。
会社を立ち上げた日。
初めて音楽イベントを企画した日。
Luminous Fiveと出会った日。
すべての出来事が、今日という一日につながっていた。
遠くでは、ライブホールの灯りがまだ輝いている。
その灯りは、新しい夢へ向かう道しるべのようだった。
Luminous Fiveは、さらに大きなステージを目指して歩き続ける。
ユウキもまた、多くの夢を支える場所を守り続ける。
アンコールは終わった。
けれど、本当の物語はまだ終わらない。
新しい出会い。
新しい挑戦。
新しい未来。
そのすべてが待つ**第5期**へ――。
**第4期・完**




