第4期 第12話 積み重ねた日々
夏の終わり。
「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」は二年目最後の開催を目前に控えていた。
全国を巡ってきたイベントも、いよいよ一年の締めくくりを迎えようとしている。
ユウキは会社の会議室で、一年間の資料を見返していた。
開催都市。
出演アーティスト。
来場者数。
そして、出演後に活動の幅を広げたアーティストたちの報告。
一枚一枚の資料には、多くの挑戦の記録が刻まれていた。
「社長。」
スタッフが声をかける。
「最終開催の準備、すべて整いました。」
ユウキはゆっくりと立ち上がる。
「ありがとう。」
「今年最後も、最高の一日にしよう。」
◇
その頃。
Luminous Fiveの五人も最後のリハーサルを行っていた。
「今日で今年最後のEXTRAライブだね。」
ミユキがスティックを握りながら笑う。
「少し寂しい。」
アグリも穏やかに微笑む。
「でも、また来年がある。」
マアヤはギターを鳴らした。
「去年より成長した姿を見せたい。」
イノリは四人を見渡す。
「私たちだけじゃなく、出演する皆さんも。」
アヤネは大きく頷いた。
「みんなで最高の一日にしよう。」
◇
最終開催当日。
ライブハウスには、多くの出演者が集まっていた。
その中には、初年度に出演したバンドや、今年初めて出演するグループもいる。
「久しぶりです!」
「また呼んでもらえて嬉しいです!」
再会を喜ぶ声が会場中に響いていた。
ユウキは一人ひとりと言葉を交わしていく。
「元気そうだね。」
「おかげさまで、ライブ活動を続けています!」
そんな返事を聞くたびに、自然と笑みがこぼれた。
◇
イベントが始まる。
新人アーティスト。
昨年出演したバンド。
そしてゲストのLuminous Five。
それぞれが、今できる最高の演奏を届けていく。
客席は温かな拍手に包まれた。
演奏を終えた高校生バンドのメンバーが涙ぐみながら話す。
「去年、このイベントを見に来て、『来年は自分たちも出たい』と思っていました。」
「その夢が今日叶いました。」
客席から大きな拍手が送られる。
イノリも舞台袖で静かに拍手を送った。
◇
Luminous Fiveのライブ。
「こんばんは!」
アヤネの明るい声が響く。
ライブハウス全体が笑顔に包まれる。
代表曲。
オリジナル曲。
そして最後は、イベントテーマソング。
客席も出演者も一緒になって歌う。
音楽が会場を一つにつないでいた。
◇
ライブ終了後。
出演者全員がステージへ集まる。
ユウキもマイクを受け取った。
「ありがとうございます。」
静かな声で話し始める。
「このイベントは、たくさんの方に支えられてここまで続けることができました。」
客席が静かになる。
「でも、一番伝えたいのは、『挑戦してくれてありがとう』ということです。」
「今日ここへ立った皆さんの一歩は、きっと誰かの希望になります。」
大きな拍手が会場いっぱいに広がった。
◇
終演後。
ライブハウスの外。
夜風が心地よく吹いていた。
イノリは会場を振り返る。
「今年も終わりましたね。」
「そうだね。」
ユウキは静かに頷く。
「でも、この場所は終わらない。」
「はい。」
イノリは微笑む。
「また新しい誰かが夢を持って、このステージへ来る。」
二人は並んで歩き始める。
ライブハウスの灯りが少しずつ遠ざかっていく。
積み重ねた日々は、決して消えない。
その一歩一歩が、新しい未来への道となり、次の夢を追いかける人たちへ受け継がれていく。
そして、ユウキとLuminous Fiveの物語も、いよいよ新たな節目を迎えようとしていた。




