表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/65

第4期 第11話 夢のその先へ

挿絵(By みてみん)


梅雨が明け、夏の日差しが街を照らしていた。


「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」は二年目の中盤を迎え、各地のライブハウスでは連日のように新人アーティストたちがステージへ立っていた。


ユウキの会社では、イベント運営チームが新たな資料を広げている。


「社長、今年の参加希望者数が過去最多を更新しました。」


スタッフが報告する。


「去年と比べて、およそ二倍です。」


ユウキは静かに資料を閉じた。


「ありがたいね。」


「その分、一人ひとりと丁寧に向き合える運営を続けよう。」


「はい。」


スタッフたちは力強く頷いた。



その日の午後。


Luminous Fiveは都内のスタジオで新曲の制作を進めていた。


「サビ、もう少し広がりが欲しいかな。」


マアヤがギターを弾きながら提案する。


「キーボードで少し重ねてみようか。」


アグリが鍵盤に手を置く。


ミユキはリズムを変えながら試してみる。


「こっちのほうがライブ映えしそう!」


アヤネは歌詞を見つめ、小さく口ずさむ。


イノリは全体を聴きながら、ゆっくりと頷いた。


「みんなの音が一つになってきたね。」


以前よりも自然に意見を出し合い、一つの曲を作り上げていく。


その姿は、確かな経験を積み重ねてきた証だった。



数日後。


「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」の会場。


イベント終了後、新人アーティストとの座談会が開かれた。


「質問があります!」


一人の高校生ドラマーが手を挙げる。


「皆さんは、夢を諦めそうになったことはありますか?」


会場が静かになる。


アヤネがマイクを持つ。


「もちろんありました。」


「ライブにお客さんが少ない日もありました。」


マアヤが続ける。


「思うように演奏できなくて落ち込んだこともあります。」


アグリは穏やかに話す。


「でも、一人じゃなかったから続けられました。」


最後にイノリが口を開く。


「夢は、一直線には進みません。」


静かな声が会場へ響く。


「遠回りをしたり、立ち止まったりする日もあります。」


「でも、その時間も全部、自分の音楽になります。」


客席から大きな拍手が送られた。



イベント終了後。


出演者たちは笑顔で写真を撮り合い、連絡先を交換していた。


「また一緒にライブしましょう!」


「ぜひ!」


そんな会話があちこちで聞こえてくる。


ユウキはその光景を見ながら微笑んだ。


「音楽が、人と人をつないでいる。」


数字では表せない価値が、確かにそこにあった。



夜。


会場近くの公園。


ユウキとイノリはベンチへ座り、缶コーヒーを片手に夜空を眺めていた。


「今日の質問、考えさせられました。」


イノリが静かに言う。


「諦めそうになったこと、何度もありました。」


「でも、振り返ると、そのたびに誰かが支えてくれていました。」


ユウキは穏やかに笑う。


「それが仲間なんだろうね。」


「はい。」


イノリも笑顔で頷いた。


「今度は私たちが、誰かの支えになれたら嬉しいです。」


公園を吹き抜ける夜風は涼しく、夏の虫の声が静かに響いていた。


夢は、叶えることだけが目的ではない。


誰かの夢を応援できる存在になることも、また一つの夢なのだ。


ユウキとLuminous Fiveは、その想いを胸に、また新しいステージへ向かって歩き続けるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ