第4期 第9話 新しい春、新しい仲間
年が明け、春。
「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」は二年目の開催へ向けて動き始めていた。
ユウキの会社では、新シーズンの企画会議が行われている。
「今年は応募数が昨年の一・五倍です。」
スタッフが資料をスクリーンへ映し出す。
「地方開催を見て応募してくださった方が多いようです。」
ユウキは静かに資料へ目を通した。
「少しずつ、このイベントが知られるようになったんだね。」
「はい。」
「今年も、一人でも多くの人にステージへ立つ機会を届けよう。」
会議室には力強い返事が響いた。
◇
その日の午後。
Luminous Fiveの五人も新しいライブに向けたリハーサルを始めていた。
「今年最初のライブだね。」
アヤネがマイクを握る。
「いいスタートにしたい!」
ミユキがスティックを回しながら笑う。
「冬休みで少し鈍ってない?」
「それなら練習あるのみ。」
マアヤがギターを構える。
アグリが静かに鍵盤へ手を置いた。
「去年より、もっといい音を届けよう。」
イノリは四人を見渡し、小さく頷く。
「始めよう。」
◇
数日後。
今年最初の「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」が開催された。
ライブハウスには、新しい出演者たちが集まっている。
その中には、高校を卒業したばかりの三人組バンドの姿もあった。
「すごく緊張します。」
ボーカルの青年が苦笑する。
アヤネは優しく笑った。
「私たちも毎回緊張するよ。」
「えっ?」
「緊張しなくなる日は、たぶん来ないと思う。」
その言葉に、その場の空気が和らいだ。
◇
リハーサル中。
イノリはベースの調整に苦戦している少女へ声をかけた。
「困ってる?」
「少しだけ……。」
少女は申し訳なさそうに笑う。
「音作りがうまくいかなくて。」
イノリはアンプのつまみを確認しながら言う。
「少しずつ変えてみよう。」
二人で何度か音を出す。
「どう?」
少女はベースを弾き、嬉しそうに目を輝かせた。
「さっきより弾きやすいです!」
「良かった。」
イノリも自然と笑顔になった。
◇
イベントが始まる。
新人アーティストたちは、それぞれの音楽を精いっぱい届ける。
客席では手拍子が起こり、演奏が終わるたびに大きな拍手が響いた。
舞台袖から見守るユウキは、小さく微笑む。
「今年も、いいスタートになりそうだ。」
◇
Luminous Fiveのステージ。
「こんばんは!」
アヤネの声とともに会場が盛り上がる。
オリジナル曲。
代表曲。
そして、新しく完成した楽曲も初披露された。
演奏が終わると、客席から温かな歓声が送られる。
MCでイノリがマイクを握った。
「新しい一年が始まりました。」
静かに客席を見渡す。
「今年も、この場所からたくさんの夢が生まれることを願っています。」
会場は大きな拍手に包まれた。
◇
終演後。
出演者全員で記念写真を撮影する。
今年最初の集合写真。
そこには、期待に満ちた笑顔が並んでいた。
帰り道。
ユウキとイノリはライブハウスを振り返る。
「また新しい仲間が増えましたね。」
イノリが穏やかに言う。
「そうだね。」
ユウキも笑顔で頷く。
「夢を追いかける人がいる限り、この場所は続いていく。」
春の夜風が静かに吹き抜ける。
新しい季節。
新しい出会い。
そして、新しい物語。
ユウキとLuminous Fiveは、今年もまた、誰かの夢の始まりを見届けながら、自分たちの未来へ向かって歩き続けるのだった。




